高校時代の恩師の背中を追いかけて、教師を目指していた。
無事、教師になれることがわかり、
当時想いを告げられなかった恩師へ手紙を送る。

拝啓、先生

お元気ですか。
卒業してから、ずいぶん長い時が過ぎ去りましたね。
指を折りながら数えてびっくりしました。
もう、6年も経ったんですね。

この６年はいろいろあったけど、
あの日約束した通り、ちゃんと泣き虫は卒業しています。

ねえ、先生。
驚いてくれますか。
この春から、私は教員になります。
なんと先生と同じ社会科です。
赤点だったのに、って笑ってる？

あの日、先生がまっすぐ私を見てくれて、
掴まえてくれて、
ようやく私は両足で地面に立つことができました。

私も、いつかの私と同じように、
世界の片隅で泣いている誰かに
手を差し伸べたいと思います。
先生みたいに、うまくはできないかもしれないけど。

だから、いつか会える日がきたら、
ほめてくれますか。
先生の背中に追いついたら、
今度こそ傍にいてもいいですか。

いつかくる再会の日に向けて、
私は今日も顔を上げて走り続けます。

先生が教えてくれた、
優しさに溢れるこの世界を。

それでは。愛をこめて。

敬具

・台本（ゆるボイ！）
拝啓、先生
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
とま子