- 告白
- ファンタジー
- 天然
- ヤンデレ
- お姉さん
- 女神
公開日2021年09月20日 23:50
更新日2021年09月20日 23:50
文字数
5290文字(約 17分38秒)
推奨音声形式
バイノーラル
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
女神
視聴者役柄
勇者
場所
ファンタジー世界
あらすじ
あらすじ
優しげな女神に誘われて異世界へ
しかしその女神さまがかなりの曲者で……あなたは道半ばですら苦戦を強いられてしまう。
いわく、一度得点を与えたからそれ以上は無理
力はあるのですから、頑張って倒しなさいなど……
それでも勇者は願い、女神は魔王を倒す力を授けることを承諾するが……
旅の終着点、魔王城に居るのは女神だった。
優しげな女神に誘われて異世界へ
しかしその女神さまがかなりの曲者で……あなたは道半ばですら苦戦を強いられてしまう。
いわく、一度得点を与えたからそれ以上は無理
力はあるのですから、頑張って倒しなさいなど……
それでも勇者は願い、女神は魔王を倒す力を授けることを承諾するが……
旅の終着点、魔王城に居るのは女神だった。
本編
本編
「こんばんは、女神の宮殿へようこそ」
「……おや?どうしましたか~?聞こえてますよね~?お~い」
少し待ち
「あ、よかった」
ホッとしたようにしてから気を取り直して
「では、改めまして……女神の宮殿へようこそ♪」
「あ!女神といってもそんなにかしこまらなくていいですからね~? 私にとっては愛する人の子らですから~♪ 親戚のお姉さんを相手にしているような感覚で、気安い感じでいいですからね~?」
「お茶要ります? 緑茶でも紅茶でもほうじ茶でも! 言ってくだされば何でも出しますからね~?」
「あとあと……そうなるとお茶菓子も必要かしら!お煎餅に~、きな粉餅に~……ん~~、おしゃれにマリ……えと、マリトッツォ?でしたっけ? そういうのもいいですよね~」
「うんうん……美味しいものを食べながらお喋りが出来るって何て素敵なことなんでしょうね♪」
「今、部下の子たちに運び込ませますから♪ その間に私たちはこれからの話を済ませてしまいましょう」
「あ、そこかけてくださって大丈夫ですよ? 女神特注のソファーです♪」
「中に天使の羽根と堕天使の羽根が詰まっていて、それはそれは快適なくつろぎを約束……と、ソファーの話はまた今度にしましょうか」
「とにかくかけてください、説明しちゃいますので♪」
「……はい、結構です♪」
「では、聞く体勢も整ったようなので説明を始めちゃいましょう」
「あなたにはこれから異世界に行ってもらおうと思います」
「私が管理する世界でしてね? 困ったことに、魔王だなんて可笑しなのが幅を利かせてるんですよ~」
「はぁ~、困った困った~♪」
「そこで白羽の矢を立てたのがあなた、というわけです!」
「確か、元々そういうのに憧れていたんでしたよね~?」
「下界の様子はよく覗いていたので知ってます♪」
「憧れの異世界転移ですよ~♪」
「勇者様として!世界を救っちゃってください!」
「……はい?元の世界に、帰る方法、ですか?」
「ん~~~~~~……ん? 必要あります?」
「ずっとず~~~とこんな世界から抜け出して違うところに行きたいって言ってたじゃないですか?」
「心にもないことを言ってはいけませんよ~?」
「私は~、あなたの願いを叶えただけです!」
「だ~いすきな人の子らの願いをね♪」
「では、説明はこれくらいにしてお茶会といきましょう♪」
「ちょうど来たみたいですから♪」
「このような味が楽しめるのもしばらくはありませんからね♪」
「めいっぱい楽しみましょう」
「一緒に、楽しい時間を過ごしましょうね?」
隣に座る感じで
耳元で
「ふふ、失礼します♪」
「……わぁ、人の子の身体というのはこうも暖かいものなのですね~。ここには生身の人間が来る機会はまるでないので知りませんでした~」
「……ほうほう……ほぇ~、良く引き締まった良い体をしてますね」
