あらすじとしましては「新年に初夢を見たと思ったら･･････」といった内容となっております。

　キャライメージは「理想と年相応な振舞いに揺れる、うっかり屋サキュバス」です。

　･･････ふふ。こんにちは。

　うふふ。変な感じでしょ？

　さっき目を閉じたはずなのに、こんにちは。だなんて。

　しかも、目の前には私がいて。

　変よねぇ。

　なんで、さっきお布団に入って寝ようとしていたのに、まだ目が開いてるのかしら？

　すごく、不思議ね？

　うふふふ。

　･･････サキュバス、って知ってる？（耳元でささやくイメージをしていただけますと）

　人間の男性、時には女性の夢の中に現れて、その人の心を虜にして食べちゃう悪魔。

　ねーえ？

　私の姿をみて、どう思う？

　コウモリみたいな黒い羽に、尻尾に、それになにより。

　すごく、綺麗でしょう？

　うふふ。

　あぁ･･････美味しそう。

　貴方はどんな味がするのかしら。

　お肉やパンも、捨てがたいけど、やっぱり。

　（スンスンと鼻を鳴らす）

　はぁ･･････。

　すっごくいい匂いがしたから貴方に決めたわけだけど･･････うふふ。

　今までに嗅いだことのないくらい、すっごくいい匂い。

　つい、身悶えしちゃった。うふふふ。

　（近づくハイヒールの足音）

　ふふ。体、動かせないでしょ？

　この細い足、ゆったりと動く腕。そして、この唇。

　目が離せないでしょう？

　さぁ、一緒に溶け合いましょう？

　いただきます･･････。

　（鐘の音）

　あら？この音は･･････。

　･･････もしかして、除夜の鐘、というものかしら。

　ということは･･････今日は、人間界の新たな一年の始まり？

　う･･････そ、そう、なのね。

　･･････むぅ。

　実は、私たちの世界には取り決めがあるの。

　人間の心を定期的につまみ食いしなきゃ、私たちは飢えで死んでしまうのだけど、でも･･････。

　今日、人間たちが初夢を見る。そんな日は、そういった食事は禁止されているの。

　一富士二鷹三茄子、って言うでしょう？

　他にも縁起のいい夢って色々あるって聞くわ。

　そんな、初夢に･･････私たちみたいな悪魔がでたら。

　人間って弱い生き物だから、それで気を病む人も多いの。

　だから、その日は･･････どんなにお腹が減っていても、禁止。

　うぅ･･････久しぶりにごちそうにありつけると思ったのだけれど･･････。

　あ･･････お腹が･･････。

　うぅ。

　ね、ねぇ？相談があるのだけど。

　そのぅ･･････ほんのちょっとだけ、ほんの少しだけでいいの。

　貴方を、食べてもいい？

　言ってしまうと･･････膝枕。

　ふふ。あれって気持ちいいでしょう？

　人間の快楽、気持ちいいっていう気持ちが、私たちにとってのごちそうなの。

　だから･･････その。

　してもいい･･････？

　あ、貴方が嫌な思いをしたらすぐ止めるから！

　今日の事は、悪魔の皆にバレたくないし。

　だから･･････お願い。

　･･････いいの？本当？

　ふふ、やったぁ。

　（咳払い）

　じゃあ･･････。

　ん、っと。

　（衣擦れの音）

　はい。ここに膝を置いて？

　（衣擦れの音）

　･･････ん。

　ふふ。暖かくて気持ちいいでしょう？

　短いスカートに、ストッキングだから、丁度･･････貴方の頭に、私の太ももが当たっちゃうわね。

　ん･･････美味しいわ。

　そして、こうして･･････。

　（衣擦れの音）

　頭を撫でてあげたら、どうなっちゃうのかしら？

　うふふふ。

　気持ちいいのね？わかるわよ。

　伝わってくるもの。それに、すごく美味しいわ。

　･･････うぅん。でも、足りない。

　最近、ダイエットをしてたせいか、全然これじゃあ･･････。

