…誰だ、私を目覚めさせたのは
…ほう、お前が私を目覚めさせたのか…何、そう怖れずとも良い、むしろお前には感謝している
お前がこの棺を開けてくれたおかげで私はこの窮屈な棺から出ることが出来たんだ、礼を言おう
さて…数百年ぶりに目を覚ましたことだし…目覚めの一杯、という事でお前の血を頂くとしようか、ほら、近うよれ
ん？なんだ、お前私が何か知らずに棺を開けたのか？
なら教えてやろう、私は吸血鬼の長…いわゆるヴァンパイアロード、というやつだ
まあ私は女だからロードという呼び方は適切ではないが…まあいい、私の正体はわかったろう？だから早くこっちに来い
…私の気はそんなに長くないぞ…ほら、早く
んっ…ふむ…お前の血、なかなか美味いな
決めた、お前、これから毎日ここに来て私に血を捧げろ、拒否権は無い
安心しろ、別にお前を取って食おうなんて思ってはいない、少し血を貰うだけだ
…何？もし毎日来なければどうなるか、だと？
その時はそうさな…お前の手足をもいで、お前を監禁しよう
…そんなに怖がるな、お前がちゃんと毎日来ればそんなことはしないさ
今日の分はもういい、明日から毎日欠かさずに来るように



おお、今日もちゃんと来たな、重畳重畳
お前が私を目覚めさせてからしばらく経つがちゃんと毎日欠かさずに来てくれて嬉しいよ
あんな恐ろしいこと言われたら来るしかない…？ははっ、安心しろ、あれは半分冗談だ
ほれ、今日もこっちに…待て…スンスン…お前、ここに来る前に女と会ったか?
何？彼女と会ってた？
…お前、明日ここに来るまでにその彼女と別れてこい、気に食わん
…嫌だ？
…聞き間違いかな、今嫌だと聞こえた気がするのだが…
嫌だ、彼女と別れる気はない…？
お前の気持ちなんぞ知った事ではない！いいから早く別れろ！
はあ…興が削がれた、今日はお前の血を飲む気になれない、帰れ
…私というものがありながら他の女とうつつを抜かすなど…その上彼女と分かれる気は無いと言うか
…ああ、あいつに分かれる気が無いのならその彼女とやらを消してしまえばいいのか
私とした事がなんでこんなに単純な事に気づかなかったんだ…よし、善は急げというやつだ、あいつからした匂いを頼りに探し出してそれから…ククッ…



ああ、来たか
昨日は悪かったな、怒鳴ったりして
…は？彼女に何をしたかだと？
何故お前が彼女についてを知ってるかはいいとして…
安心しろ、お前の彼女はまだ生きてる…ほら、そこにいるだろう
だがまあそれもお前が来るまで、だがな
どういうことだって…言葉通りの意味さ
昨夜、思いついたんだ、分かれる気が無いのなら亡き者にしてやればいい
しかしただ殺すだけではつまらない、どうせだったら私に口答えした罰も含めてお前の目の前で殺してやろう、とね
お前の目の前で無残に殺せばもう私に反抗しようなんて思わなくなるだろう？
…何でそんなことをって…お前は私ペットだ、そして大事な大事なペットが他の誰かに奪われたらどうする？取り戻すだろう？それと同じさ
そしてもう二度とそんな事が起こらないように家から出さないようにするだろう？
俺を監禁するのか…？その通り、だがただ手枷足枷をして監禁するわけじゃないぞ
手枷足枷もいいが、それだけじゃ逃げられる可能性がないとは言えない、だからお前と初めて会った時に言ったように手足をもいで絶対に逃げられないようにしてやろう
さてと…先にお前の手足をもぐとするか
目の前で愛しの彼女が無残に殺されているにも関わらずお前は文字通り手も足も出ずに、指を咥えることも出来ずに見る事しかできない…実に良い展開じゃないか、アッハッハッハッ！
安心しろ、お前はなるべく痛くしないようにしてやるから、な？

・台本（ゆるボイ！）
棺に封印されてたのはヤンデレ吸血姫でした
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
狐のお揚げ