「ほら?私の身体、触ってみます? どこもかしこも、あなたと違ってぷにぷにで……ウチは天使の子たちもみ~んな女の子なので男の子の身体のことは知りませんでした~」
「……はぁ~、かたい……男の子って、立派なんですね~」
感心したように言ってから
不思議そうに
「……はい?どうされましたか?」
「あら?私に密着されてるのがそんなに気になりますか?」
「ふふっ、そんなことぉ、気にしなくてもいいのに♪」
「最初に言ったではありませんか?」
「私のことは親戚のお姉さんくらいに思って気安く接してくれていいですからね、と」
「女神なんですよ?」
「自らが見守る愛しい存在たちに悪感情を持つはずがないではないですか~」
囁き
「愛してますよ?」
「私はいつでもあなたを見守ってますので……これからの旅路、頑張ってくださいね? 勇者様♪」
離れて
「ふふ、では、お茶会の続きとしましょう」
「えっと……あ、これ!私も大好きな天界印のお煎餅です♪」
「せっかくなので、食べさせてあげますね~?」
「はい、あ~~ん」
数秒の間
「はい、では!魔王退治がんばってくださいね?勇者様♪」
「ふぁいとっ♪お~♪」
少し間を空けて
「……おや?どうされました?もう行ってしまって構いませんよ?」
「……はい?ちーと、能力?」
「…………なんですか?それは?」
「え~~~、と……あ!ちょ~~っと待ってくださいね? 人の子らの言語辞典がありますので、調べてみますね~~?」
「えっとぉ……」
捲る音
「あ、あったあった、これですね~……ふむふむ……チート、だます、欺く……そうじてインチキなどのこと……ふむふむ~」
本を閉じる音
「こぉらっ♪ずるっこはいけませんよ~? めっ、です!」
「そういった人の努力を否定するような行為は女神として許すわけにはいきませんっ♪」
「駄目ですよ~?」
「まっとうに、力をつけて魔王を打倒してください」
「こちらから向こうの世界に移動するだけで、それだけの潜在的パワーは見に付いてるはずですから~」
「この上、ズルしようだなんて、お姉さん認めるわけには参りませんっ♪」
「駄目ですからね~?」
優しく言い聞かせるように
「そんな、便利な超能力なんてあると思っちゃいけませんよ~?」
「……ん~~~、ただまぁ……そうですねぇ。いきなり放り出されて少々困ったことになるっていうのはもっともですね~」
「いきなり辛い思いをするというのも可哀想ですし……大切な人の子らが傷つくのも私は本意ではありませんし……」
「分かりました♪」
「今回だけ特別ですよ?」
「女神さまがあなたに力を授けてあげますからね?」
「頑張ってくださいね?」
数秒の間を空けて
「あらあら、勇者様~、やられてしまうなんて情けない~」
「……えっと、やられてしまったときにはこう言うのが様式美なんでしたっけ?」
「ふふふ~、私も色々とお勉強したんですよ~?」
「勤勉な女神さまを褒めてください♪」
少し間を空けて
「……あら~、どうやら褒めてくださらないみたいですね~。恥ずかしがり屋さん♪」
「好き、とか、素敵、とか、可愛い、とか、思っていることを口にすることって言うのはとても素敵なことなんですよ?」
「大切な気持ちを、大切にしたまま仕舞いこんでしまったら相手には見えませんからね?」
「誉め言葉などは素直に口にするのが女神的おススメですよ~?」
「ふふ、なんちゃって♪ すこ~し、神様ぶっちゃいました♪」
「それで……どうされたんです?こんな……魔王城の五歩くらい手前で?」
「まだまだ魔王を倒す旅は続いてますよ~?」
「こんな、魔王に会わない内からやられてしまってどうするんです?」
「……んぅ? ちーと、能力?」
「あら?まだ言いますか? ズルはめっ、ですよ?」
「あなたにはもう真っ当に魔王を倒すだけの力が身体に眠っているのですから、しっかり磨いてください♪」
「それに、特別に力だって授けたではありませんか?」
「それなのに、まだこれ以上を望むというんですか?」
「いけませんよ?何でもかんでも願って努力をしないというのは」
