・１：初めてのASMR
（シチュエーション：VTuberのASMR配信）

（位置：正面）
（恐る恐る配信開始のあいさつをする）
おはようございます……。

（はっと気がついて）
あ、これから寝るひとのための配信だったね……。
いつものあいさつそのまましちゃった。

（言葉に迷いながら）
じゃあ、おやすみなさい？
始まりのあいさつなのになんか違う気がする……。

（チャットを見て）
どっちでもいいの？
どうせ寝るから「おやすみ」でもあってる？

うん、分かった……。

（10秒くらい息遣い）
（気を取り直して）
それじゃ改めて……。
わたしの初めてのASMR配信に来てくれてありがとう。

お話したいことあるけど、
前置きはほどほどにして、さっそく始めていくね。

今日はASMRの定番、
耳かきをしていこうと準備と勉強してきたよ。


（恥ずかしそうに）
そのために……これも定番の……
ひ、ひざまくら……。
わたしのおひざに、みんなの頭をのせてもらえる？

（10秒くらい息遣い）
（自分の発言のおかしなところに気がついて）
あっ、それじゃなんか変かも。
ひとのひざには、ひとり分の頭しかのらないでしょう？
だったら『みんな』はおかしいかなって。

（言葉を探して）
こういうときは……ええっと……。

（思いつく）
ひとりに対して使う呼び方をしたほうがいいね。

（照れながら）
えっと、横になって、きみ……？　あなた……？
――の頭を……わたしのひざにのせてくれるかな？

えへへ、いつもみんなのことファンネームで呼んでるから、
『きみ』とか『あなた』って呼ぶの恥ずかしいな。

ひざまくらも……恥ずかしい、かも？
でもでも、みんなを癒やしてあげたいから…………。

（優しい声で）
おいで。

（SE：布のこすれる音）

（位置：斜め上　少し近い）
（以降セリフはささやき声）

（照れつつも気をつかって）
どうかな？　変じゃない？

変なのはわたしの言葉遣いだけでいいもんね。
（10秒くらい息遣い）

（照れながらの演技）
ね、ねぇ……頭、触っていい？
なんか、気になっちゃって……。

あ、変に思ってるとかじゃないの。
興味……って言ったらいいかな。

ひざまくらどころか、ひとの頭に触るなんて経験なかったから、
どんなふうなのか気になっちゃったんだ。

えっと、優しくするから。
頭なでなでするみたいになら、触っていい？

（10秒くらい息遣い）
（チャットを見て少し意外そうに）
いいの？
むしろ撫でられたい？

そっか、頭撫でられるのって、
好きなひと多いんだ。

（おっかなびっくりに）
じゃ、じゃあ、触るね……。


（SE：ゆっくりと髪がこすれる音）
しょりしょり……しょりしょり……。
へぇ……こういう音がするんだ……。

（SE：髪がこすれる音→ここからSE続ける）
もっとしていい？
わしゃわしゃ……わしゃわしゃ……。

痛くない？　大丈夫？
くしゃくしゃ……くしゃくしゃ……。

むしろ気持ちいい？
しゅりしゅり……しゅりしゅり……。
そっか……えへへ、わたし……きみのこと癒せてるんだね。

かゆいところあったら、言ってね？
（SE止め：髪のこすれる音ここまで）

あ、これ床屋さんがシャンプーするときのセリフだ……。
また変なこと言っちゃった。ごめんね。

（チャットを見ながら）
いつものこと？
天然なセリフで肩の力がいい感じに抜ける？

（嬉しそうに）
もう……。
でもきみはわたしのことよくわかってくれてるんだね。

・２：耳かきに挑戦（右耳
（引き続きセリフはささやき声）

（位置：斜め上　少し近い）

（SE：入れ物から綿棒を取る音）
（少しテンション上げた声で）
それじゃ、今回のお題目の耳かきをするよ。
痛くしちゃったり、すごい音がでちゃったりしたら、
えんりょしないで手を上げてね。

