吸血鬼姉妹シリーズのifストーリー第七弾。
本編「許嫁吸血鬼の改心」にて登場するヤンデレ吸血鬼姉の許嫁くんがBLになった世界線の話。

補足:時系列的には本編「ヤンデレ吸血鬼姉の奪還」後の話。話をごく簡単に説明すると、吸血鬼姉の許嫁くん(自称)が姉を誘拐して無理やり結婚しようとしたところを主人公が殴り込みをかけて、少年漫画よろしく吸血鬼姉を取り返した的な話。

やあ、ひさしぶりだね。

おっと、そんなに警戒しないでくれ。

別に君に危害を加えにきたわけじゃない。

いいや、彼女が狙いでもないよ。

君に伝えたいことがあって、わざわざ全員が留守のときに訪ねたんだ。

あぁ、聞いてくれるのかい？ありがとう。

あの日、僕は君に敗北して…どうやらその時に君に惚れてしまったみたいなんだ。

ほ、本当だ！自分でも信じられないけど、この気持ちは絶対そうだ！

あぁ…君は彼女を守るために僕と戦い、彼女への愛を証明した。

その時の君の漢気に魅せられて……もう惚れずにはいられなかったよ。

あんなに人間の男を忌み嫌っていたのに…自分ごとながら驚いてるよ。

あぁ、だから彼女のことは諦める。

その代わり僕が君のことを好きでいることを許してくれ！

君にとっては急なことかもしれないし、僕自身もこの心変わりの早さはどうかと思ってる。

けどこの気持ちに嘘はつけない。

僕は君のことが好きになったんだ。

え？熱でもあるのかって、ははは！

そうだね、恋という熱に浮かされているのかもしれないね。

まぁ結局何が言いたいのかって、僕は君を認めたってことさ。

吸血鬼とか人間とか関係なく、同じ男として君のことを好きになったんだ。

キャラが変わりすぎて心配になってきたって、それは心外だな。

僕は、認めた者はちゃんと認める主義なんでね。

たとえ、人間相手でもそれは変わらない。

これから君や彼女に危害を加えようとする者が出てきたら、僕が陰で排除しておくよ。

君は近くで彼女を守ってやってくれ。

守られるほど彼女は弱くないだろって、いいや、そんなことはない。

ああ見えて彼女は精神的に脆いところがあるからね。

それは君もうすうす気づいてるだろ？

君をこうして監禁しているのもその証拠さ。

いつ君が自分のそばから離れるのか、絶えず不安なんだ。

それでも君は逃げ出そうとするのかい？

なるほど、それが君の答えか。

さすが、僕が惚れた男なだけあるよ。

脱走の手助けはしないが、心の中で応援させてもらうことにしよう。

いや、むしろ僕も君への監禁に協力する側になろう。

なんでそうなるんだって、決まっているだろう。僕も君を手放す気がないからさ。

おや、もう帰ってきたようだね。

さて、改めて彼女に挨拶をしなくては。

何を言うつもりだって…これまで彼女にやってきたことへの謝罪と、僕が君に惚れたことをさ。

ふふ、止めても無駄だよ。僕の覚悟はもう決まっている。

たとえ男同士というハードルがあっても関係ない。

大切なのは僕が君を好いているということだけだからね。

それじゃ、まずは彼女にしっかりと今の僕の気持ちを伝えないと。すべてはそこからだ。



ふう……あぁ、いや。みっともないところを見せてしまった。すまないね。

けどなんとか彼女には認めてもらえたよ。

同じ人間を好きな者同士、頑張ろうってことで話はついた。

あぁ、そういうことだから君をここから逃がすわけにはいかない。

そう、彼女の監禁計画に協力するってことさ。

君にとっては甚だ不本意なことかもしれないけどね。

(匂いを嗅ぐ)

それにしても…あのときは不快に感じたのに、今は君の匂いがとても素敵に感じる。

彼女にも許可はもらったしいいか。

(押し倒す)

これはなんの真似だって、もちろんこれから君の血を吸うのさ。

あぁ、本気だとも。今は君の血を吸いたくて吸いたくてたまらない。

やめないよ。これから君は僕のものになるんだからね。

それじゃ、ありがたくいただくとしようかな…

・台本（ゆるボイ！）
許嫁吸血鬼の改心(意味深
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