「あなたには、一人で立ち上がって歩いていける力があるのですから。他力本願でうずくまっていてはいけません。あなたには出来る力があるのですから♪」
「自らの力を信じて、頑張ってください♪」
「そのために魔王城に一番近い村に降ろしてあげたんですから♪ 魔王くらいさっさと倒しちゃってくださいね~」
「……ほぇ? 何のことです?」
「レベル1で最終ダンジョン、一歩手前……?」
「ごめんなさい、私、下界のそういった表現は不得手なもので……えっと、辞典辞典……」
「……はい?探さなくていいんですか?」
「そうですか、では分かりました!探しません♪」
「いったい何が不満なんですか~?」
「……おや?私が授けた特殊能力、ですか?」
「……ん~~~、むしろサービスでやり過ぎた部類だと思うのですが……それの何が不満なのでしょう?」
相手の言葉を聞いた感じで
「はい!一切勉強してないのに相手の言葉が分かる能力です♪」
「流石に何をいってるかも分からないようじゃ困るんじゃないかな~と思って特別に付与してあげました♪」
「役に立ちましたでしょう?」
「……はい?それはそうですよ、習ってないのにこちらの言語が喋れるわけないじゃないですか?」
「そういうずるっこはいけませんよ?めっ、です♪」
「別に言葉が交わせなくても、他にもコミュニケーション手段はあるじゃないですか?」
「言葉が分かる能力が付いてるだけでも破格の対応だと褒めていただきたいところなのですけど……」
「……え?普通の異世界マンガじゃ、もっといろんな特殊能力をつけて貰える、ですか?」
「ん~~~~……そんなこと言われましても、ここはその普通の異世界マンガではありませんし、空想と現実の区別がついていないというやつではありませんか?それは?」
「そんなご都合主義なんてそうそうあるわけがないじゃないですか~」
「そんなに言うんでしたら、どんな能力がよかったんですか?」
「……はぁ、凄い魔法が努力なしで使えて、相手は一撃、ですか……はぁ~~~~、成程ぉ」
「えっと、要約すると……楽に魔王が倒せるような力が欲しかった、とそんなところですか?」
少し間を空けて
「ん~~、そうでしたか~~。それはそれはまた、困ったお願いですね♪」
「そういう怠惰な望みはいけませんよ~?」
「う~ん……他ならぬ勇者様の頼みであれば私もやぶさかではないところではあるのですけれど、ね?」
「勇者様にはもう別に力を授けてしまいましたからね~」
「二つめは流石にまかり通りません♪」
「このまま頑張ってくださいね? こ・の・ま・ま」
「ただまぁ……そうですね」
「願いとしては分かりました。何とか考えておきましょう♪」
「ではでは~、またお会いしましょう~勇者様~」
間を空けて
「あ、いらっしゃ~い。遅かったですね~勇者様♪」
「魔王はこれこの通り、私が事前に叩きのめしておいたのでサクッと留めさしちゃってくださいね♪」
「……ん? いや、だって、望まれたではないですか?」
「魔王を楽に倒せる力が欲しい、と」
「事前に今の勇者様でも一撃で倒せるくらいに弱めておけば、結果としては楽に倒せる力が手に入ったことになりますから」
「私がその勇者様の望まれた、魔王を楽に倒すための力、ですよ♪」
「やりましたねっ♪」
「……はい?何をいっているんですか?」
「別に女神が地上のことに関与してはいけない理由など存在しませんよ?むしろ、私が管理してるんですからそのあたり自由自在です♪」
「私が管理してるのに、私が好きに出来ないなんて可笑しいじゃないですか?」
「……ん~~、まぁ、そこまで干渉するのも面倒くさいので基本的には放っておいてるんですけどね?ほら?この地に住まう人の子らが女神である私が仕事をしなくても勝手に管理してくれるのですから、別に必要ありませんからね?」
「だからまぁ……魔王とかいう変なのが発生してこういうことになってたんですけど」
「ん~~~~~、でもまぁ、それはそれで私としては好都合だったので良かったのですけどねっ♪」
「さ、立ち話もなんですから、とりあえず魔王にトドメを刺しちゃってください」
「それから私の居城でお話をしましょう♪」
