後輩ちゃんにストーカーされて困っている先輩くん。ある日からかい半分で「彼女が欲しい」と聞こえるように呟いたその後……

あ、あの！　先輩！

お疲れ様です…ｴﾍﾍ……

突然でごめんなさい。先輩って今
か、彼女が欲しいんですよね…？

もう！　誤魔化さないでくださいよ〜

昨日帰り道でご友人に言ってましたよね？
はやく彼女作って楽しい青春を送りたいって……

え？タイプじゃない？
そ、そんなの…嘘です！
嘘に決まってます！

私知ってますよ
料理がうまくて、胸が大きくて、包容力もある年下の女の子と付き合いたいって言ってたこと…

そ、それって…
私の事ですよね？

だって
私ってそれなりに料理はできますし、胸も……先輩と交流がある人の中では、大きい方ですし…

それに……えっと…先輩がやって欲しいこと何でもしてあげられます！！


じゃあ今すぐ百万円！？
え…えと、それはちょっと……
私いま手持ちが少なくて…
ご飯奢るくらいならできるんですけど……


あとストーカーとは付き合えない？
ちょっと先輩
それはいくらなんでも酷いです！
私はストーカーなんかじゃありません！


実際私がストーカーって
証拠がどこにあるんですか！？

ほ、ほら！何もないじゃないですか！
これで何も問題無いですよね…ｴﾍﾍ……
今私と付き合ってくれたら、さっきストーカーって言ったこと許してあげるので……ってちょっと先輩！

はぁ…はぁ……逃げられちゃった……
ストーカーしてたのバレてたんだ……


でも………
付き合いたいなら100万円か……


……ｴﾍﾍ…………



[インターホンの音]
せんぱーい
あれ〜？

[インターホン連打]

いるの分かってますよ〜
愛しの彼女が来ましたよ〜


[扉を開ける音]

あ！やっと開けてくれた…
も〜どれだけ待たせるんですか！


近所迷惑だからやめろ？
じゃあはやく部屋に入れてください
愛しの彼女がこごえちゃいますよ？


彼女じゃないだろ？
え？　あ！そうでした…
渡してませんでしたね……
これどうぞ！　

なにこれって？
100万円ですよ！
持ってきたら付き合ってくれるんですよね？

というか
私、寒いの我慢できなくなってきたので、
続きは先輩の部屋で話しましょ？
ね？　それじゃあ…

お邪魔しまーす。
わぁ…結構キレイにしてるんですね。
私が掃除してあげようと思ってたのに…


その100万円はどうぞ受け取ってください。
その程度で先輩が手に入るなら安いものです。


さてと……
今日先輩はお休みですよね？
私とどこか遊びに行きませんか？


え……行かないんですか？
ど、どうしてですか！？
もしかして足りなかったとか！


そ、それなら……
先輩の欲しい分言ってください！
私これでも結構お金持ってるので……ﾍﾍ…


どうして無言で返すんですか？
やっぱり足りなかったんですよね？
すいません…たった100万円じゃ………
大丈夫ですよ、今日多めに持ってきてるので…


先輩冗談は辞めてください…
どうして帰れなんて言うんですか？
私は先輩から答えを聞いていませんよ？
"YES"か"はい"の二択しかないんですけど……

どうして黙るんですか？
フフッ……フフフッ……アハハッ…
アハハハハハハハ！！！
先輩…私……分かっちゃいました……


最初から付き合う気なんて無かったんだ……
私を馬鹿にして、遊んでただけだったんだ……
ゆるさない……絶対ゆるしません……

これだけは使いたく無かったんです……
わ…私本当に、100万円ぽっち払えば、付き合ってくれるんじゃないかって……
夢にまで見た先輩との、淡い恋人生活が始まるんじゃないかって………
期待してたのにっ！


あ〜ぁ
私…怒っちゃいました……

あ、これ…気になります？
知ってますよね？スタンガンです。
大丈夫です。痛いのは一瞬だけなので……


ねぇ…どうして逃げようとしてるんですか？
本当に私を焦らすのが上手いですね…
それも今日で終わらせてあげます……

だ、大丈夫ですから……ね？
先輩が良い子にしてたら、悪いようにはしませんから……ｴﾍﾍ…


[スタンガンの音]




あっ……起きた……
ごめんなさい先輩…
また逃げられたら嫌なので
縛らせて貰ってます…


ちょっと苦しいですよね…
安心してください…
すぐに開放してあげます…

ただ……ちょっと条件があって……
あっ！もう付き合ってなんて言いませんよ！
…私からは……ですけど………

これを飲んで欲しいんです…
この小さなカプセルひとつだけ……

先輩知ってますよね？
私の実家が大手の製薬会社って……

怪しい薬じゃないだろうな？
そうです。怪しい薬です。
違法薬物ってやつです。

そんなに怖がらないでください…
これを飲んだら…脳みそがグズグズになって、何も考えられなくなって…手足も少し麻痺してきて……私の事しか考えられなくなっちゃうだけですから…

ｴﾍﾍﾍﾍ……


そんな物飲まない？
ｴﾍﾍ……飲まなくてもいいですよ？
先輩を他のメスがいる外に
出さなくて良くなりますから。

まぁもし……もしかしたらですよ？
先輩の意志が強かったら〜
薬に打ち勝っちゃう事もあるかもしれませんね〜
ｴﾍﾍﾍﾍ……

え？！　飲むんですか？　
本当に良いんですね？
口に入れちゃいますよ？


はぁあ…飲んじゃいましたね……
口の中とかに隠してないですよね？
ｴﾍ……ｴﾍﾍﾍﾍ……

じゃ…じゃあ拘束外してあげますね……
これでもう自由ですよ…ｴﾍﾍ………

どうしましたか〜先輩？
目の焦点合ってませんよ？
何も考えられないんですよね？
手足も思い通りに動きませんよね？
本当に可愛いな〜先輩は


薬に打ち勝てるなんて
嘘に決まってるじゃないですか〜


あ…でも……私………
その症状を緩和するお薬持ってるんですよね…

さてと……
私はもう付き合ってくださいなんて言いません
どうぞ扉は空いてるのでお帰りください♪
その体で帰れれば……の話ですけど…

薬をください？　嫌ですよ。
私のお願いは聞いてくれなかったのに、どうして先輩の言う事は聞かないと行けないんですか？


あれ〜？
立ち上がる事もできないんですか？
必死にすがる先輩も可愛いです！


付き合うから？
どうして上から目線なんですか？
たかが独り暮らしの学生と社長令嬢の私…釣り合うわけありませんよね？

お願いする時は
それ相応の態度が必要なのではありませんか？

はい…良くできました。
先輩…今度また私から逃げようとしたら、二度と外には出さないし、完全に先輩を壊しちゃいますからね？

心に刻んで置いてください…
じゃあ今から私達は恋人同士です。
明日からずっと一緒ですよ…

　　　せ　ん　ぱ　い

・台本（ゆるボイ！）
ストーカー後輩ちゃんの前で「彼女が欲しい」と呟いてみたら…
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
カモシカ遊歩道