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公開日2024年06月26日 21:58
更新日2024年06月26日 21:58
文字数
2936文字(約 9分48秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
指定なし
演者人数
1 人
演者役柄
指定なし
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
疲れているのに眠れない。そんな悩みを抱えて夜道を歩く私の前に現れたのは不思議な雰囲気の少年だった。
台本の使用と改変についてはご自由にどうぞ
ご使用の際はお手数おかけしますがご一報(DMや@robe_3333をつけてツイートなど)をお願いします
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本編
〜〜♪(鼻歌混じりにカツカツと歩いている)
ん?君、僕に何か用?
"こんな時間に子供一人で何を"って、
別に何も?そういう君こそ、人間はみんな眠っている時間だよ。
母様(ニュクス)の夜が美しくて、散歩したくなるのはわかるけど、明日の営みを削ってまでってのは感心しないな。
よいしょっと…すまないね、枝を一本もらうよ(植物に)
ねえ君、ちょっと額を僕の前に。
眠りの神ヒュプノスの名において命じる。人の子よ、その眠気に抗わず、身を委ね、安らかなる休息の眠りを。
…?おかしいな。暗示はかかっているはず…
もしかして君、眠りたくても眠れないのかい?
やっぱりそうか。それは辛いだろうね。
どうやら君は僕が救うべき民の一人のようだ。
ああ、すまない。改めて名乗らせてもらうよ。
僕の名前はヒュプノス。偉大なる夜の女神ニュクスが息子。神話の時代から語り継がれる、眠りを司る神さ。
君のような眠りたくても眠れない可哀想な子たちを救うことも僕の使命の一つ。
君のその悩みはこの僕が責任を持って解消することを約束するよ。
まずは君の寝床を用意しなくちゃね。
おいで、僕の下僕たち。
(複数の羊の鳴き声)
はいはい、そこに集まって。
あ、こら、そこ、勝手に離れない。寝心地が悪くなる。
よーし、良い子だ。そこから動かないでくれよ?
では、こほん。僕に仕えるかわいい無垢な羊達よ。迷える人の子のために、少しの間寝床になってあげておくれ。
よし、固まった。
待たせたね。君のための寝床を作ったよ。
さあ、ここに横になって?
遠慮しないで。
心配しなくても大丈夫。
ここで眠りにつけば、後で僕の羊たちが君の自宅のベッドまで運んでくれる。
ほら、来てごらん?ふかふかでとても気持ちいいよ?
(羊のベッドに寝転がる)
ふふ、どうだい?
柔らかい陽射しのように暖かく、風がそよぐ草原のような良い匂いがするだろう?
僕はこの子たちの背中の上が大好きなんだ。
きっと君もしばらく横になればちゃんと眠れるはずさ。
それまでは…そうだな。君のことを教えてもらおうか。
何でもいい。実は長い間眠っていてね、僕が目覚めたのはつい最近なんだ。
神代の時代とは何もかもが違う。
だから気になるんだ。この時代の世界のこと。人々のこと。そしてなにより君自身のことをね。
まずはやっぱり君がそんなに眠れなくなった理由を聞こうか。
うん、うん。いいよ。君が言いたくないことまでは詳しく聞かないから。
話したいことだけ話してくれればいい。
うん、うんうん。そうか、それは気の毒に。
適当に流してるって?
バレた?いや、真面目に聞いてはいるんだけどさ、やっぱり聞き慣れない言葉も多かったりしてよくわかんなかったんだよね。
とはいえ、君の悩み自体は大体理解したよ?
人の悩みは僕らの時代から大して変わらないようだ。ならば僕にも言えることがある。
難しく考えちゃうけど実は単純なことでね。
要するに君は優しいのさ。
人は忘れる生き物だ。正しく眠り、正しく忘れて、そうして初めて正しく生きられる。
都合の悪いことは忘れてしまって、また新たに歩きだす。そのための睡眠だ。
体だけじゃなく心もまた、休憩が必要なのさ。
でも君は優しいから、都合が悪いことを忘れられない。
次はもっと良くしよう…あの時こうすればよかった…そうやって反省するのはもちろん良いことだけど、もうどうにもならないことってのもある。
僕たち神でさえそうなんだから。
そういうのは、「運が悪かった」って忘れてしまわないと。
僕はそれを逃げだとは思わない。
一歩も進めなくなるよりは、道を変えて歩きだす方が良いだろう?