刺す音
「はい♪結構です♪」
「パンパカパンパンパンパ~ン♪ 勇者様の生き物としての位階があがりました~♪おめでとうございます♪」
「では、お城へ参るとしましょう♪」
間を空けて
「いやぁ~、万事問題なく言って本当によかった♪」
「ささやかですが、祝いをしましょう♪」
「私と共にず~~~っと居られる、高次元生命体に昇華したお祝いを!」
「ん~~、良かった♪ 人のままではずっと共には居られませんでしたから♪ 目論見通りに行って本当によかったです♪」
「……はい? どういうことか、説明が必要ですか?」
「ん~~~~、まぁ、仕方ありませんね♪」
「終わったので、全てお話しましょう!」
「私があなたを呼んだのはあなたが好きだから、ずっとず~~~っと共に居たいから♪」
「一緒にこのお城でいつまでもいつまでも過ごして、幸せに暮らしたいと思ってたんですよ?」
耳元で
「大好きです♪」
囁き
「愛してます、ってそういいましたよね?」
離れて
「ただまぁ、反対も多かったのでそれその通り、ソファーの中に入ってる天使の羽根や堕天使の羽根みたいになってしまったのがそこそこいますけどね? それは必要な犠牲というものでしょう」
「その点で言うと魔王とかいう、あの変なのは私にとっては渡りに船といえるものだったんですよね~」
「高濃度の魔力集合体ですから、倒せばそのものに力ごと吸収される……えっと、そうですね~下界的に言うと、経験値、というのが分かりやすいですかね?」
「魔王を倒せば生き物としての位階が上がる♪ 女神である私と並び立つことが出来る♪ これはやらない手はありませんよねっ♪」
「それで、期待通りあなたは魔王にトドメを刺して!私のお婿さんになった♪ というわけです♪」
耳元で
「愛してますよ?だ・ん・な・さ・ま♡」
「これからは夫婦神として、頑張っていきましょうね?」
「他に居場所はありませんよ? あなたの隣は……私と決まっているのですから♪」
「……力だって……授けましたよね?」
「あれは、あなたの一部となって……今もあなたの中に存在する……私からしっかりと見える形でね♪」
「奥さんに隠れて浮気をしようとしたって、駄目ですからね?」
「めっ、ですよ?」
「離れることなんて、出来ませんからね♪」
「こんばんは、女神の宮殿へようこそ」
「……おや?どうしましたか~?聞こえてますよね~?お~い」
少し待ち
「あ、よかった」
ホッとしたようにしてから気を取り直して
「では、改めまして……女神の宮殿へようこそ♪」
「あ!女神といってもそんなにかしこまらなくていいですからね~? 私にとっては愛する人の子らですから~♪ 親戚のお姉さんを相手にしているような感覚で、気安い感じでいいですからね~?」
「お茶要ります? 緑茶でも紅茶でもほうじ茶でも! 言ってくだされば何でも出しますからね~?」
「あとあと……そうなるとお茶菓子も必要かしら!お煎餅に~、きな粉餅に~……ん~~、おしゃれにマリ……えと、マリトッツォ?でしたっけ? そういうのもいいですよね~」
「うんうん……美味しいものを食べながらお喋りが出来るって何て素敵なことなんでしょうね♪」
「今、部下の子たちに運び込ませますから♪ その間に私たちはこれからの話を済ませてしまいましょう」
「あ、そこかけてくださって大丈夫ですよ? 女神特注のソファーです♪」
「中に天使の羽根と堕天使の羽根が詰まっていて、それはそれは快適なくつろぎを約束……と、ソファーの話はまた今度にしましょうか」
「とにかくかけてください、説明しちゃいますので♪」
「……はい、結構です♪」
「では、聞く体勢も整ったようなので説明を始めちゃいましょう」
「あなたにはこれから異世界に行ってもらおうと思います」
「私が管理する世界でしてね? 困ったことに、魔王だなんて可笑しなのが幅を利かせてるんですよ~」
「はぁ~、困った困った~♪」
「そこで白羽の矢を立てたのがあなた、というわけです!」
「確か、元々そういうのに憧れていたんでしたよね~?」
「下界の様子はよく覗いていたので知ってます♪」
