同棲している上司彼女は、出社の準備でバタバタ。
一方の貴女は彼女にちょっとしたサプライズを準備していました。

やばいやばいっ。
このままじゃ遅刻しちゃうっ。

……えーと、カバンと、パソコンは入れたっけ……
うん、あるある。　大丈夫。

あとはこの紙袋を持っていけば……大丈夫、かな。
……あぁもう、昨日夜更かししたのがいけなかった〜っ。

って……あれ？　おかしいな。
もしかして時間勘違いしてる？　私……

あ〜、よかったぁ。　1時間遅いと思ってた。
貴女も意地悪しないで教えてよ。　すっごく焦っちゃった。

……って。　貴女、コソコソして何書いてたの？
私が準備する間も、ずっとやってたみたいだけど。

（焦る聴き手）

もしかして、朝から仕事……は、パソコンで済むから手書きしないわよね。

（聴き手「もうちょっとだけ、待ってて」）

あ……うん。　わかった……待ってる。

じゃあ、その間にコーヒーでも淹れてこようかしら。
貴女も飲む？　……わかった、用意するわね。

（少し間を空ける）

書き終わったの？
そう……はい、貴女の分。

（聴き手の隣に座る）　ん……しょ。

はぁ……今日は危うく飲み損なうとこだったけど。
このコーヒーがやっぱり一番落ち着くわね。

……うん？　なぁに、これ？

普通のカイロ……って訳じゃないのね？
「裏面」……？

わぁっ……可愛い〜。
早起きして、これをこっそり書いてたの？

あぁ、そっか。
さっき私がバタバタしてる間も、貴女は貴女で間に合わせるのに必死だったわけね。

……ううん。　全然謝ることなんてないわ。
サプライズしようと頑張ってくれた、って考えたら、素直に嬉しい。　ふふっ。

このリスちゃんとか……ほっぺが膨らんでてすごくかわいいし。
すごく上手に描けてると思う。

私ってこういう、かわいい絵とか描けないから。
学生の頃の美術も、ダメダメだったしね。

……

確かにそうね。　昼間私は出社で、貴女は在宅だし。
一緒には居られないから、寂しい思いをするのはわかるわ。

それで、これを渡そうって思いついたの？
……うふふっ。　ほんとに可愛いなぁ。

ぎゅ〜っ……

ありがとね。　こういうの貰ったの初めてだし、すごく嬉しい。
今日一日、大事に使わせてもらうわね。

……

うん、そろそろ時間だし、出発しようかな。
あ、うん。　じゃあマフラーお願い。

……「バッチリ」？　ふふっ、ありがと。　
それじゃあ……

（キス）

ふふっ、また始業後にね。
行ってきます。

・台本（ゆるボイ！）
出発前の上司彼女にカイロを渡す
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・台本制作者
のみやま