（自分の発言のおかしなところに気がついて）
って、これは歯医者さんの言うことかも。

（少し慌てて）
し、心配しないでっ。
虫歯を治すみたいな痛いことはしないからね。

（ここだけささやきやめて、マイクから距離を取る）
キュイーンってするのは持ってないよ、ほらほら。
泣かないで……、大丈夫だよっ。

（気を取り直して一息つく）
……ふぅ。

（耳元に近づく。声ささやき）
（少し申し訳なさそうに）
ごめんね。

（チャットを見て）
わたしのほうが大げさだった？
天然ボケはいつものことだから気にしてない？

（呆れと嬉しさまじりに）
もう……。

（10秒くらい息遣い）
（気を取り直して）
それじゃ今度こそ、耳かきするよ。

（リスナー｛ダミヘマイク｝の顔が正面を向いていることに気がついて）
あ、横向いてもらわないと、だね。

（学んだことを思い出しながら）
こういうときは、わたしが「ころん」
ってさせてあげるといいんだよね。

（楽しい声で）
右耳さんをこっちに向けてね？
はい、ころーんっ♪

（SE：布のこすれる音）
（位置：右　近い）

（SE：綿棒を耳に入れる）
始めるよ。綿棒、ずずず……っと。

（SE：耳かきの音開始）
かりかり……かりかり……。

（10秒くらい息遣い）
（自信なさげに）
どうかな？　いろんな配信とか……、
音声作品を聞いて勉強してみたんだけど……、
ちゃんとできてるかな？

（10秒くらい息遣い）
（SE止め：耳かきの音一旦止め）
（チャットを見て安心する）
できてる？
気持ちいい？

（安心な一息して）
よかった……。
みんなの鼓膜｛こまく｝ないないしたら
どうしようって思っちゃった。

（またチャットを見て）
――綿棒で鼓膜｛こまく｝ないないするのは難しい？
――できたら必殺技にできる？
――いいから続けてほしい？

（きょとんとして）
あ、はい。

（SE：耳かきの音再開）
（10秒くらい息遣い）
（優しくささやく）
しゅりしゅり……しゅりしゅり……。
癒やしてあげたいのに、変なことばっかり言っちゃったら、
きみも落ち着けないもんね……。気をつけなきゃ。

耳かきとオノマトペに集中したら……、
変なこと言わないかな？
こりこり……こりこり……。

（SE：髪がすれる音）
頭も……なでなで……なでなで……。
いいかも……。

（20秒くらい息遣い）
でも、もし……耳キレイにしてほしくて
わたしの配信を聞いてるひといたらごめんね。

たぶん、わたしの配信こんな感じだから、
お耳掃除にならないかも。

（10秒くらい息遣い）
（チャットを見ながら）
――ASMR聞きながら耳掃除できない？
――みんなが求めてるのは『音』だから大丈夫？
――変な心配してて草。
――結局集中してないやん。

また変なこと言っちゃったみたい……。
しゅうちゅー……しゅうちゅー……。

（10秒くらい息遣い）
（チャットに気がついて）
――もうこんなでいいよ。
――天然なセリフが逆に落ち着く。

（迷いながら）
みんながいいなら、いいかな……。
かしゅかしゅ……かしかし……。

（10秒くらい息遣い）
（優しい声で）
リラックスしてくれたら、
わたしは嬉しいの……。
さわさわ……さわさわ……。

（10秒くらい息遣い）
眠たくなっちゃったら、
そのまま寝ちゃってね……。
こりこり……こりこり……。

（10秒くらい息遣い）
リラックスできたり、寝れるようになるから、
しょりしょり……しょりりっ……
ASMRって人気だよね……？

人気になりたくてASMRしてるわけじゃないんだけど……。

（事務所に気をつかわないとと気がついて、ちょっと早口に）
（SE止め：耳かきの音一旦止め）
あ、ちゃんとみんなに見てもらえるVTuberにならないと、
いけないのはわかるよ。
活動続けられなかったり、事務所がお仕事できなくなっちゃうから、
ちゃんと再生数とかも気にするよ。
（早口ここまで）
（SE：耳かきの音再開）

