- ファンタジー
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- ボクっ娘
- 魔法使い
公開日2023年09月11日 00:21
更新日2023年09月11日 00:21
文字数
1593文字(約 5分19秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
魔法使いの少女
視聴者役柄
少年
場所
港町
あらすじ
両親が病死し、天涯孤独となった少年は港町で同僚の大人たちから理不尽な扱いを受けながらも生きるために一生懸命働いていた。
その日もいつもと変わらない日だった。仕事の不満を晴らすために同僚に倉庫裏へと連れ込まれた少年は理不尽な暴力にさらされる。
耐え難い痛みに意識が飛んでしまった少年。
次に目を覚ますと、青い瞳の可愛らしい少女の顔があった。
その日もいつもと変わらない日だった。仕事の不満を晴らすために同僚に倉庫裏へと連れ込まれた少年は理不尽な暴力にさらされる。
耐え難い痛みに意識が飛んでしまった少年。
次に目を覚ますと、青い瞳の可愛らしい少女の顔があった。
本編
目を覚ました少年に呼びかける魔法使い。
「──大丈夫かい、少年?」
起き上がる少年。しかし、全身に広がった苦痛に少年は顔を歪める。
「あぁ、急に起き上がらないで。本当に酷い怪我なんだから」
魔法使いは少年の背中に手を添えて、少年を支えてあげる。
「……まずは、その傷から治そうか。少年。今からボクがすることは、誰にも言っちゃダメだからね?」
魔法使いが手品のように取り出した杖を小さく振るうと、少年の体は光に包まれてみるみる傷跡が消えていき、痛みもなくなる。
驚く少年の顔を見て、魔法使いは満足げに口を開く。
「ふ、ふーん。すごいでしょ、ボク。まぁ、こんなの見たらさすがにボクの正体も分かっちゃうよねぇ? そう、実はボク──って、はい?」
正体を明かそうとしたところで少年が見当違いの名前を挙げるので、魔法使いは不満げに抗議する。
「ボクが魔女だって? 違う違うっ。ちーがーいーまーすぅ! ボク、魔法使いなんですけど!?」
違いがあるのかと首を傾げる少年。
魔法使いは頬を膨らませ、説明を始める。
「いいかい? 魔女っていうのは、魔法を悪用して悪いことをする女の人のこと。反対に、魔法使いっていうのは人助けのために魔法を使う、ボクみたいな可憐な美少女の事を言うんだよ」
その説明では一目で見分けがつかないと少年に言われる。
「え? それだと一目で見分けがつかないだって? 簡単だよ──ブサイクは魔女。美少女は魔法使い」
非難の目を向ける少年に、魔法使いは可笑しそうに笑う。
「あははは! 冗談だよ、冗談! まぁ、とにかく。魔女はすっご~く悪いやつなの。少年みたいな可愛らしい男の子は、鍋に煮詰めてシチューにして、バリバリと骨ごと食べられちゃうんだから」
そう言ってウインクする魔法使いに、少年は無理やり納得して頷く。
「ところで、少年。キミはこんな倉庫裏で、どうして大人たちに殴られていたの?」
見ていたのかと、少年に聞かれる魔法使い。
「うん、たまたまね。イヤーな感じがするなぁと思ってここに来たら、気絶した少年が殴られているところを見つけたのさ」
少年は魔法使いに殴られていた理由を話す。
「重労働でストレスが溜まっていたから……て、え? それだけの理由で? しかも、毎日……彼らは同じ条件で働いている少年の事を殴っていたの……? なんだよ、それ」
話を聞いた魔法使いは怒りを露わにする。
「ご両親は? このことを知っているのかい?」
少年は両親が病気で亡くなっていることを魔法使いに告げる。
「そうなんだ。ご両親は病気で、もう……」
※『あぁ、やっぱり大人っていうのはロクでもないな』のところは心底冷え切った声音で、少年には聞こえそうで聞こえないぐらいの感覚で言うのがイメージです。
「くそ、なんでだよ。大人は、子供を守るのが役目だろ。それなのに、そんなくだらない自己都合で少年に暴力を振るっていたなんて────あぁ、やっぱり大人っていうのはロクでもないな」
魔法使いの様子が一変したとことに戸惑う少年。
何かを思いついたように突然少年の手を両手で取った魔法使いは、少年の鼻と鼻がくっつきそうなほど顔を近づける。
「少年、ボクと一緒に来ない?」
面食らう少年にかまわず、魔法使いはまくし立てるように口を開く。
「ボク、旅をしているんだけど、一人も飽きてきた頃なんだ。だから、一緒にボクと旅をしようよ!」
