大学生の貴女は休日に知り合いの年上男の住むオンボロアパートを訪ねる。男のテキトー具合は相変わらずのようで…？

(インターホン)

はい……なんだ、お前か。こんな朝っぱらからどーした？

あー、はいはい…どうぞ、お上がりくだせぇ。お姫様…なんつって。





で、今日はどーした？バイトとかサークルは？

ふーん…全部休み。よかったな。

てか、せっかくの休みなんだから、もうちょっと惰眠貪っとけばよかったじゃん。なんでわざわざこんなオンボロアパートに？

あ、そう……モノ好きだな、お前。俺に会いたかったからとか変人かよ。

いや、一言も頼んでないんだが…その存在しない記憶どうにかしてくれる？

ん？あぁ、部屋片付いてんのはお前のせいだよ。

そう…オカンみたいに片付けろって、うるせーから。

足の踏み場はなかった…かもしれねえけど、いいじゃん。誰にも迷惑かけてないんだし。

それ、お前限定じゃん…こんなとこに通うの、お前くらいだぞ…

あー、それより腹減った。えっと、この辺に買い置きのやつがあったはず……

あれ？無くなってる。ちょうど在庫切らしたか…

ちょっとそこのコンビニまで買い出し行ってくるわ。留守番よろしくな。

え？何って…カップ麺買いに行くだけだけど？

いや、朝はカップ麺で十分なんだよ。腹膨れるし。

え……お前が朝飯作んの？うち、材料ないけど…

その袋…それ、材料だったの？わざわざそんな面倒なことしなくても…

へいへい…じゃあゴチになりまーす…

あ、材料費、後でちゃんと受け取って帰れよ？





ごっそさん。とりあえず美味かったけど…

いや？俺的にはもうちょっと味付け濃くても良かったなー、なんて…

(ため息)

これだから健康オタクは…味付けは濃すぎるくらいが丁度いいんだって。これ、常識だから。

そう。彼氏できた時に胃袋掴むテクニック。覚えといて損はないぞ。

だろ？年上からのアドバイスは素直に受け取っとけ。多分、人生のどっかで使えるから。

え、彼女？いたら、お前を家に上げねえだろ…つか、最近別れた。

まーな…休日に妹と親父の誕プレ買いに行ってたら、他の女とデートしてるって勘違いされて、そのまま別れ切り出された。

いや、お前がそんな怒らんでも…てか、そんなガチギレすんなって。俺、そこまで傷ついてねーから。

そう…なんか前から妙に怒りやすい女だなーとは思ってたし。むしろ別れられてせいせいしたっつーか…

んー…まぁしばらく女と付き合う気はないな。なんかそういう気分になれねーし…

女性不信…なのか？これって…分かんねーけど。

いや、嫌ってないが。嫌ってる奴家に上げるほどお人好しじゃないんで。

お前のことは……なんだろ、ちょっと口うるさいオカン的な？健康オタクだし。

え……それは勘弁。結婚したら、毎日野菜食わされそうだわ。

(あくび)

飯食ったら眠くなってきたわ…寝ていい？

サンキュー…そんじゃ、おやすみー…

(添い寝される)

いや、なんで添い寝してくんの？もう俺への用事済んだろ？

それはまぁ…ありがとうございます？

大学生にもなって甘えん坊かよ…しゃーねぇなぁ…

(抱きしめる)

…通報すんなよ？これは妹に対する合法的なスキンシップだからな？

お前が彼女……んー、それはまた今度な。

はいはい…俺の気分が乗ったら受ける、かも…告白。

とりあえず今は俺の抱き枕でいとけって…な？

お前も朝早かったし、眠いだろ？一緒に二度寝しようぜ。

ん、おやすみ…昼には起こしてくれ…

(いびき又は寝息)

・台本（ゆるボイ！）
オンボロアパートに住む私生活がガサツな男はなんだかんだ優しい
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