まぁ…君の考えてることもわかるよ。
そんなこと言ったって思い出してしまう…忘れようと思ってもそうはいかない…
誰もがギリシャ神(僕ら)みたいに気楽にはなれないってね。
僕に眠らせてほしいと頼んできた子たちにもよく言われたよ。そんなのいいからとにかく眠らせてくれって。
でも僕の権能にも限度があるんだ。
申し訳ないけど眠ろうとしない者を眠らせる方法なんて知らない。
僕にできるのはせいぜい、心を開いてあげて、眠ってしまってもいいんだよって、君の体に教えてあげるくらい。
そのためにこうして一緒に寝転がってお話をしてるんだけど…まだ眠くならないかい?
そうか…この時代の人間は難しいね。
君はいつもどうやって眠ってるの?
…疲れて、疲れて、疲れきって、いつの間にか朝になっている…か。
多分限界になった体のほうが無理やり意識を落としているんだね。
酷いときは薬を飲んで?
確かに…そこまで眠れないなら、そういうものに頼るのも悪くないかもしれない。
だけど、ずっとそれを続けていくってのも不可能だよ。
タナトス(兄さん)のとこに行くのが早まってしまう。
やっぱり正しい眠りの習慣を取り戻すのが一番だ。
君は具体的にいつからそんなふうに眠れなくなったか、心当たりはあるかい?
……なるほど。君は思い当たらないみたいだけど、なんとなくわかったよ。
その光る板だろう?うん、それ。
スマホ、というのかい?
さっきからしきりに何かを気にしていたから気になってたんだ。
君に自覚はないのか…
やはり、よほどそのスマホとやらに依存してしまっているらしい。
便利な物ではあるんだろうけど、あんまりだ。
少し眠っていてもらおうか。
…大丈夫。壊してはないよ。
そのスマホとやらにもスリープ(眠る)という概念があるみたいだったから、それを少し引き出してあげただけ。
今は僕の言葉に耳を傾けてくれればいい。
(そっと目の上に手を乗せる)
他のものなんて見ないでよ。
まぶたの裏に浮かぶ僕の姿だけ見ていてよ。
眠りの快楽と一緒に脳裏に灼きつけて。
いつだって僕を思い出せば心地よい眠りに落ちる。
そんな暗示をかけてあげるよ。
だめ。頭はからっぽに。
何も考えない、ってのが難しいなら僕についてきて。
瞳の中の僕が手を差し出してるでしょ?
その手をとってみて?
じゃあ、飛ぶよ。
(水に飛び込む音)
(声がくぐもって聞こえる)
落ち着いて。
息はできる。冷たくもない。暖かくもない。
このままこの微温い水の中を潜っていくよ。
君は泳がなくていい。僕が引っ張ってあげるからね。
そう、いい感じだ。息はゆっくりにしようか。
僕に合わせて?吸ってー…吐いてー…
すうー……はー…
そのまま潜っていくよ。イメージして。
深く…
深く…
深く…
深く…
…怖がらないで。暗くて僕が見えなくなっても、手はちゃんと握ってる。
ほら、温かい。安心だね。
だんだん声も聞こえなくなってくるけど、僕はそばにいるよ。寂しくなんかないからね。
行くよ。
潜れ…
深く…
そのまま…
眠りの底へ降りていけ…
息をして…
深く…深く…深く…深く…(だんだんと声が遠くなる)
……………(かすかに声が聞こえるがやがて聞こえなくなる)
(水の中のくぐもった音が続く)
(その音も小さくなり次第に無音になる)
ーーーーーーーーーーーーーーーー
※以下のパートの有無についてはお任せします
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ふふ、上手く眠れたみたいだね。
あとちょっとで僕も一緒に眠ってしまうところだった。危ない危ない。
さて、羊たち。お仕事の時間だよ。
このままこの子をおうちまで送ってあげて。
くれぐれも…静かにね。
行けっ。
ふぅ…それにしても、今夜は本当に良い夜だな。
ん?あれは……?
