とあるドラマの影響と、自身の変態性を鑑みて、一生独身でいた方がいいかもとこぼす貴方。幼馴染の女の子は、そんな貴方の独り言を聞くと、なぜか不意打ち気味に後ろから抱きついてきて…？

(あくび)


あ〜、よく寝た〜…今何時？


うへぇ…もうそんな時間？ちょっと寝過ぎたな〜…


アンタは？溜まってたドラマ見終わった？


………へ？急にどうした？ドラマに感化された？


へ、へ〜…そう、なんだ…そんな内容のドラマだったんだ…それは、なんか、すごいね…


……独身貴族、か。アンタはホントにそれでいいの？まだ年齢的に間に合うんじゃない？


ふーん…意外とちゃんと考えてんだ。ま、自分のことある程度客観視できてるのは偉いと思うけど。


(再度あくび)


あ〜あ…アンタのバカな話聞いてたら、なんか目が覚めちゃった。ちょっとトイレ行ってくる…


(トイレから出てくる)


あ〜、スッキリした……さて、そろそろ始めますかっ…！


(後ろからいきなり抱きつく)


何って…バックハグ。嬉しくない？


じゃあいいじゃん…このままで居させてよ。アタシの気が済むまでさ…


…さっき、一生独身貴族でいるっつったじゃん？それって、変態な自分の丈に見合った相手が見つかりそうにないってことでしょ？


変態でしょ、アンタは……普段から女の子の脚見ては、舐めたいってぬかしてんだから…


でもさ…諦めるのはやっぱまだ早いんじゃない？その変態性を打ち消すような良さだって、アンタにはあるはずだよ？


そうそう。例えば〜…あれ？アンタの良いとこって、なんかあったっけ？


あはは、冗談冗談。えっとね、アタシを見捨てなかったこと。


は？じゃなくて。アタシを、見捨てなかったことだよ。


ん、そう。昔のアタシってすごくわがままっていうか、自分勝手だったじゃん？メンタル不安定で、よく癇癪起こしてたし。


よく茶化しには来たけど…アタシのことは否定しなかった。むしろアタシをアタシとして受け止めてくれた。それがアンタの良いとこだよ。


あ、ピンときてないって顔してる…じゃあ具体的エピソードを一つだけ。


昔、アタシが今の親友と大喧嘩したことあったでしょ？あの時はどう考えても、勝手に癇癪起こしたアタシが悪いのに、アンタは話を聞いてもアタシを責めなかった。


そ、責めはしなかったけど…人の頭にげんこつして「謝ってこい」とは言ったよね。懐かし…


いや、それが良かったんだって。アタシを責めるんじゃなくて、やるべきことをやれって発破かけてくれたのが、なんか嬉しかった。ちゃんとアタシの背中を押してくれる人がいるんだって分かってさ…えへへ…


ドМじゃありませーん。別にげんこつされて嬉しかったわけじゃありませんからー。ていうか今、そういう話してないし。


要するに…ずっと見守ってくれてありがとねってこと。もー、恥ずかしいなぁ…


だから、さ…最悪、アタシと付き合っちゃえばいいんだよ。一生独身なんて寂しいこと言わずにさ…ね？


ふふ、どーいたしまして♪アタシだってアンタのこと、ちゃんと見てるからね♪


あー、ごめん。くっついたままだったか。すぐ離れる。


(彼の背中から離れる)


さ、恥ずかしい話はここまでにして…シャワーでも浴びてこよーっと。お風呂、借りるねー。


……あ、アタシらまだ付き合ってないから、覗きはNGね？

・台本（ゆるボイ！）
【友達以上恋人未満】無防備な幼馴染からのフォローが実質告白
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