ある女性に、彼と過ごした思い出のデータを奪われた。
それを取り戻すために彼女の人形になった「貴女」。
だが、知らぬ間に彼女の罠に絡め捕られていて――。

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今日も約束通り、来てくれたのね。
いいえ、あなたは来るしかないもの。

八十七回目。
百回来たらちゃんと、スマホのデータは返してあげる。
大好きな彼との思い出を、ね。

そんな顔しないで。

いや、するな。

命令には従いなさい。
だって、そういう契約でしょう？

データと引き換えに、貴女は私のお人形になる。
私の言いなりになる。

ちゃーんと、サインももらったしね。
貴女の血で記されたサインを。

さあ、こっちに来なさい。
貴女にぴったりの服を用意したの。

ええ、この服よ。
気に入らない？

貴女の素敵な身体のラインが透けて見えるような、黒く妖艶な服でしょう？
これを着て、艶めかしく身体をひねらせる貴女が見たいわ。

それとも、こっちの方がいいかしら。

純白の清楚なワンピース。
これを着たあなたを穢すのはとっても楽しそう。

どちらがいい？

決められないのなら、二着とも合わせてみましょう。

ほら、早く。
着替えさせてあげる。

恥ずかしがらないで。

じっとしてね。

そういえば、あの女との連絡はやめた？
貴女の幼馴染だって言い張るあの女。

まだやめてないの？

スマホを出しなさい。

出せ。

ロック番号はそのまま？

ちゃんということを聞けてえらいわね。

（間：スマホを触っている）

ふぅん、そっか。

私のこと、相談してたんだ。
悪い子。

お仕置きしなきゃ。

前にもこんなこと、あったね。
酷いお仕置きをしたはずなのに、まだ懲りないの？

それとも、お仕置き、気に入っちゃった？

ふふふ。
必死に首を横に振って、可愛い。

ねえ貴女、気付いてる？
貴女の目、とっても熱っぽい。

敵を見る目じゃない。
もっと熱くて、蕩けた瞳。

声もいつからか、媚びるようなものになってきている。
私の名前を呼ぶときは、特に。

否定するなら、見せてみなさい。
貴女の反抗心を。

私の名を呼んで？

そう。もう一度。
もっと繰り返しなさい。

もっと、もっと。

ほら。
張りぼての反抗心なんてすぐにはがれちゃう。

我慢しないで。

ちゃんとご褒美はあげるわ。
貴女の大好きな、気持ちのいいご褒美。

切ないのね。
身体がビクビクしてる。

さあ、呼びなさい。私の名を。
そして、求めなさい。
蕩けるような快楽を。

まだできない？

じゃあ、これを見せてあげる。

ええ、貴女の彼の写真。
隣の女は誰でしょう？

そう、貴女の幼馴染ね。

その絶望に塗れた顔も可愛いわ。

彼なんか忘れなさい。
貴女を裏切った彼なんか。

私はあなたを裏切らない。
幸せにしてあげる。

深く深く愛してあげる。

ねえ、貴女も本当は気づいているんでしょう？
私に惹かれている、貴女自身に。

手を取って。

いえ、取りなさい。
今すぐ。

はぁい、いい子。

ずーっとずーっと愛してあげるからね。

・台本（ゆるボイ！）
ヤンデレお姉さんのお人形にされています。
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
シノト