0
前門のヤンデレ姫、後門の一途な魔王
written by 狐のお揚げ
  • お姫様
  • ヤンデレ
  • 人外 / モンスター
公開日2021年06月05日 18:00 更新日2021年06月05日 18:00
文字数
1963文字(約 6分33秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
指定なし
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
本編
「勇者様〜、愛しの姫が今戻りましたよ〜
…勇者様?もしかして、私がお風呂に入ってる間に眠っちゃいましたか?」
もう…ずっと幼馴染、幼馴染、と廃人のように繰り返す勇者様に今日こそはその幼馴染の事を忘れてもらおうと気合を入れて準備をしてきたのに…ちょっと時間をかけすぎましたかね
「入りますよ、勇者様
…勇者、様…?どこにおられるのです…?
枷が外されてる…?一体どうやって…
勇者様、質の悪い冗談はやめてください、今ならまだ私も怒りませんから」
…いない、いないいないいない!どこに行ってしまったのです、勇者様…
…窓の鍵が空いている…?まさか、あそこから…?
そうだ、見張り…見張りの兵は何をしているのです!
「見張り!見張りの者はどこに…なぜ私の部屋の前で眠っているのです、起きなさい!
…は?あの美女はどこに…?何を言っているのですか、美女?
…もしや、素性の知らぬ者をここまで連れてきたのですか…?
…今すぐ勇者様を探してきなさい、貴方の処罰は勇者様が見つかってからです」
ああ、勇者様…一体、何処へ…



「…そうですか、まだ勇者様は見つかりませんか…わかりました、下がりなさい」
勇者様がいなくなって数日…未だに勇者様の行方は分かっていない
あの晩、私の部屋の前で眠っていた兵士に聞いても謎の美女がいた、という事以外何も覚えていないという
…まさかとは思いますが、勇者様の言っていた魔王が幼馴染というのは事実なのでしょうか…
であれば、勇者様はもう魔王城に…?いえ、魔王城以外にもまだ行く可能性がある場所が一つ、勇者様の故郷、まずは先にそっちに行きましょう、勇者様、待っていてくださいね…




「はい、あーん…ふふっ、恥ずかしがって、可愛いなー」
彼を監禁して自分のものにしようとしたお姫様から彼を奪い返してから早数日、私と彼は故郷で昔と同じようにのんびりと幸せに暮らしている
昔と違うのは私と彼の関係が幼馴染から夫婦に変化して同居していることくらいだ
「はい、お粗末様
じゃあこの後はなにする?
私?私は…そうだな、久しぶりに帰ってきた事だし、この辺りちょっと見て回りたいかなー
ほら、私がこの村を離れていたのはそう長い間じゃないけど、それでも帰ってきたんだなっていう実感を得たいじゃない?
OK?それじゃ早速行こっか」


「うーん、やっぱりどこも変わってないね〜、村の人たちもみんな元気そうだし、良かった良かった〜
え?お花詰んできたい?…ああ、そういうことね、いいよ、いってらっしゃーい」
「…失礼、人を尋ねたいのですが…この村に勇者様はいらっしゃいませんか?」
「…まずは名乗るのが先では?この村の人たちは皆家族みたいなもの、素性の分からない人に何も教えたくないのだけど」
「ああ、これは重ねて失礼を
私はこの国の国王の娘、そして勇者様のお嫁さんです
数日前に勇者様が城からいなくなってしまって…いなくなる前に故郷の事をずっと話していたのでもしかしたら…と思い…」
「へぇ…よくもまあそんな嘘をペラペラと喋れるね…じゃあ勇者君、こうも言ってなかった?
俺には待っている幼馴染がいるって
それに彼、貴女と出会う前からもう結婚の約束してるのよ?
だから、貴女なんて眼中にないの、分かった?分かったならさっさとお家に帰りなさい」
「…そんなことあるわけ無いでしょう、勇者様が愛してるのはこの私…あっ、勇者様!
勇者様!一体どこに行っていたのですか!
勇者様がいなくなって私とても寂しい思いをしたのですよ…さ、城に帰りましょう、大丈夫です、逃げ出した罰は特別に許してあげます」
「あーあ…タイミング悪…まあでもこれではっきりするね
さ、この勘違いお姫様に言ってやって?俺の嫁は私だけだって」
「…待ちなさい、貴女今なんと?
聞き間違いじゃなければ貴女今勇者様の嫁は私だと?
つまり貴女が勇者様の言っていた幼馴染で魔王という事…ですね?」
「あっ…しまった…まあ別にいっか
そうだよ、私が彼の本当のお嫁さんで魔王、貴方達が忌避する魔族の王
とはいえ、私達魔族は人間と争う気はないけど…貴女は彼と私の新婚生活の邪魔をしそうだし…消えてもらおうかな?」
「…そんなことをすれば、父が黙っていません、次は魔族の根絶させますよ、父は」
「そうだろうね、何もしてない魔王を殺そうとしたんだもの、娘が魔族に殺されたとなればそれくらいはするだろう
でもさっきも言った通り私達は人間と争う気はないんだ
だからこれは提案
私は彼を手放す気は無いし貴女も諦める気は無いんでしょ?
じゃあ二人で彼を愛する、それなら平和的に終わるでしょう?」
「…そうですね、本当は嫌ですが仕方ないです
勿論正妻は私ですが」
「は?何言ってるの?正妻は私よ?」
「貴女こそ何を言ってるのです?正妻は私、貴女が愛人です」
「違うわよ、自分が彼のお嫁さんだとかいうお姫様が愛人、正妻は私」
「そんなわけ無いでしょう
勇者様、私が正妻ですよね?」
「私に決まってるでしょ?ねえ?」
「「ねえ、どっちなの?」」
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
前門のヤンデレ姫、後門の一途な魔王
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
狐のお揚げ
ライター情報
 普段ヤンデレ台本ばっかり書いてます、狐のお揚げと申します
 こんな台本が読みたい!というリクエストがありましたらヤンデレ問わず受け付けています、いつでも言ってください
有償販売利用の条件
当サイトの利用規約に準ずる
利用実績(最大10件)
狐のお揚げ の投稿台本(最大10件)