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【男性向け】仮初の現実【ヤンデレ】
written by 平 朝臣
  • ヤンデレ
  • VTuber
  • 拉致
  • 誘拐
公開日2021年06月05日 18:00 更新日2021年08月25日 13:57
文字数
1971文字(約 6分35秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
推し
視聴者役柄
リスナー
場所
現代
あらすじ
いつものように、推しのVTuberの生放送を動画サイトで視聴していたリスナーの貴方(聴き手)だったが、今日に限って、寝落ちしてしまう。
しかし、何者かの声によって目を覚ますと、そこには、先ほどまで画面の向こう側にいたVTuber(演じ手)が、そっくりそのまま、現実世界に顕現していたのであったーーー。
本編
(○○は演者様の名前等が入ります)


(耳元で話す)

...起きて。

...ねぇ、起きてってば。

...あ、起きた起きた♪

(耳元から離れる)

おはよう、アナタ!

こうして私とお話するのは、初めて...かな?

私自身、こうして現実世界に受肉できたのは初めてだから、なんだか実感がわかないのよねぇ...。

あ...そんなことより!

アナタ、推しが生放送してたのに、寝落ちしかけてたでしょ!

私、アナタに楽しんでもらえるように、いっぱい頑張ってたのよ?

なのに、なんで寝ちゃうのかなぁ...うーん...。

まぁ...でも、いいわ。

これからアナタも、寝落ちとは無縁の生活になるしね、フフッ♪

...って、アレ?

なんか、金魚みたいに口パクパクして驚いてるけど、大丈夫?

...え、私は誰、って...。

ちょ、ちょっとぉ!

今の話の流れで気づかなかったの?!

ホラ、私!

いつも、アナタが動画配信や生放送を視聴してる、推しVTuberの○○よ!

ハァ...さっきからずっと黙ってたから、おかしいなぁって思ってたんだけど、そういうことだったのね。

生放送中に寝落ちするのはまだ許容範囲だけど、推しの顔を忘れるのは、流石にダメでしょ...。

いくらアナタでも、私、嫌いになっちゃうかもなぁ...ハァ~...。

...ニヒヒ、ウソウソ♪

今回だけは、許してあげる。

じゃ、改めて自己紹介するね。

私は○○。

今更、言うまでもないけど、アナタの推しVTuberよ♪

(以下、演者様各々で自己紹介等を行ってください)

まぁ、こんなところかしらね?

あ、もう一個言い忘れてたわ。

アナタも気になってるかもしれないけど、どうして、私が現実世界に顕現することができたのか、ってことね。

それは、アナタの想いの強さのおかげよ。

アナタの私を強く想う心が、私の魂に共鳴し、その結果、仮想現実(バーチャルリアリティ)を超えて、本物の肉体を手にいれることができたの。

つまり、アナタの日々の推し活動が、私の血肉と化したというわけ。

まぁ、それだけが理由じゃないんだけど、アナタのおかげであることには変わりないわ。

だから、アナタには感謝してるの。

アナタは、私を応援してくれるファンの中の一人に過ぎないって、自分では思ってるかもしれないけど、そうじゃないわ。

アナタにとって私がそうであるように、私にとって、アナタはオンリーワンなの。

だから、これからも、末永く応援してね?

...フフ、ありがとう、アナタ。

...そういえば、アナタに一つ、聞いておきたいことがあったわね。

(耳元で話す)

...アナタ、最近、他の女に目移りしてない?

...どうやら、図星のようね。

ねぇ...これって、おかしいと思わない?

推しのVTuberは、一人で十分でしょ?

私以外に推しを作るなんて、浮気と同じだと思うんだけど...。

アナタも、そう思わない...?

...フフッ、やっぱり、そうよね♪

(耳元から離れる)

私が間違ってるのかなぁって不安になっちゃったけど、アナタも同じ意見だったから、安心したわ。

じゃあ~......消して。

他の女の痕跡を、一つ残らず。

動画履歴も、高評価も、チャンネル登録も、Twitterフォローや関連ツイートも、全部ね...。

...どうしたの?

さっき、アナタも、同意したでしょ?

まさか、ウソだったの?

ウソじゃないなら、早くして。

ねぇ...早くしてよ!

私以外の推しなんか、必要ないのよ!

だから、早くしてってば!

ハァ...ハァ...!

...そう、それでいいの...。

それが、正しいのよ。

アナタの推しは、私一人で十分なんだから...。

フゥ~...どう、できた?

...うん、OK!

目障りなものが片付くと、やっぱり気持ちがいいね♪

さて、と...。

これでもう、やることはなくなったかな?

それじゃ、そろそろ準備をしておかないと...。

...何の準備か、って?

フフフ...決まってるでしょ?

仮想現実の世界に、帰る準備よ。

アナタと一緒に、ね...。

...なんで、そんなに驚いてるの?

だって、当たり前でしょ?

私もアナタも、現実世界に留まり続けたら、肉体が劣化する一方よ。

でも、仮想現実は違うわ...。

デジタルデータ化された身体は、半永久的に朽ちることなく、電子の海を漂うことができるの。

本に例えれば、分かりやすいかもね。

紙の本は虫食いや経年劣化でいずれ使い物にならなくなるけど、電子書籍なら、データが削除されない限り、いつでも閲覧できるでしょ?

それと同じよ。

それに、アナタもよく言ってたじゃない。

現実なんてクソゲーだって。

だったら、ちょうどいいでしょ?

現実の肉体なんて捨て去って、私と二人きりの世界で、永遠に暮らせばいいんだから。

そのかわり、二度と現実世界には戻れなくなるけどね。

でも、そんなの些細なことよ。

私とアナタが、死別することよりもね...。

さて...準備も整ったことだし、さっさと行きましょうか。

生放送中に抜け出したせいで、大変なことになってるだろうしね。

...どうしたの?

まさか、不安なの?

...フフ、心配しなくてもいいわ。

痛みは一瞬だけだから。

それさえ我慢すれば、素晴らしい世界が、私たちを待ってるわ。

じゃあ、行きましょう。

2人だけの、エデンの園へ...。

フフフ...フフフフ...!!
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
【男性向け】仮初の現実【ヤンデレ】
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
平 朝臣
ライター情報
タイラ トモオミ
 初めまして。
 平朝臣と申します。
 ヤンデレを題材にしたシリアスな作品が多めですが、耳かき系も少数ながらありますので、どうぞお楽しみください。
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