魔王を倒す冒険が終わった後、元の生活に戻り丘の上の教会でボランティアなどを行うヒーラー。
そのヒーラーに思いを寄せながらも彼女は聖職者のためこの思いは決して届くことはないと感じ取っている勇者（語り手）
そんな勇者のもとに婚約の話が入ってくる。

語り手は穏やかな性格の元勇者になっていただきます。彼は同じパーティーのヒーラーに思いを寄せますが、彼女は聖職者のため恋人にはなれません。
そんな秘めた恋心を演じていただけたらと思います。
こちら使用する際は概要欄などに「宮川雨」の名前を入れていただけたら幸いです。
自作発言などはお控えください。

「ああ、お久しぶりです。お元気にされていましたか」
「ええ、私も元気にやっていますよ。今日は街の修繕のお手伝いをされるのでしょう？私もお手伝いしますよ」
「いいんですよ。勇者といっても以前はただの一般市民だったんですから。それに、それを言ったらあなただって魔王軍を倒したパーティーの一人ではありませんか」
「でしょう？だからほら、いきましょう」

（少し間をおく）
「それにしてあの日から本当に穏やかな世界になりましたね。人々の笑顔をあふれてきて、こうして子供たちの笑い声も聞こえてくる」
「まだまだ荒れている地域もありますが、これから復興のために私たちも力になってやらねば」
「…どうしたのですか？そんな笑われて。…本当にお人好し？それは、私のことでしょうか」
「それを言ったらあなただって、旅に出ていたころから無償で子供たちに食事を与えたり、困っている人々を助けていたではありませんか」
「そんなあなたを見て、私も何か人々の役に立てるようにとこうして自ら動くようになったのですよ」
「ほんとうですよ、あなたを見ていると私も頑張らなくてはと思うのです。今こうやって町の修繕を手伝っているのもあなたの影響ですよ」
「本当にあなたはいつも一生懸命で、優しくて、頑固で、目が離せなくて…いえ、なんでもありません」
「さあ、向こうで町の人が呼んでいますよ。行って手伝いましょう」

（少し間をおく）
「はあ、さすがに一日修繕の手伝いは疲れましたね。あなたも疲れたでしょう、丘の上の教会まで送りますよ」
「いいんです、私が送りたいのですから。帰り道何か話しながら帰りましょう」
「教会での暮らしはどうですか？…そうですか、快適に暮らしているのでしたら良かったです」
「本来なら城で一生暮らしてよいと王がおっしゃったのに、あなたと言ったら教会で静かに暮らすの一点張りでしたからね」
「私ですか？私は普段城の兵士たちの指導でなんだかんだ忙しく暮らしていますよ」
「…ああ、あなたの耳にも入ったのですね。そうですね、王直々に縁談の話が私のもとにきました」
「正直困りました。私には心に決めた方がいて、生涯独身を貫くと決めているのに」
「…え？思い人に告白しないかですか。…しません、困らせてしまうのは目に見えていますから」
「だから私は、あの方を思っているだけにすると、この思いに蓋をすると決めたのです」
「すみません、暗いお話をしてしまって。さあ、協会につきましたよ。今日は疲れたでしょうからゆっくり休んでください」
「はい、それではさようなら。おやすみなさい」

（少し間をおく）
「たとえ叶わぬ恋だとしても、あなたを思わずにはいられないのです。どうか、思うだけのこの恋をお許しください」

・台本（ゆるボイ！）
貴方を思うこの恋心をどうかお許しください
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
宮川雨