　あ、別に太ってなんてないから！ちょっとこの間、食べ過ぎちゃっただけだから！

　別に、パンを３人分つい食べたりとか、バターを塗りすぎたりとか、してないから！

　（咳払い）

　と、とにかく！

　うふふ。

　･･････もっと、気持ちよくなりましょう？

　ちょっと待ってて？

　ん、っと。

　ん。なかなか上手く作れたかしら？

　この、細くて滑らかなカーブのかかった棒。

　これでぇ、今からその狭い耳の穴を･･････カリカリしてあげるわね？

　ふふ。こう見えても、人間の体の構造について色々勉強しているの。

　この耳の中にはね？迷走神経っていうのがあるの。

　その神経はね？

　触れると快楽･･････つまり。

　すっごく、気持ちよくなっちゃうの。（耳元で囁くように言っていただけますと）

　うふふふ。

　じゃあ、まずは右耳から。

　･･････うぅん。貴方の体を操ってもいいんだけど。

　（衣擦れの音）

　あら？自分から向いてくれるの？

　うふふ。もっと気持ちよくなりたくなっちゃった？

　やっぱり、見込み通りだったわ、貴方。

　いいわよ？

　お望み通り、すっごく気持ちよくしてあげる。

　（吐息。耳に吹きかけるイメージをしていただけますと）

　うふふっ。

　早速、入れてくれるかと思った？

　もう、せっかちさんね。

　期待してるのね？

　ふふ。

　じゃあ･･････入れるわね？

　（カリカリ音、ゴリゴリ音）

　ここにあるのが、迷走神経よ？

　ふふ。撫でられているだけなのに、頭が痺れそうでしょう？

　じゃあ、ここを重点的にカリカリされたら･･････どうなっちゃうのかしら？

　うふふふ。

　はぁい、カリカリー。

　（カリカリ音、ゴリゴリ音）

　あぁもう。そんなに顔を蕩けさせて。

　ん。美味し。

　すっごく、気持ちいいのね？

　そのまま、湧き上がってくる気持ち良さに、身を委ねて？

　（カリカリ音、ゴリゴリ音）

　うぅん。このままこっちをし続けるっていうのもいいけど･･････。

　左耳をするとまた違った味がするかもしれないわねぇ。

　･･････ふふ。楽しみ。

　と、いう訳で、左耳を、ね？

　（衣擦れの音）

　こっちも、とっても美味しそう。

　じゃあ･･････いただきます。

　（カリカリ音、ゴリゴリ音）

　あ、はっけーん。

　それと、さっきはスルーしたけど･･････ここもぉ、迷走神経なのよ？

　うふふふ。

　･･････どうなっちゃうのかしらね？

　いっぱい、気持ちよくなって？

　（カリカリ音、ゴリゴリ音）

　あぁ･･････美味しい。

　さっきよりも、素直になってくれたのかしら？

　うふふ。

　悪魔がこんな事を言うのは変かもだけど。

　協力してくれて、嬉しいわ。

　さぁ･･････もっと、いくわね？

　（カリカリ音、ゴリゴリ音）

　うふ、うふふ。

　口が、パクパクって。

　まるで餌を待つお魚みたい。

　･･････ん。美味しかった。

　やっぱり、貴方に目をつけて正解だったわ。

　町ですれ違った時、すごく美味しそうな匂いだったもの。

　うふふ。一体、誰なのかしらね？

　私の正体は、実は意外と近くにいるのかもしれないわよ？

　ふふっ。

　あら･･････どうやら今日はここまでみたいね。

　あぁ、そうそう。

　次、私と夢で逢った時は･･････。

　もっともっと、気持ちいい事、してあげるから。（耳元で囁くイメージをしていただけますと）

　うふふ。

　あ、言い忘れた。

　･･････明けましておめでとう。　

　ふふ。一応、ね？

　じゃあね。

　また会えるのを、楽しみに待っているわ。

・台本（ゆるボイ！）
サキュバスに初夢を奪われる
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
一ノ清　カズスケ