夜遅くに道を歩いていると、知らない美人の女性に声をかけられて……

真夜中……夜道を歩いていると1人の女性に話しかけられた……


　ちょっと……そこのお兄さん……

　（なんだか危ない雰囲気を感じた主人公は速足で逃げようとする）


　ちょっとちょっと……まぁ待ってよ。
　こんな美人なお姉さんがせっかく話しかけてるのよ……
　無視はないんじゃなくて？

　（そういってその人は前に立ちふさがる）


　ねぇお兄さん。
　こんな真夜中にどうして1人で歩いているんだい？
　ここ……夜中はそんなに人が通らないし、街灯も少ない。
　男とは言え、危ないでしょう。


　……なるほど？
　残業で遅くなってしまって、近道かぁ……。

　ってことはお兄さん
　この近くに住んでるのかい？

　……ふーん
　すぐそこのマンションじゃない。

　ならちょうどよかった。
　今晩私のこと泊めてくれない？

　「え？」って
　そのままの意味よ。
　今晩は泊まるところがなくてねぇ。
　ホテルも当たってみたんだけど、どこもいっぱいでさぁ。
　泊まるところがなくて困ってるのよ……

　まさかお兄さん……こんな美人の女を夜の町に見捨てたりなんてしないでしょう？
　ねぇお願いよ……

　……もちろんタダでなんて言わないわ。
　泊めてくれるならその……今夜は楽しませてあげるわ……
　どう？
　こんなイイ女とそんなことできる経験なんてなかなかないんじゃなくて？

　なぁほら……頼むよ……


　ほ、ホント！
　ありがとうお兄さん！

　それじゃあ早速連れてって！


　（数分後……マンションの中で）


　ふぅ……いやぁお兄さんホントに助かったよ！

　屋根がある部屋で寝られるだけじゃなく、シャワーに部屋着まで貸してくれて……
　ありがとね。

　ん？
　それは私の服だけど……？

　血が付いてるって？



　……なぁんだ……見ちゃったの？

　（突然その女性は男性を押し倒して、馬乗りになる）

　ダメだよお兄さん……。女の人の服に勝手に触っちゃ……変態。

　……何するんだって？
　見ての通り押し倒してるのよ。
　
　ほら……聞こえる？
　このパトカーのサイレンの音。

　この近くで死体が見つかったの。

　何で知ってるかって？
　その服の血をみても、まだわからない？

　ふふふ。
　そう。私がさっき殺してきたの。



　私ね。俗にいう殺し屋ってやつなの。

　ちょっと太ももちらつかせて、近づてきた獲物をサクっとするの……
　
　そのまま逃げようと思ってたんだけど、服に血をつけてしまってね……
　ぬかったなぁって思ってたら、お兄さんが通りかかってくれて……助かったわ。

　本当はシャワーを借りて、洗濯機で服も洗わせてくれたら、
　まぁ少しくらいお礼をして、お兄さんが寝てる間に消えようと思ってたんだけれども……
　バレちゃ仕方ないわねぇ……

　あ、叫んで助けを呼ぼうなんてバカなこと、考えない方がいいわ。
　もしもそれをやったら……分かるわよね？
　こういうの、もう何回も経験してるの。
　若い男性の首をキュッてするの、意外と簡単なのよ？

　さっきからモゾモゾと動いてるようだけど……私なら動くのもやめるかなぁ……


　
　……そう。いい子ね。
　
　さて……
　顔も見られちゃったし……どう始末しようかしら……

　ん？何でもするから命だけは……ですって？


　……なんでもかぁ。


　お姉さんからアドバイスよ。

　安易に「なんでも」なんて言わない方がいいわよ。
　殺し屋にそんなこと言ったら、罪をかぶせられちゃうかもしれないわよ？


　ふふふふふ。
　そんな顔しちゃって……カワイイ。
　食べちゃいたい……。

　え？
　絶対に誰にも言わないから見逃してほしい？

　……ほんと？
　それ、ウソだったらどうなるか分かっていってるの？

　ふーん……
　まぁでも……
　私をかくまってくれているのは本当だし……
　
　いいわ。

　夜はこれからだしね……


　まずは一晩かけてあなたのことをじっくりと頂いてから……その後のことを考えることにしましょう……
　私もアリバイが欲しいし……

　アリバイ作りの共犯になれば……あなたも私のこと、そう簡単に売れないものね……

　それじゃあ……

　いただきます…………

・台本（ゆるボイ！）
夜道を歩いていたら、クール系美人に逆ナンされて……
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
Marinca