子どもがうまれ、3人での生活のスタートが嬉しい夫。反対に 不安がいっぱいで泣き出す妻。妻に優しく寄り添う夫のお話です。

『ふたりで一緒に』の3話目です

―――寝室―――

はぁ…やっと寝たな…。
赤ちゃんが ミルク飲んだらすぐ寝る訳じゃないって 本で読んでたけど、こんなに寝つかないとは 思わなかった（笑）

お疲れさまは お互い様（笑）
俺、哺乳瓶洗ってくる。ついでにキッチンも片づけてくるから、先に寝てなよ。

いいって！生まれてすぐに母子同室。今日まで 気が休まらなかっただろ？やっと家に帰ってきたんだから、休める時に休め、な？

どういたしまして。

―――間・洗い物の水音～止める音―――

よし！っと。
あれ？泣き声か…？

―――急ぐ足音・ドアの音―――

起きちゃったのか。もっとゆっくり寝てればいいのになー（笑） てか、もう泣き止んだんだ。

あ、ベッドに下ろすと泣いちゃうのか。それはキツいな…
ほら、抱っこ代わる…よ…って…泣いてる？
どうした？どこか辛い？

違う？…ま、とりあえず抱っこ交代するよ。

え、いいの？…じゃあ、疲れたら言えよ。

……何か心配事でもあるのか？

もらい泣きした？ 《ちょっと呆れ気味に》そんな訳ないだろ…
あー、でもなかなか泣き止んでくれなかったら泣きたくもなるか…

でーも！それだけじゃないよな？
ほら、ベッドに座って。
お前はこの子を抱っこ。で、俺はお前を後ろから抱っこして、この子の事も一緒に抱っこ。
どう？少しは安心できるだろ？
《敢えて明るめに》
（笑）そしたら、今思ってること何でも話して。不安でも不満でも。

不満はない？じゃあ、不安は？

これから いろんな事があるのに 今からため込むともたないぞ。それに、バックハグって顔が見えないから話しやすいだろ？な？

うん…うん……うん
《適当に相槌をお願いします》
なるほどねー。話してくれてありがとな。
この1週間で どんどん不安が積み重なっちゃったんだな…辛かっただろ…。よしよし。
ねえ、もう少し強く ぎゅってしていい？

（笑）ぎゅ。
あのさ…育休すぐに取れなくてごめんな。すぐ取れてれば『明日から1人だ』って不安がることもなかったのにな。来月になったら、今 育休中の人と交代できるから それまでちょっとだけ頑張ってくれるか？

もちろん、残業なしで帰ってくるし、家事は俺がやるから、昼間の育児以外の時間はなるべく休むんだぞ。

だめだって！お前はさ、ちょっと責任感強過ぎるんだよ。さっきだって、『抱っこ代わらなくても平気』なんて言って…。どうせ『泣き止ませたり、寝かしつけくらいちゃんとできなきゃダメだ！』とか思ってたんだろ？

はい、当たりー（笑）
あのさ、今、身体がどれだけのダメージ受けてるかわかる？加えて気持ちだって すごく不安定。だから、産後１ヶ月くらいは しっかり休めって言われてるんだ。無理したら後々弊害が出ちゃうんだぞ。わかった？

俺？大丈夫だよ。結構 丈夫にできてるから（笑）

え？ああ…そうだよな。わかった。
俺も疲れてる日はお前に甘えることにする。どっちも無理はダメだもんな。

これから 初めてのことばっかで、悩んだり不安になったりするだろうし、意見がぶつかることもあると思う。でも、こうやって、なんでも2人で話しあって 助け合って少しずつ パパとママになっていこう。1人でかかえこむのは 絶対にナシだぞ。わかった？

よし。

あ、ほんとだ。いつの間にか寝てる（笑）
ベッドに寝かす？そーーっと…

《安堵のため息・くすっと笑う》
ウソみたいにぐっすりだ…
きっと 俺たちの不安も安心も伝わるんだろうな…。
おいで。
もう1回ぎゅってしよ。
《ぎゅっとハグ》
俺は、お前のことちゃんと守っていくよ。どんな時も お前の気持ちにしっかり寄り添っていきたいと思ってる。
3人の生活は 始まったばっかだからさ、これからも一緒にゆっくり成長しよう。な？

じゃあ、俺たちも寝よっか。どのくらい眠れるかわかんないけど（笑）

―――お布団に入る音―――

ねえ、もっとこっち来て。
今日はお前のこと抱きしめていたい。

さっきから…って、まだまだ足りないに決まってる。だって、1週間振りだそ。それに
《耳元で》
お前だって 俺不足だろ？

（笑）なーんか、体温上がった気がするなぁ。

そんなことない？まあ、いいや。
はあ…、このぬくもり、やっぱ安心するな。
あ、このままじゃ眠れないな。ごめんごめん。

平気？

そっか。二人の意見が一致したってことで、あの子が起きるまで、このままくっついてよう。

…ねえ、改めてさ、頑張ってくれてありがとう。
愛してるよ。



――END――

・台本（ゆるボイ！）
これからも ふたりで一緒に
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・台本制作者
美俐