～あらすじ～
あなたは両親が作り上げた借金を返済するためだけに生きている。
今日はあなたと付き合いが長い知り合いと食事へ行くこととなったが…？？

（場面：駅前）

おまたせ、久しぶりだね。元気してたかい？

…相変わらず君は忙しそうだね。

今月はフルタイムで仕事三昧だったんだろ？

全く、君と会うための時間を作るのは大手企業の社長とのアポを取るよりも苦労するよ。

…で、今日は何する？

どうせ君のことだ、ろくに食事も食べれないくらい追いつめられているんだろう？

多忙な君の貴重な時間を抑えたんだ。なんでもいい、何かおごらせてくれ。

鉄板焼き？イタリアン？…お寿司とかでもいいかもね。

ああもちろん、全て一流の店を予約するから安心してくれ。

きっと庶民派な君の口にもあうハズだよ。

…何？そこのファミレスでいいのかい？

お金なんて気にしなくてイイと…いつも言ってるじゃないか。

…それでもファミレスがいいのか？…ふーん、そうか。

なら、そこにしようか。


（場面：ファミレス店内）

さて…遠慮はしないで好きなものを注文してくれ。

ん…どれどれ…日替わり定食と…あとは？

…何？それだけでいいのか？今は昼時だぞ。

君は若いんだし、もっと食べるべきだと思うが。

それに、これは一番安いメニューだろう。

いや別に、君が食べたいものを否定したい訳ではないんだが…

ほら、期間限定のデザートやサラダなんかもあるぞ。

『いらない』…か。……本当に、これだけでいいのか？

ならせめて、定食にセットくらいつけたらどうだ。

ドリンクバーなんてたかが数百円だろう。

それに、ここの払いは私なんだから…お金のことは気にしなくていいんだぞ。

…本当に、君は…出会った頃から変わらないな。

お金に厳しい、というよりも…常にお金を使わないように生活を強いられているんだろう。

…借金の件は、まだ片付いていないのか？

元はと言えば君の両親の借金だろう。

確かに君は彼らの子供に当たるとはいえ、支払い義務は無理強いをするものではないと思うが…

…保証人に、君の名前が書かれていたのか。…ひどい親も存在するものだ。

しかも、借金の大方の内容がギャンブルによるものなのだろう？

……他人の私が意見するのもおかしいが、ろくな親じゃない。

毎月その返済に追われて、毎日毎日残業しながら仕事をしているのか。

…アルバイトにも、手を出し始めたんだろう？

ああ、君の友人から聞かせてもらったよ。

平日は仕事をして、休日はアルバイトまで…休む暇もないじゃないか。

…そのうえ…随分と、痩せてしまったな。

目にも生気がない。まるで死人のようだ。

辛い思いしてまで頑張る理由が…私には分からないよ。

何回も言ってるけれど…私は、君のことが好きなんだ。

私の恋人になってくれれば、君の抱えてる借金全部肩代わりしてあげるし…君のしたいことなんでも叶えてあげるよ？

いや、付き合わなくてもいい。お金だけでもいいから、私に援助をさせてくれないか？

……心配なんだ。いつか君が、消えてしまいそうで。

…それでも君は、私の誘いを断るんだね。

『迷惑をかけたくない』…？何を言っているんだ！今の君の状態のほうがよっぽど…！！

…っ！す、すまない…急に大きな声を出してしまって。

……分かった。なら今は、君の意思を尊重してあげよう。

だけどもし……君が仕事の過労で倒れてしまうようなことがあれば……その時は、どんな理由があろうと容赦しないからね？

ああ、食事が来た。

…ほら、食べてくれ。これが今の私にできる精一杯の支援なんだから。

・台本（ゆるボイ！）
借金の返済に明け暮れるあなたを支援してあげたいようです
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
ソライヌ