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アナタを癒したいエルフのイヤーマッサージ
written by レオン
  • 耳かき
  • 人外 / モンスター
  • 癒し
公開日2021年06月05日 18:00 更新日2021年06月05日 18:00
文字数
1953文字(約 6分31秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
エルフ
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
とある昼下がり。人気のない森の中へ散歩に来たアナタ。小さな川の畔に辿り着いた先に見たものは人間でない物がいて…?の話
男女どちらでもお読みいただけます。
本編


(SE:川のせせらぎ音or森の音)
(SE:歩く音)

…あら、こんにちは
いいお天気ですわね
アナタも散歩?

…ん?
どうしたのそんなにジッと見て…
…耳?
耳がどうかした…って、あぁそういう
アナタ…もしかして、人間?
ちょっと耳見せてちょうだい

…あぁやっぱり
久し振りだわ、この場所に人間が来るなんて
ごめんなさいね、驚かせちゃった?
私は、アナタたちの世界でいう…
えぇっと…なんて言うんだったかしら
あぁそうそう、"エルフ"
もう何十年も生きてるから忘れっぽいのよね
エルフは人間と違って寿命がないし、外見が歳をとることもないの
アナタが生まれるずっと前から存在してるのよ?

普段はこの森のもう少し奥で暮らしてるんだけど…
こうして人間が訪れるのはホントに珍しいわ
何十年振りかに見たから…なんだか新鮮ね
背丈も格好も…こんなに違う
時代の移り変わりって言うのかしら?

…あ、そうだ
きっとこれも何かの縁だし、私の家に寄ってかない?
ここに迷い込んでくる人間には共通点があるみたいでね
疲れを溜めていたり、心に深い闇を抱えてることが多いのよ
アナタ…なにか疲れた顔してるみたいだし
私で良かったら、癒してあげる方法もあるんだけど…どうかしら?

そう、よかったわ
じゃあ私のあとに着いて来て?

(SE:森を歩く音)

はい、着いたわよ
ちょっと待っててね

(SE:木のドアを開ける音)

どうぞ、上がって?
早速だけど、そこのベッドに横になってちょうだい
…ちょっと?
何変な顔してるの?
イヤねぇ、別に襲ったりしないわよ
軽くマッサージしてあげるだけ
準備するから、ちょっと待っててね

お待たせ
じゃあちょっと耳触るわね
…ふふ、やっぱり人間の耳は小さくて可愛いわね
感触も私たちの耳と違ってふにふにして柔らかい…
耳たぶ、って言うんでしょこれ
私たちにはないから…ちょっと羨ましいわ
あぁいけない
これじゃ私が癒されてるわね…

じゃあ、耳のマッサージ始めていきま〜す
まずこのリラックス効果のあるオイルを塗っていくからね

(SE:小瓶を振る音)

ちょっと匂い嗅いでみてくれる?
どう?苦手な香りじゃないかしら
いい香り?
そう、よかった
…ん?あぁこれ?
これは魔法で作ったやつ
エルフはこうやって魔法も使えちゃうのです
勿論人間に害がないものだから…安心してね

(手にオイルを馴染ませる音)
(オイルマッサージ音)

どうかしら?気持ちいい?
不思議な感覚でしょ…
人間が普段使ってるオイルとは成分が違うせいね

そういえば前に人間の本を読んだことがあるんだけど
この耳たぶに穴を開ける人もいるんですって?
いえ、なんだか勿体ない気がしてね…
せっかくの気持ちいい感触なのに
アナタは…あ、開いてる
でもこんな小さいのね…
本で見たやつはもっと穴が大きかったわ
なんかとっても痛そうだった
え?エルフは開けないのかって?
うーん…開けることもあるけど…なにかの大事な儀式とか、そういうのかな
皆痛いって言って魔法で塞いじゃうみたい
…あ、ごめんなさいねこんな話
せっかくのマッサージなのに…
しっかりほぐしていくからね

うん、大体いいわ
一旦耳拭くわよ

(タオルで耳を拭く音)

じゃあ今度は耳かきしていくわね
私の膝使っていいから、横向きになってくれる?

(左右どちらか向く)

痛かったりしたら言ってね?

(耳かき音)

…こうしてまじまじと見ると、やっぱり不思議な感じだわ
同じ耳の役割をしてるはずなのに、こんなに大きさや形が違う…
違う種族というのはホントに興味深いわね

…あ、ちょっと動かないで
よし…取れた

うん、綺麗になったわ
じゃあ反対向いてくれる?

(反対の耳へ移行)
(耳かき音)

…ん?なに?
どうして耳のマッサージか…
そうねぇ…
私、どうやったら人間と仲良くできるか調べてたのよ

そしたら面白い話を見つけてね
人って、なにかのマッサージを受けると心が開放されて…本音を言いやすくなるらしいの
きっと体に触れられて気を許してくれるのもあるだろうし
疲れがほぐれて、少し信用がおけるのかもしれないわ
今まで出会った人間でも、こうして耳を触らせてくれる人っていうのは少なくて
アナタが私を少しでも信用してくれたら嬉しいな

…まぁ、ただ私が人間の耳を触りたいだけなんだけどね
こんなに触っていて癒される感触はないもの
アナタはマッサージを受けて気持ちよくなれるし、私は人間の耳を触れて癒されるし…
ほら、お互いに利益があると思わない?

アナタはなにも考えず、ただ気持ちよくなってくれればいい
嫌なことは吐き出したっていいし、このまま寝ちゃってもいいわ
耳かき、もう少しで終わるからね…


…はい、終わったわよ

どうかしら?来た時より違う?
そう、よかったわ
…うん、いい顔つきになったね

さぁ、もうじき暗くなるわ
名残惜しいけど…ここでお別れね
…そんな顔しないで

そうだ、最後におまじないをかけてあげる

(SE:魔法をかける音)

またアナタが疲れたり、私を必要としたとき…ちゃんとこの場所に来られますように…

…うん、これで大丈夫
また会いたくなったら、この森にいらっしゃい
私はいつでも…待ってますよ



fin
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
アナタを癒したいエルフのイヤーマッサージ
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
レオン
ライター情報
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