【あらすじ】
雪の日に出会ったヴァンパイアと死のうとしている女の子。
自殺をするつもりの公園で、突然木の上から落ちてきたのはイケメンのヴァンパイア。
どこにも行くあてのない女の子を拾って屋敷に帰ってきたヴァンパイアはその後どうするのか？

☆こちらの作品の出会い編になります。
【ヤンデレ吸血鬼…豹変】姿を変えても…ヤンデレ吸血鬼の愛

続編になります。
【吸血鬼×目覚め】嫉妬で病んでいく…

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《ご挨拶》
初めまして拙い本を手に取って頂きありがとうございます。

《朗読して下さる演者様へ》
話の本筋が変わらないアレンジや言い回しの変更は演者様にお任せします。
文字と読み言葉では違いが出ますので、その辺に関しましても演者様のやり易い方向でお願いいたします。

作中内のSEもあれば付けていただいて、無ければ飛ばして大丈夫です(話の流れで必要な部分のみ表現して頂ければOK)

ト書の種類
【 】 場所、シーンチェンジ、SE:指示
( ) 心情、行動、呟き

～～～本編～～～
【真夜中・公園の木の上】

んーっ(背伸びをしてそのまま木から落ちる)
【SE:どさっ】

痛たたたっ…寒いと思ったら雪積もってんのかよ…
(気を見上げて)
はぁ不意に落ちたから魔力で衝撃も抑えられなかった。

【(目の前に彼女が立ってる)】
【SE:立ち上がりながら洋服の雪を払う】
お前、誰？なんで俺の事見てんの？

手に持ってるそれって？

ふーんそういう事。
ならごめん、俺が邪魔しちゃったのか。

じゃあ俺行くから…続きやって…
…そうだ、一言だけ。
首吊りって死んだあとめっちゃ汚いよ。
だから自殺するつもりなら違う方法の方がいいかもね。
んじゃ…

あぁ泣いてるし…
別に俺、本当の事を言っただけたし…
親切心で言ったんだけどな…

お前…そんなに泣いてると涙まで凍るぞ。
こんなに雪降ってて寒いんだから。

その気が無くなったなら家(うち)に帰れば？

えっ、帰る家がない？
ならホテルにでも泊まればいいだろ。
…まさか金もないとか？
図星かよ…

でもまぁ俺には関係ないから…じゃあね。
【SE:雪の上を歩く足音】

(気になって引き返す)
まったく仕方ないな…

【SE:掛け戻る足音】
わかったから…ついて来て。
このままここにいたら凍死する。
ってもしかしてその方が綺麗に死ねるかも(笑)

わかったからそんなに睨むなよ。
仕方ない屋敷にでも帰るか…
もうずっと帰ってないしな。

お前さ、帰る家がないって言ったよな？
ならこの街にお前がいなくなったら探す人間っているか？

そう、居ないんだ…
(少し考えて)
なら屋敷に連れて帰っても大丈夫か…

じゃあちょっと目瞑ってくれる？
そうじっとしてて

【SE:マントを羽織るバサバサ音】
【SE:キーンとなる高い鈴の音もしくは鐘の音】

はい。目開けていいよ。
こっちおいで…
【大きい古い洋館の前】
【SE:重いドアの開閉音】
ただいまぁ～

そこに突っ立ってないで寒いから中に入って…
なにぽーっと口開けて見てんの？

ここ？ここは俺の家…
もう何十年も帰ってなかったんだけどね。

【SE:指パチン】
これで明かりも付いた。暖炉にも火がついたから直ぐに暖かくなる。

ほらドア閉めてってば…

俺？俺は…なんだと思う？

わかんないよね(笑)
俺は吸血鬼の末裔。
純血だから魔力も使える。
さっきのは瞬間移動、そしてここに来てからは明かりも暖炉も魔力でつけた。

なんて顔してるの？
俺は嘘なんかついてない。
目の前で見ただろ？

信じてないんだ。
まぁ今の世の中ネット環境さえあれば多少の事は出来るからね。
でも残念な事にここにはないんだ。
何せここに戻るのは50年ぶりくらいだからさ。その頃はまだインターネットなんて普及してなかった(笑)

ちょっと俺の目を見てくれる？
お前の事知りたいから。
(彼女を捕まえて目の前に立たせる)
真っ直ぐに俺を見ろ！

(呟くように)
ふーん･･･

そうなんだ。

はぁそういう事か･･･

はい！もういいよ。
(彼女が倒れそうになるのを支える)
おっと大丈夫か？気分が悪い？
そうだろうな、他人に頭の中に入り込まれたんだから…
お前の記憶と思考に俺が入り込んだ。
だって自分からは言いそうもなかったし、この方が正確な情報が手に入るし早い。
無駄な手間がはぶけるんだよ。

とにかく今夜は風呂に入って寝ろ。
部屋はそうだな…俺と一緒でいいか？
ドアを出て右奥の突き当たりだ。

【SE:ソファに座る】
はぁ…何やってんだ俺…
女なんて屋敷に連れてきて…
人間なんて信じられない生き物なのに…
いつになれば学習するんだか(笑)

でも誰も心配する奴がいないって言うのは本当だったな…
捨て子か…俺と一緒だ…
それで捨て置けなかったてことか？
どこか同じ匂いがして…

【SE:ドアの開閉音】
どうした？
何か足りないものでもあったか？

礼なんかいらないぞ。
そんな事を言われたくてお前を拾って来たわけじゃない。
そうだな、礼なら…お前の血を俺に捧げてくれ…
【SE:ゆっくり近づく足音】

【SE:抱きしめて】
怯えることは無い。
痛くない。気持ちがいいだけだ…

【吸血シーン開始】
(吸血シーンのリップ音等は演者様お任せします。合間に台詞をお願いします)

そのままじっとして…

身を委ねろ…

っん…もしかして…

この甘美な血の味は…

【吸血シーン終了】

お前？もしかして処女か？

【SE:ビンタされる】
痛って…本当に本当か？
ちゃんと答えろ！大事な事だ！

(頷く彼女…)
見つけた…ずっと探し求めてた俺だけの…

【SE:抱きしめる】
まさか、偶然はないそれは全て必然…

今夜は俺があの木で寝ていた事も、お前がロープを持って公園に来た事も全ては俺とお前が出会うため…

お前は俺の花嫁になるんだ。
拒否権はない。わかったな。
返事は？そう、イエスだ(笑)

俺の運命の花嫁…

・台本（ゆるボイ！）
【ヤンデレ吸血鬼…出会い】公園で拾った花嫁…
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
葛葉　茉白