むぅ…この時代は一体どうなってるんだ。
こんな真夜中に眠らない人間にまた出会うとは。
はぁ…しかたないなぁ…今度はすぐ眠ってくれると助かるんだけど…
ん?君、僕に何か用?
"こんな時間に子供一人で何を"って、
別に何も?そういう君こそ、人間はみんな眠っている時間だよ。
母様(ニュクス)の夜が美しくて、散歩したくなるのはわかるけど、明日の営みを削ってまでってのは感心しないな。
よいしょっと…すまないね、枝を一本もらうよ(植物に)
ねえ君、ちょっと額を僕の前に。
眠りの神ヒュプノスの名において命じる。人の子よ、その眠気に抗わず、身を委ね、安らかなる休息の眠りを。
…?おかしいな。暗示はかかっているはず…
もしかして君、眠りたくても眠れないのかい?
やっぱりそうか。それは辛いだろうね。
どうやら君は僕が救うべき民の一人のようだ。
ああ、すまない。改めて名乗らせてもらうよ。
僕の名前はヒュプノス。偉大なる夜の女神ニュクスが息子。神話の時代から語り継がれる、眠りを司る神さ。
君のような眠りたくても眠れない可哀想な子たちを救うことも僕の使命の一つ。
君のその悩みはこの僕が責任を持って解消することを約束するよ。
まずは君の寝床を用意しなくちゃね。
おいで、僕の下僕たち。
(複数の羊の鳴き声)
はいはい、そこに集まって。
あ、こら、そこ、勝手に離れない。寝心地が悪くなる。
よーし、良い子だ。そこから動かないでくれよ?
では、こほん。僕に仕えるかわいい無垢な羊達よ。迷える人の子のために、少しの間寝床になってあげておくれ。
よし、固まった。
待たせたね。君のための寝床を作ったよ。
さあ、ここに横になって?
遠慮しないで。
心配しなくても大丈夫。
ここで眠りにつけば、後で僕の羊たちが君の自宅のベッドまで運んでくれる。
ほら、来てごらん?ふかふかでとても気持ちいいよ?
(羊のベッドに寝転がる)
ふふ、どうだい?
柔らかい陽射しのように暖かく、風がそよぐ草原のような良い匂いがするだろう?
僕はこの子たちの背中の上が大好きなんだ。
きっと君もしばらく横になればちゃんと眠れるはずさ。
それまでは…そうだな。君のことを教えてもらおうか。
何でもいい。実は長い間眠っていてね、僕が目覚めたのはつい最近なんだ。
神代の時代とは何もかもが違う。
だから気になるんだ。この時代の世界のこと。人々のこと。そしてなにより君自身のことをね。
まずはやっぱり君がそんなに眠れなくなった理由を聞こうか。
うん、うん。いいよ。君が言いたくないことまでは詳しく聞かないから。
話したいことだけ話してくれればいい。
うん、うんうん。そうか、それは気の毒に。
適当に流してるって?
バレた?いや、真面目に聞いてはいるんだけどさ、やっぱり聞き慣れない言葉も多かったりしてよくわかんなかったんだよね。
とはいえ、君の悩み自体は大体理解したよ?
人の悩みは僕らの時代から大して変わらないようだ。ならば僕にも言えることがある。
難しく考えちゃうけど実は単純なことでね。
要するに君は優しいのさ。
人は忘れる生き物だ。正しく眠り、正しく忘れて、そうして初めて正しく生きられる。
都合の悪いことは忘れてしまって、また新たに歩きだす。そのための睡眠だ。
体だけじゃなく心もまた、休憩が必要なのさ。
でも君は優しいから、都合が悪いことを忘れられない。
次はもっと良くしよう…あの時こうすればよかった…そうやって反省するのはもちろん良いことだけど、もうどうにもならないことってのもある。
僕たち神でさえそうなんだから。
そういうのは、「運が悪かった」って忘れてしまわないと。
僕はそれを逃げだとは思わない。
一歩も進めなくなるよりは、道を変えて歩きだす方が良いだろう?
