女子高生の貴女は、とある男の元へ通っていた。彼は元ヤクザでありながら、貴女を甘やかしてくれる貴重な存在であって…？

(インターホンが鳴ったので、玄関のドアを開ける)


はいはい、どちら様ですか…って、嬢ちゃんか。どないした？こんな時間に…


…あぁ、そら構わんけど。まぁ、上がれや。


(彼女を家に入れる)


んで？今日はどーした？友達にはみご(※仲間はずれ)にでもされたか？


あ〜…要するにママが過保護ってわけね。まぁ、嬢ちゃんもええ歳やしな…


いや、今のはちげーやろ。嬢ちゃんが自立した女かてのを肯定しただけやん。年増とは一言も言うてねぇ。言葉の揚げ足取るんじゃねぇや。


(ため息)


要するにアレか？俺に甘やかしてほしいってことか？そんなら、こいや。ほら…


(彼女を抱き止める)


嬢ちゃんも変わってんな…こんなオッサンの胸板が好きなんてよ…おまけに俺は…


…よう知ってんやんけ。まぁ、前にチラッとそれっぽいことは言うた気ぃするけど。


せやけど周りには言いふらすんじゃねぇぞ？俺はもうあの世界からは足を洗うてん…ヤクザなんて、金輪際、真っ平ごめんだ。


うるせ〜…武勇伝やら言わんといてーな。今振り返っても恥ずかしいっての。あんなもん黒歴史や、黒歴史。


うっ…こら、あれや、彫ってもうたもんは仕方ねえ。これが本気でカッコええって思うとった時期があるから、始末に終えん。若気の至りってやつや。


うるせーうるせー。これ以上、人の黒歴史を掘り返すんじゃあねぇ。口やかましい小娘には、ヨシヨシの刑や…


(頭を撫でる)


ったく…嬢ちゃんもあんまうちに頻繁に通うんじゃねえや…タトゥー入りの怪しい男の部屋に女子高生が入り浸ってるなんてご近所さんに知られた日にゃ、また雲隠れせないけん…


ヤダじゃのうて…あぁ、もうええわ。嬢ちゃんとは一緒におられるだけ、一緒におったるで。家出したとこを拾うてもうた責任もあるしな…


いや、最初は拾うつもりはなかったで…これ以上の厄介ごとはゴメンやったからな。


まぁ、せやけどなんつーか…お人好し根性は抜けきれんかったみたいや。これのせいで今までどんだけ痛い目見てきたか…ま、楽しいことも無くはなかったけど。


どっちなんやって、どっちもやで…苦い経験も楽しい経験も、ようさん味おうてきた。色々やんちゃしとったからなぁ…


…具体的なことは、気ぃ向いたら話したる。今はこのまま大人しゅう甘えとき…


…褒めて欲しいんか？ほな、そうやな…うーん…


…学校、毎日行ってて偉いな。勉強もバイトも頑張っとって…部活は、やってねぇんだっけか？


そうか…うん、やるやんけ。大したもんや。俺ァ、そんな当たり前のことすら、でけへんかったからなぁ…


いや、ええて、俺のことは…今は自分が毎日頑張っとって偉いって話やろ？


おぅ。たったそんだけのことでも、十分や。毎日生きてるってこと自体、すげぇんやから。


そうかぁ…家の手伝いもやってんのか。ますますすげぇな。


いやぁ、嬢ちゃんはめっちゃ出来た女なんやな。当たり前のこと普通にこなせる自分を誇りに思わんかい。自分でそう思えんなら、俺が言うて聞かしたるで。


あぁ。褒めてほしきゃ、いつでも俺んとこに来んかい。ただし、周りにはバレんように…な？

・台本（ゆるボイ！）
【関西弁/全肯定】父性全開な元ヤクザのイケオジに甘やかされる日常
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