とある芸能事務所のマネージャーである貴方は、夜遅くまで残業していた。すると、先に帰ったはずの担当アイドルが、手作り弁当を持ってきてくれて…？

あ、マネージャーさんっ！残業、お疲れ様ですっ！差し入れ、持ってきましたよっ！


えへへ♪ でしょ〜？わたし、気が利くアイドルですから！


はい！お弁当です！マネージャーさんの好みを調べて作り上げた、最高最善のお弁当ですよ！遠慮なく、召し上がってください！


ん？マネージャーさん？どうかされました？手が止まってますよ？


え？だから調べたって言ったじゃないですか。マネージャーさんの好みのおかずを…


…？はい、そうですよ？この間、マネージャーさんの彼女さんが作ったお弁当を参考にさせていただきました。まぁ、参考というか、完コピなんですけど。


へ？別に何もおかしくありませんよね？マネージャーさんへの愛があれば、お弁当の完コピなんて余裕ですよ、余裕。


あ、ちなみにですけど、マネージャーさんのことであれば、大体のことは下調べ済みですよ？なんせわたし、気が利くアイドルですから。


はい。マネージャーさんが彼女さんに黙ってこっそり発散する時のオカズとか、お風呂は大体何時に入るだとか、彼女さんのことを責める時はまず耳からだとか…


…知ってますよ？マネージャーさんのことなら、大体何でも…ね？ふふふっ…


(男の腕を掴む)


まぁ、待ってくださいよ…二人きりでお話しする機会なんて、そうそう無いんですから…せっかくですし、もう少しじっくりお話ししていきましょう？


え？マネージャーさんのことを下調べしておくのは当たり前ですよ…マネージャーさんが将来、彼女さんと別れた時はわたしが彼女になる予定ですので。


はい。マネージャーさんが寂しい思いをしなくて済むよう、わたしが予備の彼女でいてあげるというわけです。普通に嬉しくないですか？


おかしい？おかしいって何がですか？何もおかしいところなんてないと思いますけど…これも全部、マネージャーさんのことを思ってのことなのに…


え？それは別に構いませんよ？わたし、マネージャーさんを今の彼女さんと別れさせるつもりとかありませんし。


はい。わたしはあくまで「マネージャーさんが今の彼女さんと別れた時の保険をかけている」だけですから。


ですので、別れたらちゃんと別れたって報告してくださいね？わたしがすぐにマネージャーさんの彼女になってあげますから。勿論、その時はきちんとアイドルは卒業しますので、ご心配なく。


別れなかったら？ん〜…そうですね、じゃあその時は、セフレか愛人で我慢します。とりあえず二番目でもいいんで、わたしのこと愛してください。


(そっと彼の胸板に顔を埋めて匂いを嗅ぐ)


マネージャーさん、良い匂い…彼女さんの匂いも混じってますけど、まぁいいとしましょう…


もぅ…そんなつれないこと言わないでくださいよ。わたしを立派なアイドルにしてくれたのはマネージャーさんじゃないですか…その恩返しをきちんとしたいだけですよ、わたしは…


浮気にはなりませんって〜…マネージャーさんを寝取るつもりはありませんし…わたしのことは予備というか、セカンド彼女って認識で結構です。


あ、でも、もし、マネージャーさんが今の彼女さんに嫌気が差して、誰かに乗り換えたいって言うなら、わたしにしてください。その為の準備は既に万全ですから。


わたし、いつでも待ってますんで…マネージャーさんのこと、大好きですから。ふふふ♪

・台本（ゆるボイ！）
【サイコパス】気の利く担当アイドルが予備彼女に立候補してきた
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