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厳しいゼミの教授に論文について相談しに行ったが何か言いたそう
  • 学校/学園
  • 教師
  • ダウナー
  • 年上
  • クーデレ
公開日2022年09月19日 00:59 更新日2022年09月19日 00:59
文字数
2242文字(約 7分29秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
教授
視聴者役柄
学生
場所
大学
あらすじ
厳しいで有名な不器用教授に呼び出されます。
厳しい態度とは裏腹に教授はその学生の事を気に入っているようです。
ジャンルとしてはツンデレかクーデレ?になるかと思います。
本編
みなさんお疲れ様です。今日はこれで終わりにします。

各自来週までにはデータを統計処理して、できれば結果の考察までしておいてください。

それでは…

ああ、ちょっと君。この後時間あるかい?

君の研究手法についていくつか言いたいことがあってな。

バイト?

……ふーん、そうか。

それでは来週のゼミまでに私の研究室に来てくれ。

待っているぞ。

ーーーー

コンコン

どうぞ。

……君か。

前回のゼミから時間が空いているが、大丈夫なのか?

私は次の日にでも来ると思っていたが……。

明日は統計結果の発表だぞ。

君はもう少し自分の研究に対して真摯に向き合った方がいいのではないかな?

「何回か訪ねたが私がいなかった」?

私はそれほど講義を受け持っていないし、君も今期は空きコマが多かったはずだが……。

まあいい。本題に入ろうか。

私が言いたいことはわかっているな?

そう、君の卒論についてだ。

これまでのゼミで同期の発表を聞いてどうだった?

正直に言わせてもらうと、君の発表はやる気がないとしか思えない。

……あまり怯えないでくれ。

君の研究はなかなかに興味深い。これは本当だ。

だが君が調べたい事がそのやりかたでわかるとは到底思えない。

いつも言っているではないか。研究というのは厳密な方法論の上で行われるものだ。

いくら面白い発想でも手法が間違っていてはその研究は無意味だ。

まず君は先行研究を洗いきれていない。

そのせいで問題と目的がうまく書けていないんだ。

確かな研究結果としての知識がないから、前提がふわふわしている。

いくらユニークな研究でも先行研究は必ずある。

特に君の研究の場合は隣接する学問分野が多い。

卒論を本当に良いものにしたいのであれば、他の同期の何倍もの論文に目を通す必要がある。

それと分析方法にも問題が多い。

不適切な処理をしてはせっかくのデータがただのゴミになる。

この教科書を貸すから統計について一から学び直せ。書き込んでしまっても構わない。

とりあえずはこんなところか。

何度も言うが君の研究はしっかり手順を踏めばかなり面白いものになる。

期待しているぞ。

……ちょ、ちょっと待ってくれ。それとだな……。

この後時間はあるか?良ければコーヒーでも……。

そ、そうか。バイトならしょうがない。気をつけて行ってこい。

明日の発表、楽しみにしているぞ。

バタン

……嫌われてしまったかな。

頭ではわかっているのだが……どうしていつも厳しく当たってしまうのだろうな。

こんな堅苦しい話し方ではあの子が怯えてしまうのも無理はない。

二人きりで話す口実として研究室に呼び出していたが、そろそろ限界かな。

次、貸した教科書を返しに来た時はもう少し優しく接してやろう。

ーーーー

コンコン

どうぞ……ああ君か!

……こほん、今日はどうしたんだ?

この前貸した教科書か。

……随分と書き込んでいるな。

いや気にするな。勉強熱心な証拠だ。

この間の発表、素晴らしかったぞ。正直驚いた。

「私のおかげ」?

何を言う。君が頑張ったんじゃないか。

君のように向上心のある生徒を教えるのは、私としても楽しいからな。

だがまだまだ改善点はあるぞ。データの統計処理は出来ているが、その結果の考察に飛躍が多く……。

いや、なんでもない。

すまないな、今日は褒めるだけにしようと決めていたんだが……。

君は間違いなく成長している。それを褒めるのが教育者としてのあるべき姿だったな。許せ。

……「私の指導のおかけで成長できた」、か。

そう言ってくれるのは君くらいだよ。

私はこんな性格だからな、すぐ堅苦しい話に持っていってしまうんだ。

そのせいでゼミも講義も学生からはあまり評判が良くない。

君のように気を使える子は私の救いだよ。

「お世辞じゃない」?

しかし、私も君に対して少し厳し過ぎた自覚はある。

嫌われても不思議じゃないと思っている。そんなに気を使わなくても大丈夫だ。

……どうしたんだ?突然真剣な顔をして……

「話がある」?

……ふふっ。

いやすまない。いつも私が言っていることを君から言われるとはな。

どうしたんだ?何か悩み事か?

……「院に進んでもっと私の元で学びたい」?

……驚いたな。

私のゼミ生はとっとと卒論を仕上げて私からおさらばしたいという者が大半なのだが。

……いつも厳しいことを言ってきたが、君は勉強熱心だし才能もある。院に進むのは私も賛成だ。

だが、何も私の元で学ぶ必要はない。

この大学には優れた研究者がたくさんいる。

私なんかより、君が教えを乞うべきなのはそういう者達だ。

……君が私を選んでくれたことは素直に、嬉しい。

だが、正直に言って私は君を研究者として育てられる自信がない。

私はお世辞にも出来た人間ではない。他の教え子達もそう判断しているだろう。

誰かに師事するということは君の人生を大きく変えることだ。

それをゼミで世話になったと言うだけで決めるのは早計というものだ。

こんな人を褒めることもできない不器用な私より、君にはもっと適切な人が……。

わ、私のことを、お、お、「恩師だと思っている」!?

そ、それは買い被りすぎと言うものだよ。

さっきも言ったが君の成長はひとえに君の努力の賜物だ。

私はなにも君に……。

……「私のおかげで努力できた」、か……。

ふふっ、君も私に負けず劣らず頑固者だな。

……いいだろう。私が君を立派な研究者に育てると約束しよう。

だがそうと決まればこれからは一層厳しく指導していくぞ。

手放しに褒めるなんて私がすると思うなよ。
途中でやっぱりやめますなんて言わせないからな。

でも、そうだな……。

私たちはこれから長い付き合いになるだろうからな。

お互いに人となりをもっと知り合わなければ研究にも支障が出るかもしれない。

どうだい?良ければコーヒーでも……。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
厳しいゼミの教授に論文について相談しに行ったが何か言いたそう
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
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