まぁ…君の考えてることもわかるよ。
そんなこと言ったって思い出してしまう…忘れようと思ってもそうはいかない…
誰もがギリシャ神(僕ら)みたいに気楽にはなれないってね。
僕に眠らせてほしいと頼んできた子たちにもよく言われたよ。そんなのいいからとにかく眠らせてくれって。
でも僕の権能にも限度があるんだ。
申し訳ないけど眠ろうとしない者を眠らせる方法なんて知らない。
僕にできるのはせいぜい、心を開いてあげて、眠ってしまってもいいんだよって、君の体に教えてあげるくらい。
そのためにこうして一緒に寝転がってお話をしてるんだけど…まだ眠くならないかい?
そうか…この時代の人間は難しいね。
君はいつもどうやって眠ってるの?
…疲れて、疲れて、疲れきって、いつの間にか朝になっている…か。
多分限界になった体のほうが無理やり意識を落としているんだね。
酷いときは薬を飲んで?
確かに…そこまで眠れないなら、そういうものに頼るのも悪くないかもしれない。
だけど、ずっとそれを続けていくってのも不可能だよ。
タナトス(兄さん)のとこに行くのが早まってしまう。
やっぱり正しい眠りの習慣を取り戻すのが一番だ。
君は具体的にいつからそんなふうに眠れなくなったか、心当たりはあるかい?
……なるほど。君は思い当たらないみたいだけど、なんとなくわかったよ。
その光る板だろう?うん、それ。
スマホ、というのかい?
さっきからしきりに何かを気にしていたから気になってたんだ。
君に自覚はないのか…
やはり、よほどそのスマホとやらに依存してしまっているらしい。
便利な物ではあるんだろうけど、あんまりだ。
少し眠っていてもらおうか。
…大丈夫。壊してはないよ。
そのスマホとやらにもスリープ(眠る)という概念があるみたいだったから、それを少し引き出してあげただけ。
今は僕の言葉に耳を傾けてくれればいい。
(そっと目の上に手を乗せる)
他のものなんて見ないでよ。
まぶたの裏に浮かぶ僕の姿だけ見ていてよ。
眠りの快楽と一緒に脳裏に灼きつけて。
いつだって僕を思い出せば心地よい眠りに落ちる。
そんな暗示をかけてあげるよ。
だめ。頭はからっぽに。
何も考えない、ってのが難しいなら僕についてきて。
瞳の中の僕が手を差し出してるでしょ?
その手をとってみて?
じゃあ、飛ぶよ。
(水に飛び込む音)
(声がくぐもって聞こえる)
落ち着いて。
息はできる。冷たくもない。暖かくもない。
このままこの微温い水の中を潜っていくよ。
君は泳がなくていい。僕が引っ張ってあげるからね。
そう、いい感じだ。息はゆっくりにしようか。
僕に合わせて?吸ってー…吐いてー…
すうー……はー…
そのまま潜っていくよ。イメージして。
深く…
深く…
深く…
深く…
…怖がらないで。暗くて僕が見えなくなっても、手はちゃんと握ってる。
ほら、温かい。安心だね。
だんだん声も聞こえなくなってくるけど、僕はそばにいるよ。寂しくなんかないからね。
行くよ。
潜れ…
深く…
そのまま…
眠りの底へ降りていけ…
息をして…
深く…深く…深く…深く…(だんだんと声が遠くなる)
……………(かすかに声が聞こえるがやがて聞こえなくなる)
(水の中のくぐもった音が続く)
(その音も小さくなり次第に無音になる)
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※以下のパートの有無についてはお任せします
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ふふ、上手く眠れたみたいだね。
あとちょっとで僕も一緒に眠ってしまうところだった。危ない危ない。
さて、羊たち。お仕事の時間だよ。
このままこの子をおうちまで送ってあげて。
くれぐれも…静かにね。
行けっ。
ふぅ…それにしても、今夜は本当に良い夜だな。
ん?あれは……?
むぅ…この時代は一体どうなってるんだ。
こんな真夜中に眠らない人間にまた出会うとは。
はぁ…しかたないなぁ…今度はすぐ眠ってくれると助かるんだけど…
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pixiv,twitterで活動しているフリー台本師です。得意な系統はストーリー性のあるタイプの台本です。よろしくお願いします。
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