「憧れの異世界転移ですよ~♪」
「勇者様として!世界を救っちゃってください!」
「……はい?元の世界に、帰る方法、ですか?」
「ん~~~~~~……ん? 必要あります?」
「ずっとず~~~とこんな世界から抜け出して違うところに行きたいって言ってたじゃないですか?」
「心にもないことを言ってはいけませんよ~?」
「私は~、あなたの願いを叶えただけです!」
「だ~いすきな人の子らの願いをね♪」
「では、説明はこれくらいにしてお茶会といきましょう♪」
「ちょうど来たみたいですから♪」
「このような味が楽しめるのもしばらくはありませんからね♪」
「めいっぱい楽しみましょう」
「一緒に、楽しい時間を過ごしましょうね?」
隣に座る感じで
耳元で
「ふふ、失礼します♪」
「……わぁ、人の子の身体というのはこうも暖かいものなのですね~。ここには生身の人間が来る機会はまるでないので知りませんでした~」
「……ほうほう……ほぇ~、良く引き締まった良い体をしてますね」
「ほら?私の身体、触ってみます? どこもかしこも、あなたと違ってぷにぷにで……ウチは天使の子たちもみ~んな女の子なので男の子の身体のことは知りませんでした~」
「……はぁ~、かたい……男の子って、立派なんですね~」
感心したように言ってから
不思議そうに
「……はい?どうされましたか?」
「あら?私に密着されてるのがそんなに気になりますか?」
「ふふっ、そんなことぉ、気にしなくてもいいのに♪」
「最初に言ったではありませんか?」
「私のことは親戚のお姉さんくらいに思って気安く接してくれていいですからね、と」
「女神なんですよ?」
「自らが見守る愛しい存在たちに悪感情を持つはずがないではないですか~」
囁き
「愛してますよ?」
「私はいつでもあなたを見守ってますので……これからの旅路、頑張ってくださいね? 勇者様♪」
離れて
「ふふ、では、お茶会の続きとしましょう」
「えっと……あ、これ!私も大好きな天界印のお煎餅です♪」
「せっかくなので、食べさせてあげますね~?」
「はい、あ~~ん」
数秒の間
「はい、では!魔王退治がんばってくださいね?勇者様♪」
「ふぁいとっ♪お~♪」
少し間を空けて
「……おや?どうされました?もう行ってしまって構いませんよ?」
「……はい?ちーと、能力?」
「…………なんですか?それは?」
「え~~~、と……あ!ちょ~~っと待ってくださいね? 人の子らの言語辞典がありますので、調べてみますね~~?」
「えっとぉ……」
捲る音
「あ、あったあった、これですね~……ふむふむ……チート、だます、欺く……そうじてインチキなどのこと……ふむふむ~」
本を閉じる音
「こぉらっ♪ずるっこはいけませんよ~? めっ、です!」
「そういった人の努力を否定するような行為は女神として許すわけにはいきませんっ♪」
「駄目ですよ~?」
「まっとうに、力をつけて魔王を打倒してください」
「こちらから向こうの世界に移動するだけで、それだけの潜在的パワーは見に付いてるはずですから~」
「この上、ズルしようだなんて、お姉さん認めるわけには参りませんっ♪」
「駄目ですからね~?」
優しく言い聞かせるように
「そんな、便利な超能力なんてあると思っちゃいけませんよ~?」
「……ん~~~、ただまぁ……そうですねぇ。いきなり放り出されて少々困ったことになるっていうのはもっともですね~」
「いきなり辛い思いをするというのも可哀想ですし……大切な人の子らが傷つくのも私は本意ではありませんし……」
「分かりました♪」
「今回だけ特別ですよ?」
「女神さまがあなたに力を授けてあげますからね?」
「頑張ってくださいね?」
数秒の間を空けて
「あらあら、勇者様~、やられてしまうなんて情けない~」
「……えっと、やられてしまったときにはこう言うのが様式美なんでしたっけ?」
「ふふふ~、私も色々とお勉強したんですよ~?」
「勤勉な女神さまを褒めてください♪」
少し間を空けて
「……あら~、どうやら褒めてくださらないみたいですね~。恥ずかしがり屋さん♪」
