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【和風ファンタジー/わからせ】盲目の頑固坊主は女妖怪の色香に屈しない
written by 松平蒼太郎
  • ファンタジー
  • シリアス
  • 僧侶
  • 和風
  • わからせ
  • 盲目
  • クール
公開日2024年11月26日 15:42 更新日2024年11月26日 15:42
文字数
1628文字(約 5分26秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
男性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
僧侶
視聴者役柄
女妖怪
場所
夜道
あらすじ
男を惑わし、破滅へと追いやる女妖怪『飛縁魔』である貴女は、その日は一人夜道を歩いている僧侶の男に狙いを定める。しかし、これまでの男と違って、彼は貴女の言動に一切動じなくて…?
本編
(夜道を一人歩く)


……誰だ?先ほどから拙僧(せっそう)の後をつけてきているのは…


いや、名乗らなくても分かっている…この気配、物の怪だな?


(女が姿を現わす)


ふむ…その声、女か。姿は見えんが、ずいぶんと細身で華奢な容姿をしているようだな?


あぁ、わかるさ…たしかに、拙僧は盲目だが、気配で大体の人物の容姿はわかる…いや、今回は人物ではなく、物の怪であるが。


それで?妖婦風情が、拙僧に何用か?くだらぬ世迷い言を抜かすなら、容赦はせぬが?


……たまたま夜道を歩いていたから、か。


もしや貴様、最近都で噂になってる『飛縁魔(ひのえんま)』というやつか?


聞いているぞ…自らの美貌で男を誑かし、破滅へと導く悪しき魔物だとな。そうか、貴様がそうか…


いや…貴様本体を叩きのめすことは簡単だ。しかし、それでは貴様はまた同じことを繰り返すだろう。


拙僧が叩きのめさないといけないのは……貴様のその腐った性根そのものだ。


仏に仕える者として、貴様をこのまま放置しておくことはできん…これより、仏の教えを貴様のその腐った脳みその中に叩き込んでやる。覚悟はいいな?


…?貴様、何を言って……ッ⁉︎


(抱きつかれる)


いきなり拙僧の懐に潜り込んでくるとはな…!やはり物の怪、大胆なことをする…!


…?貴様、何を言っている?たしかに、身体は当たっているが、それがどうした?


まさか…貴様の持つ妖気を拙僧に当てようと?


無駄なことを…拙僧は寺で何十年と修行を積んだ身。その程度の脆弱な妖気に当てられたりなどせぬ。


……胸?たしかに貴様からは胸の弾力を感じるが…


……くだらん。そのような脂肪の塊でしかないモノで、拙僧を貶められるとでも?


男の煩悩をくすぐっているつもりなのだろうが…拙僧にそのような安っぽい誘惑は効かん。


……くどい!何度同じことを言わせる気だ!?


そのような安っぽい誘惑など効かぬと言ったであろう!貴様の耳は飾りか!?


(壁ドン)


あまり調子に乗るなよ、妖婦…!


貴様ごとき下郎、その気になればいつでも祓えるのだぞ…!そこのところをきちんとわきまえておけ…!


…どうした?なぜ急に黙り込む…先ほどまでの威勢はハッタリか?


ふむ…今度は拙僧に媚びを売るか。やはり貴様は、くだらぬ女子(おなご)よな。


そうやって甘い言葉を囁いて、拙僧を油断させる腹づもりであろう?


生憎と、貴様の言葉は拙僧の心に何一つ響かぬ…わが心に響くのは、御仏(みほとけ)の言葉のみ。


そうやって数々の男たちを堕とし、その人生を破滅へと導いてきた…その所業、断じて許されざるべし。


だが…殺生は仏に仕える者としてやるべきことではない。たとえ相手が、罪深き妖婦だとしても。


だから貴様にはしっかり心を入れ替えてもらうぞ…男を惑わす道を捨て、拙僧と共に来い。


あぁ…拙僧は貴様を見捨てぬ。


貴様が己自身を見つめ直し、まっとうな道を歩むまでは、とことん付き合ってやる。


これまでは男を貶める以外の道を見いだせなかったのであろう?


だが案ずるな…仏の教えに従えば、貴様にもいずれ光明が差し込んでくるであろう。


…存じておる。貴様が元はただの人であったことも、やむにやまれぬ事情で、物の怪と化してしまったことも…


先ほどは散々貴様の罪を糾弾したが…これもすべて、貴様を誤った道から正すために行なったこと。悪く思うな…


(抱きしめる)


貴様は一人ではない…これからは、拙僧がそばにいる。


いくら貴様が誘惑してきても、負けはせぬ…拙僧の心には常に、御仏がついておられるのだからな。


ほぅ…?言うではないか。貴様はまだ拙僧のことを甘く見ているとみえる…


そうだな…もし、貴様の色香に溺れてしまったら、貴様ごと地獄に連れて行く。これからは一蓮托生(いちれんたくしょう)ということでよいな?


ふっ…望むところだ。いくらでも誘惑するがいい。その努力はすべて無駄になるだろうがな。


先ほども言ったが、拙僧は目が見えぬから、女にとって大切な視覚的要素が貴様の有利には働かん。それでもよいというのであれば、好きにしろ。


(彼女の手を取り、夜道を歩きだす)


目が見えなくても、こうして暗い夜道を歩むことはできる…これから貴様にも、それを直々に教え込んでやるから、覚悟しておけ?
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
【和風ファンタジー/わからせ】盲目の頑固坊主は女妖怪の色香に屈しない
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
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