（10秒くらい息遣い）
でもね、やっぱりみんな――
きみにリラックスしてほしくて……、
気持ちよく寝てほしくて……、
かしかし……かしかし……。

ASMRに挑戦してみようって思ったんだ。
（SE止め：耳かきの音止め）

（くすぐる感じで耳吹き）
ふ～～～～～～～っ。

反対側も、気持ちよくしたげるね……。

（楽しげに）
ごろりんってして……、
左耳さんをわたしに向けてほしいな。

（位置：セリフに合わせて右→左へ　近い）
はい、ごろり～ん♪

・３：耳かきに挑戦（左耳

（楽しげに）
ふふっ♪　これ、楽しいね♪
わたしのひざにごろごろしてほしいなって思っちゃったけど、
そんなことしたら寝れないもんね……。
また今度、してもらおうかな……。


それじゃあ……左耳さんにしつれいしまぁす。
（SE：耳かきが耳に入る音）
ずずずっ……。

（10秒くらい息遣い）
（SE：耳かきの音開始）
こりこり……こりこり……。
さっきの話の続きするね……。

（複雑そうな声で）
わたしがASMRに挑戦するって
マネージャーさんに相談したら、
できるのか？って心配されちゃったんだよ……。
すりすり……すりすり……。

（30秒くらい息遣い）
（少し強気な声で）
でもね……お疲れ様なマネージャーさんにも
癒やされてほしいからって、
わたしの気持ちを伝えたら、
オッケーしてくれたんだ……。
こしゅこしゅ……こしこし……。

（30秒くらい息遣い）
もちろん同じ事務所のみんなにも、
わたしのASMRを聞いてほしいよ。

（事務所のみんなを思い浮かべながら）
さわさわ……さわさわ……。
ダンスレッスンやボイトレ、深夜までゲーム配信したり、
配信の準備、悩みごとを考えてたり、
そんなみんなにも癒やされてほしい……。

（感謝の気持ちを込めて）
みんな、わたしの大切なひとたちだからね……。
かりかり……かしゅかしゅ……。

（10秒くらい息遣い）
（少し自嘲しながら）
なんか八方美人だね……。

こういうときは『きみだけのために』
なんて言ったほうがいいかも？なんだけど……。


（感謝の気持ちを込めて）
やっぱり『みんな』のためにASMRしたいな……。
それでいいよね？

（30秒くらい息遣い）

（SE止め：耳かきの音止め）
（チャットを見ながら）
うん……。みんな、ありがとう。

（くすぐる感じで耳吹き）
ふ～～～～～～～っ。


（嬉しそうに）
ふふっ……♪　感謝のお耳ふ～だよ♪
変な『ありがとう』かもしれないけど……。
ASMRらしいことできたかな？

頭なでなでも、しよっか。

（少し照れくさそうに）
正面向いて、お顔見せてくれる……？

（位置：左→正面　近い）
（SE：髪がこすれる音→ここからSE続ける）

いいこ……いいこ……。
わたし、みんなのおかげでここにいるんだよ……。

（10秒くらい息遣い）
配信で『ありがとう』って言ったり、
お歌に感謝の気持ちをのせたり、
ASMRでお耳ふ～したり、
いろんな方法で感謝を伝えようとしてるけど、
それでも伝えきれないなぁ……。

（10秒くらい息遣い）

（SE止め：髪のこすれる音ここまで）
それでもね……。
わたしは配信を続けるよ。
感謝だけじゃなくて、
いろんな気持ちや経験をみんなに伝えられるように、
わたし、がんばるから。

これからもよろしくね……。


（位置：近い→少し近い）
はい、わたしの初めてのASMR配信はこれでおしまい。
上手なひとはもっと長い時間続けられるかもしれないけど、
今のわたしはこれが精一杯。

でも良かったって言ってくれると嬉しいな。

わたし的にはASMRはとっても楽しかったから、
定期的……っていうのは難しいけど、
続けていきたいな……。

おやすみなさい。
またわたしのおひざに来てね。

・台本（ゆるボイ！）
しんちょうで天然なVTuberが初めてASMR配信に挑戦するシチュボ台本
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
雨竜三斗