「好き、とか、素敵、とか、可愛い、とか、思っていることを口にすることって言うのはとても素敵なことなんですよ?」
「大切な気持ちを、大切にしたまま仕舞いこんでしまったら相手には見えませんからね?」
「誉め言葉などは素直に口にするのが女神的おススメですよ~?」
「ふふ、なんちゃって♪ すこ~し、神様ぶっちゃいました♪」
「それで……どうされたんです?こんな……魔王城の五歩くらい手前で?」
「まだまだ魔王を倒す旅は続いてますよ~?」
「こんな、魔王に会わない内からやられてしまってどうするんです?」
「……んぅ? ちーと、能力?」
「あら?まだ言いますか? ズルはめっ、ですよ?」
「あなたにはもう真っ当に魔王を倒すだけの力が身体に眠っているのですから、しっかり磨いてください♪」
「それに、特別に力だって授けたではありませんか?」
「それなのに、まだこれ以上を望むというんですか?」
「いけませんよ?何でもかんでも願って努力をしないというのは」
「あなたには、一人で立ち上がって歩いていける力があるのですから。他力本願でうずくまっていてはいけません。あなたには出来る力があるのですから♪」
「自らの力を信じて、頑張ってください♪」
「そのために魔王城に一番近い村に降ろしてあげたんですから♪ 魔王くらいさっさと倒しちゃってくださいね~」
「……ほぇ? 何のことです?」
「レベル1で最終ダンジョン、一歩手前……?」
「ごめんなさい、私、下界のそういった表現は不得手なもので……えっと、辞典辞典……」
「……はい?探さなくていいんですか?」
「そうですか、では分かりました!探しません♪」
「いったい何が不満なんですか~?」
「……おや?私が授けた特殊能力、ですか?」
「……ん~~~、むしろサービスでやり過ぎた部類だと思うのですが……それの何が不満なのでしょう?」
相手の言葉を聞いた感じで
「はい!一切勉強してないのに相手の言葉が分かる能力です♪」
「流石に何をいってるかも分からないようじゃ困るんじゃないかな~と思って特別に付与してあげました♪」
「役に立ちましたでしょう?」
「……はい?それはそうですよ、習ってないのにこちらの言語が喋れるわけないじゃないですか?」
「そういうずるっこはいけませんよ?めっ、です♪」
「別に言葉が交わせなくても、他にもコミュニケーション手段はあるじゃないですか?」
「言葉が分かる能力が付いてるだけでも破格の対応だと褒めていただきたいところなのですけど……」
「……え?普通の異世界マンガじゃ、もっといろんな特殊能力をつけて貰える、ですか?」
「ん~~~~……そんなこと言われましても、ここはその普通の異世界マンガではありませんし、空想と現実の区別がついていないというやつではありませんか?それは?」
「そんなご都合主義なんてそうそうあるわけがないじゃないですか~」
「そんなに言うんでしたら、どんな能力がよかったんですか?」
「……はぁ、凄い魔法が努力なしで使えて、相手は一撃、ですか……はぁ~~~~、成程ぉ」
「えっと、要約すると……楽に魔王が倒せるような力が欲しかった、とそんなところですか?」
少し間を空けて
「ん~~、そうでしたか~~。それはそれはまた、困ったお願いですね♪」
「そういう怠惰な望みはいけませんよ~?」
「う~ん……他ならぬ勇者様の頼みであれば私もやぶさかではないところではあるのですけれど、ね?」
「勇者様にはもう別に力を授けてしまいましたからね~」
「二つめは流石にまかり通りません♪」
「このまま頑張ってくださいね? こ・の・ま・ま」
「ただまぁ……そうですね」
「願いとしては分かりました。何とか考えておきましょう♪」
「ではでは~、またお会いしましょう~勇者様~」
間を空けて
「あ、いらっしゃ~い。遅かったですね~勇者様♪」
「魔王はこれこの通り、私が事前に叩きのめしておいたのでサクッと留めさしちゃってくださいね♪」
「……ん? いや、だって、望まれたではないですか?」
「魔王を楽に倒せる力が欲しい、と」
「事前に今の勇者様でも一撃で倒せるくらいに弱めておけば、結果としては楽に倒せる力が手に入ったことになりますから」
