夜遅くに帰宅した彼が、部屋をノックし、入ってきた。
今日はどこか様子が違う。
そんな彼が甘えたいと言い――。

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（ノック音）

入っていいか？

ありがとう。

（ドアの開く音）

寝てたか。
悪い。

いや。
別に用事があるとかじゃなくて。

ただ、ちょっとお前の顔が見たくなったっていうか。

ああ、お前は寝とけよ。

ベッドサイド座っていいか？

どうも。

そうだな。
こんなに顔見つめてたら、眠れないよな。

特に何かあったわけじゃない。

連勤で疲れた。
怒られた。
お仕事辛い。

なんだ？
ベッドとんとんってして。

え、添い寝？

分かった。

（ベッドに入る：シーツや布団などの音）

なんかこうやってお前と寝るの久しぶりだな。
お前は朝早いし、俺は夜遅いから、ベッドも別だし。

頭撫でる？

やめろよ。
子供じゃないんだから。

まあ、確かに。
俺はいつもお前の頭、撫でてるけどさ。

それは俺が撫でたいから。
分かるか？

は？
お前も俺の頭を撫でたい？
変わってるな。

けど、なんだか、案外。
うん。

頭撫でられるって悪くないな。
安心する。

ん？

ああ、大丈夫。
仕事は嫌いじゃないんだ。
むしろ天職だと思ってる。

まあ、でもこんな日もあるよな。

だからさ、あの、あー、その。

甘えていい、か？

疲れすぎて、ヘンになってんだよ。
そんな目で見んなって。

こんな俺は嫌いか？

大歓迎って。
お前、やっぱり変わってるな。

じゃあ早速。

身体、もっと寄せていいか？

ああ。
あったかい。

なんか、力抜けるな。
ほぐれてく感じ。

まだ足りない。

次はそうだな。

抱きしめてくれるか？

お前の腕じゃ届かないか。

どうした？
不貞腐れた顔して。

あはは。
短いってことじゃない。
小さくて可愛いって意味だよ。

そんなお前の腕で抱きしめられたいな。

ありがとう。

こういうふんわりとしたハグも嬉しいが。

もっと強く抱きしめてくれるか。

ああ、なんか。
お前に愛されてる気がする。

え？

気がする、じゃない？
愛してくれてる、のか。

あはは。
嬉しい。

お前の心臓の音が聞こえる。
俺のも聞こえるか？

なんか、ほっとするな。

お前がここにいるって感じがする。
何言ってんのかよく分かんないけど。

なんて言ったらいいのかな。

ああ、幸せっていうのかも。

ったく、俺らしくないな。

なぁ、こんな俺も愛してくれるか？

ありがとう。

じゃあ、おやすみ。

（次の朝：アラーム音）

おはよう。

その、昨日は悪かった。
結構疲れてたみたいだ。

だからさ、忘れてくれるか？
恥ずかしい。

ああ、もう。
意地の悪い。

でも、ありがとう。
癒された。

さて、次は俺がお前を甘やかす番。
何してほしい？

このままベッドでごろごろ？

いいな。
せっかくの休みだし。
二度寝するか。

それとも、もっと甘いこと、するか？

可愛いな。

たっぷり甘やかすから、覚悟しとけよ？

・台本（ゆるボイ！）
社畜彼氏が甘えてきました。
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
シノト