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あなたの側にいる理由
written by シノト
  • 秘書
  • 敬語
  • 職場/オフィス
  • 告白
公開日2022年10月01日 17:23 更新日2022年10月01日 17:23
文字数
1883文字(約 6分17秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
男性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
専属秘書
視聴者役柄
社長
場所
指定なし
あらすじ
ベールゴルゴン様 (https://twitter.com/kaman_zora)企画「#タイトルシャッフル台本」参加作品です。
素敵なタイトルは、あや@音暦(ねこよみ)様(https://twitter.com/ut6mslxEna9ghaT)から頂きました。
ありがとうございます!

社員に裏切られ、社長の座を奪われたあなた。
絶望するあなたに寄り添うのは専属秘書。
弱ったあなたを見て彼はひとつの提案をしてくる――。

pixivにも投稿しております。
本編
(SE:雨音)

社長、こんなところにいらっしゃったのですね。

傘をお持ちいたしました。
どうぞ。

迷惑、ですか。
かしこまりました、とお下がりしたいところですが。
今日ばかりは引けません。

いいえ、そのような意味ではなく。

あなたが社長でなくなっても、その座をあの男に奪われたとしても、私の社長はあなただけ。
あなたの指示に従いましょう。

私はあなたの専属秘書なのですから。

せめて傘を受け取っていただけませんか?

……駄目ですか。

なら、相合傘します?

ふふ、受け取ってくださいましたね。
私と相合傘、そんなに嫌でしたか?

冗談ですよ。

え?
私、ですか。

その質問、そっくりそのままお返しします。
社長はこれからどうされるのですか?

分からない、ですか……。

そうですよね。

あなたは地位も権力も奪われてしまいました。

あの会社はあの男のモノ。
もはや、あなたのモノではない。

悔しいです。

あなたが作り上げてきたものが、あんな人間にかすめ取られてしまうなんて。

ええ、悔しいですよ。
私は誰よりもあなたを見てきました。

あなたの努力も、苦労も、その涙も知っています。
だからこそ、悔しいのです。

それでも、あなたはいつもまっすぐに前を向いていらっしゃいましたね。

辛いことがあっても折れない。
あなたはとても眩しい存在だ。

さあ、社長。
立ち上がりましょう。

私がお供します。

もう無理、ですか。
二度と前を向けない、と。

それは私があなたの元を去る理由にはなりません。

ええ、私は強いあなたが好きです。
しかしながら――。

今のあなたもとても魅力的です。

申し訳ありません。
私は少々おかしいのかもしれませんね。

弱ったあなたにそそられてしまうなんて。

ふふ、あの気高く美しいあなたがこうもしおれているとつい、ね?

もう、いいですよね。
社長を支える素晴らしい秘書の振りなんて。

さあ、どういう意味でしょう?

社長、一つご提案があります。

よろしければ、私と一緒にどこか遠くへ行きませんか?

私と二人で、ずーっとずーっと離れた場所へ。
誰も私たちのことを知らない場所へ。

私が大切にしてあげます。
私が愛でてあげます。

あなたの望むままにすべてを捧げましょう。

そして、二人だけの甘美な時を過ごしませんか?

さあ、この手を取って。
私にゆだねてください。

心も、身体も、その人生すらも。

……。
どうしてそんな不思議そうな顔をされるのですか?

は?
なぜこんなことを言うか、ですか。

非効率でメリットがない……。

本気でおっしゃってます?

今の提案は私にメリットしかありません。
あなたと共に過ごせるのですから。

きょとんとして。
可愛いですけど、少し腹立たしいですね。

あなたは仕事一筋でしたから、まあ、仕方ないんですけど。
そんなあなたも好ましいんですけど。

いい加減気付いていただけますか?
私の気持ちに。

ええ、そうです。
私はあなたのことが好きです。

人間として、そして、一人の女性として。

始めは尊敬と憧れでした。
ですが、専属秘書となり、あなたとともに過ごす時間が増えるにつれ、私は知ってしまった。

あなたはとても魅力的な人だ。

はにかんだ笑顔も、さりげない優しさも、憂いを帯びた瞳も。

惹かれてやまないのです。

アピールしてるつもりだったんですが、あなたは全くもって気付いてくださいませんでしたね。

ええ、少し怒っていますよ。
少しですよ。
本当に。

私にここまで言わせておいて、分からない、なんていうのはなしですからね。

さあ、社長。
私の手を取ってください。

二人だけの旅を楽しみましょう。

ふふ、手を取っていただき、ありがとうございます。
それでは――。

しゃ、社長!?
痛いです、なぜそこまで力いっぱい握る必要があるのですか!?

手伝い、ですか?
私にできる事であれば、なんなりと。

逃げない?
次の会社を作る……。

は!?
その手伝いですか!?

なるほど?
私との逃避行はお断り、ですか。

はぁ……。
すっかり元気になられて……。

くそっ、あと少しだったのにな(小声)。

何ですか、その嬉しそうな顔は……。

少々不服ですが、まあ、社長が元気になられたのは私のおかげだというのなら?
まんざらでもないと言いますか。

しかしながら、一つ大切なことを言い忘れていませんか?
あなたは私をどう思っていらっしゃるのでしょうか?

好き、ですか。
愛してる、と言ってくださいませんか?

ねえ?
早く。

初心うぶですね。
愛らしいことこの上ない。

ふふ、かしこまりました。
イジワルは控えめに、ですね。
あくまで控えめに、ですが。

おや、雨が上がりましたね。
あなたの門出を祝福しているかのようです。

社長。
私はあなたを愛しています。
尊敬や憧れも含めて。

これは、揺るぎのない思い。
そして、あなたの側にいる理由。

ゆめゆめお忘れないように。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
あなたの側にいる理由
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
シノト
ライター情報
主に女性演者様推奨の台本を書いています。

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