「私がその勇者様の望まれた、魔王を楽に倒すための力、ですよ♪」
「やりましたねっ♪」
「……はい?何をいっているんですか?」
「別に女神が地上のことに関与してはいけない理由など存在しませんよ?むしろ、私が管理してるんですからそのあたり自由自在です♪」
「私が管理してるのに、私が好きに出来ないなんて可笑しいじゃないですか?」
「……ん~~、まぁ、そこまで干渉するのも面倒くさいので基本的には放っておいてるんですけどね?ほら?この地に住まう人の子らが女神である私が仕事をしなくても勝手に管理してくれるのですから、別に必要ありませんからね?」
「だからまぁ……魔王とかいう変なのが発生してこういうことになってたんですけど」
「ん~~~~~、でもまぁ、それはそれで私としては好都合だったので良かったのですけどねっ♪」
「さ、立ち話もなんですから、とりあえず魔王にトドメを刺しちゃってください」
「それから私の居城でお話をしましょう♪」
刺す音
「はい♪結構です♪」
「パンパカパンパンパンパ~ン♪ 勇者様の生き物としての位階があがりました~♪おめでとうございます♪」
「では、お城へ参るとしましょう♪」
間を空けて
「いやぁ~、万事問題なく言って本当によかった♪」
「ささやかですが、祝いをしましょう♪」
「私と共にず~~~っと居られる、高次元生命体に昇華したお祝いを!」
「ん~~、良かった♪ 人のままではずっと共には居られませんでしたから♪ 目論見通りに行って本当によかったです♪」
「……はい? どういうことか、説明が必要ですか?」
「ん~~~~、まぁ、仕方ありませんね♪」
「終わったので、全てお話しましょう!」
「私があなたを呼んだのはあなたが好きだから、ずっとず~~~っと共に居たいから♪」
「一緒にこのお城でいつまでもいつまでも過ごして、幸せに暮らしたいと思ってたんですよ?」
耳元で
「大好きです♪」
囁き
「愛してます、ってそういいましたよね?」
離れて
「ただまぁ、反対も多かったのでそれその通り、ソファーの中に入ってる天使の羽根や堕天使の羽根みたいになってしまったのがそこそこいますけどね? それは必要な犠牲というものでしょう」
「その点で言うと魔王とかいう、あの変なのは私にとっては渡りに船といえるものだったんですよね~」
「高濃度の魔力集合体ですから、倒せばそのものに力ごと吸収される……えっと、そうですね~下界的に言うと、経験値、というのが分かりやすいですかね?」
「魔王を倒せば生き物としての位階が上がる♪ 女神である私と並び立つことが出来る♪ これはやらない手はありませんよねっ♪」
「それで、期待通りあなたは魔王にトドメを刺して!私のお婿さんになった♪ というわけです♪」
耳元で
「愛してますよ?だ・ん・な・さ・ま♡」
「これからは夫婦神として、頑張っていきましょうね?」
「他に居場所はありませんよ? あなたの隣は……私と決まっているのですから♪」
「……力だって……授けましたよね?」
「あれは、あなたの一部となって……今もあなたの中に存在する……私からしっかりと見える形でね♪」
「奥さんに隠れて浮気をしようとしたって、駄目ですからね?」
「めっ、ですよ?」
「離れることなんて、出来ませんからね♪」
クレジット
ライター情報
ASMR、シチュボ台本を主に書いています。
細かい指定や、指示が書いてあることがありますが、不可能な場合や不明瞭なことがあれば代替あるいは無視してもらっても結構です。
また勢いのまま書き連ねているため誤字や脱字が見られる場合がありますのでご使用の際はお気をつけ下さいますようお頼み申し上げます。
細かい指定や、指示が書いてあることがありますが、不可能な場合や不明瞭なことがあれば代替あるいは無視してもらっても結構です。
また勢いのまま書き連ねているため誤字や脱字が見られる場合がありますのでご使用の際はお気をつけ下さいますようお頼み申し上げます。
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