突然の誘いに戸惑う少年だったが、この環境から逃げ出したいとも思っていた少年は、衝動的に首を縦に振る。
※『やった!』のところは特に、心底嬉しそうに言うイメージです。
「やった! ならば善は急げだ。こんな港町からはさっさとお暇 しよう。ほら、少年。早く、早く!」
嬉しそうに少年の手を引く魔法使い。ふと、まだ自分の名前を教えていなかったことを思い出す。
「そういえば、まだボクの名前を教えていなかったね……ボクはリリィ。少年、キミの名前は?」
「──大丈夫かい、少年?」
起き上がる少年。しかし、全身に広がった苦痛に少年は顔を歪める。
「あぁ、急に起き上がらないで。本当に酷い怪我なんだから」
魔法使いは少年の背中に手を添えて、少年を支えてあげる。
「……まずは、その傷から治そうか。少年。今からボクがすることは、誰にも言っちゃダメだからね?」
魔法使いが手品のように取り出した杖を小さく振るうと、少年の体は光に包まれてみるみる傷跡が消えていき、痛みもなくなる。
驚く少年の顔を見て、魔法使いは満足げに口を開く。
「ふ、ふーん。すごいでしょ、ボク。まぁ、こんなの見たらさすがにボクの正体も分かっちゃうよねぇ? そう、実はボク──って、はい?」
正体を明かそうとしたところで少年が見当違いの名前を挙げるので、魔法使いは不満げに抗議する。
「ボクが魔女だって? 違う違うっ。ちーがーいーまーすぅ! ボク、魔法使いなんですけど!?」
違いがあるのかと首を傾げる少年。
魔法使いは頬を膨らませ、説明を始める。
「いいかい? 魔女っていうのは、魔法を悪用して悪いことをする女の人のこと。反対に、魔法使いっていうのは人助けのために魔法を使う、ボクみたいな可憐な美少女の事を言うんだよ」
その説明では一目で見分けがつかないと少年に言われる。
「え? それだと一目で見分けがつかないだって? 簡単だよ──ブサイクは魔女。美少女は魔法使い」
非難の目を向ける少年に、魔法使いは可笑しそうに笑う。
「あははは! 冗談だよ、冗談! まぁ、とにかく。魔女はすっご~く悪いやつなの。少年みたいな可愛らしい男の子は、鍋に煮詰めてシチューにして、バリバリと骨ごと食べられちゃうんだから」
そう言ってウインクする魔法使いに、少年は無理やり納得して頷く。
「ところで、少年。キミはこんな倉庫裏で、どうして大人たちに殴られていたの?」
見ていたのかと、少年に聞かれる魔法使い。
「うん、たまたまね。イヤーな感じがするなぁと思ってここに来たら、気絶した少年が殴られているところを見つけたのさ」
少年は魔法使いに殴られていた理由を話す。
「重労働でストレスが溜まっていたから……て、え? それだけの理由で? しかも、毎日……彼らは同じ条件で働いている少年の事を殴っていたの……? なんだよ、それ」
話を聞いた魔法使いは怒りを露わにする。
「ご両親は? このことを知っているのかい?」
少年は両親が病気で亡くなっていることを魔法使いに告げる。
「そうなんだ。ご両親は病気で、もう……」
※『あぁ、やっぱり大人っていうのはロクでもないな』のところは心底冷え切った声音で、少年には聞こえそうで聞こえないぐらいの感覚で言うのがイメージです。
「くそ、なんでだよ。大人は、子供を守るのが役目だろ。それなのに、そんなくだらない自己都合で少年に暴力を振るっていたなんて────あぁ、やっぱり大人っていうのはロクでもないな」
魔法使いの様子が一変したとことに戸惑う少年。
何かを思いついたように突然少年の手を両手で取った魔法使いは、少年の鼻と鼻がくっつきそうなほど顔を近づける。
「少年、ボクと一緒に来ない?」
面食らう少年にかまわず、魔法使いはまくし立てるように口を開く。
「ボク、旅をしているんだけど、一人も飽きてきた頃なんだ。だから、一緒にボクと旅をしようよ!」
突然の誘いに戸惑う少年だったが、この環境から逃げ出したいとも思っていた少年は、衝動的に首を縦に振る。
※『やった!』のところは特に、心底嬉しそうに言うイメージです。
「やった! ならば善は急げだ。こんな港町からはさっさとお
嬉しそうに少年の手を引く魔法使い。ふと、まだ自分の名前を教えていなかったことを思い出す。
「そういえば、まだボクの名前を教えていなかったね……ボクはリリィ。少年、キミの名前は?」
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