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面倒くさがりな盗塁王にはなんだかんだで感謝されてた〜本編〜
written by 松平蒼太郎
  • 学校/学園
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  • 部活
  • 青春
公開日2021年10月22日 13:37 更新日2021年10月22日 13:37
文字数
2161文字(約 7分13秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
野球部員/先輩
視聴者役柄
野球部マネージャー/後輩
場所
学校/通学路
あらすじ
※アベレージヒッター… 主に野球の打者において高い打率を残す、コツコツと安打を重ねるタイプの打者の事。
(引用元:ピクシブ百科事典)
本編
【練習中】〜グラウンドにて〜

ハァ〜…つっかれたー…つか、吐きそう…

あー、マネくん…肩貸して〜…

とりあえずトイレまで行くわ…

え…いやいや!余裕じゃねーから!マジでしんどいから!

くっ…マネくん、いつからそんな鬼畜になったん?

最初の頃はあんな素直に肩貸してくれたのに…

本当は体力あるのにしんどいフリしてサボるのは良くないですって…いや、ホントにしんどいんだって。これマジ。

だってさ、考えてもみ?

ベースランニング30周とか常軌を逸した鬼メニューじゃん?しかもあたしだけ。

これ、どう考えてもいじめか差別でしょ?

え…盗塁王だからこれくらい余裕ですよねって、はぁ?マネくん、何言ってんの?

そりゃ走力には自信あるけど、それとこれとは話が別じゃん?

ん…まぁ走塁はチームん中で一番上手い自信はあるけどさ…

あ、おだててもこれ以上は練習やんないからね?

え、まだトスバッティングが残ってる?無理無理!

これ以上やったら死ぬから!ホント冗談抜きで!

つーわけで、あたしは帰る。こんなとこにいつまでも居られないんで。

そんじゃ、マネくん。監督にはなんか上手いこと言っといt……

げ、監督。なんでここに…今日は職員会議のはずじゃ…

え、もう終わった?マジか…じゃ、そんな感じなんで。お疲れ様でーす。

(襟首掴まれる)

ぐえっ!な、何すんすか!

え、サボってない!サボってません!ちょっと体調悪いだけなんで!

仮病なのが丸見え?じゃー、あたしが倒れたらどう責任取ってくれるんすか、監督?

そこまで言うなら…わかりました。

バッティング、ホントに一球だけですからね?

(かっ飛ばす音)

あ……いや、これはまぐれ当たりっす。

今の体の動きはむしろ本調子だからまだまだいけるなって、いや!まぐれっす、ホントに!

は⁉︎監督がつきっきり⁉︎

後生ですから勘弁してしてください…マネくん、助けて…

頑張ってくださいって…あとで覚えてなよ、マネくん…



【練習後】〜部室にて〜

あー、もー、無理ー!疲れたー!

あの鬼監督、あたしになんか恨みでもあんの⁉︎

あ、マネくん…スポドリ、サンキュー。ありがたくもらうわ。

ふう…てかマネくん、まだ残ってたん?もうすぐ下校時刻だけど。

あぁ…最後に部室の鍵閉めるから残ってたのね。ちょい待ってて。すぐ片すから。




【帰宅中】〜通学路にて〜

はぁ…今日も疲れた。マジかったり〜。

なに、マネくん?その生暖かい目は?

なんだかんだ練習頑張ってくれるからって…

いや、別にそこまで頑張ってねーし。

まぁちょっとは頑張ってるけど…

うっさいなー。後輩が先輩をからかうんじゃないよ、まったく…

ん?……あぁ、野球始めた理由?

いや、元々あたし、陸部だったんよね。

けどウチの学校の陸部さ、正直クソつまんねーの。

まず部員のやる気がないし、顧問もほとんど部活動にはノータッチだし…

雰囲気がなんつーか、全体的にダレてるって感じ。

あんまりにも張り合いがないから辞めようと思ってた矢先に、野球部のエース様から声かけられてさ。

そ、勧誘。なんて勧誘されたと思う?

いきなり友達に声かけるみたいな感覚でさ、「すごく足速いんだね!もしよかったら、野球部に入ってみない?」って直球で誘われた。

流石だよねー、うちのエース様は。

実際、投げるときでも、クソ重たい直球ぶっ込んでくるし。味方で良かったなぁってつくづく思うわ。

で、話戻すけど。まぁそんな感じでいきなり誘われて「へっ?」ってなったわけ。まぁ当たり前よね。

その後は…んー、他に行くところもないし、まぁいっかー、みたいな軽いノリで入った。

今?今はまー、それなりに楽しいかな。

この野球部、結構キャラが濃いメンツ多いし、見てて飽きない。

まぁ何よりどいつもこいつも、野球に対する情熱はすごいっつーか…

そーいうのに影響されたんかな?あたしも頑張ろうって思えるようになった。

ま、今日みたいなあたしだけキツい練習は勘弁してほしいけどね。

なんだかんだ全部練習こなせたじゃないですかって、しゃーなしに決まってんじゃん。監督もいたし。

んー、あー…あんま褒めんなって!なんか痒くなるし!

ったく、可愛いだけの後輩かと思ったら、先輩のことをいじる術(すべ)を心得ていたなんて…

この生意気な口はこうしてやる!

ふふん、なんて言ってるかわかんないなー。

ほら、ちゃんと先輩に聞こえるように言ってみ?んー?

ほっぺが伸びるからやめてください?

はいはい。じゃあこの辺で勘弁しといてあげる。

ん?…あーね。まぁあたし的にはトップバッターなんて柄じゃないんだけど。

打率三割のアベレージヒッターだから当然って、いや…うん、まぁそうなんかな?

けど、トップバッターで出塁しなきゃってプレッシャーは半端ないんよね。

そそ。まぁ今はだいぶ慣れたけど。おかげさまでね。

んー…チームの雰囲気もそうだけど、大体はあの時のマネくんのおかげかな。

えー、覚えてない?それはちょっと寂しいなー。

ほら、去年の秋の地方大会だっけ?

あの時期らへん、中々打てなくてきつかったんだけど…

マネくんがあたしの手に直接人って字を書いてくれたじゃん。打てるようになるおまじないだって言って。

あれからかな。ちょっとずつ調子が戻ってきて、打てるようになってきたのは。

いや、マネくんのおかげだよ。

あたしだけじゃ多分、乗り越えられなかったと思う。

ったく……そんなんだから、あたしも本気(マジ)になっちゃうんだって…

んー?何もない。

じゃ、あたし帰り道こっちなんで。

そんじゃね。また明日。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
面倒くさがりな盗塁王にはなんだかんだで感謝されてた〜本編〜
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
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