自分のメイクに、自信のない女性を的確にアドバイスしてくれるお姐さん。
じつは男性演者さんにこそ読んでいただきたいまであります。

どうしたー??
明日、デートなんだろ。
どうした、そんなに暗い顔して。

(話に相槌を打つよう)はぁ、同期に…イエベ？かブルベ？かはっきりさせないとメイク爆沈するよって…か。
はー、要はデート前のクソバイスだ。
で、わたしのところにきた、と。

(怒り絶頂)だいたいなんだ、イエベだのブルベだのおたべだの！
美味いのか！
食えるのか？クソくらえ!!!
わたしは一度も気にしたことないね!!

(冷静に)…ん？ふむ、それは…メイクを失敗しないために大事なこと…だ、と。

なるほどねー、くすみが馴染んだり、目を印象的に見せたり…(少し考え込むように)ふーん…。

じゃあ、あなたは、このリップきっと似合うよ。
わたしのだけど、きれいなプラム色でしょ。
チークはこれ。薄付きで…でも、でも!!
パフで、つけるともっと血色感がでていいの！
夜のデートだったら、これくらい強めにきめてこ！
眉はキリッと涼しげに、アイライナーは猫の目を意識してしなやかにすぅーっと…アイカラーは…(嬉しそうに)悩ましいなぁ！マット感で艶と大人の雰囲気、こっちのアンニュイな色あいとグリッターのテクスチャが絶妙で…

(当惑する相手、暫しの間)　　

(不機嫌そうに)あん？何よ。
使ったことない色で心配？
(溜息)はぁー、「肌質の心配」とかじゃないわけね。
せっかくのデート、いつもどおりのメイクでいいわけ？
あなたのその憂鬱顔はいつものメイクで素敵に輝くのね？

……(強引だが、機嫌よく)ね、百貨店に行こう？
あなたを誰よりも完璧に可愛くして、デートに送り出すからね！

(少しの間、百貨店へ移動する二人)
(百貨店にて、コスメ売り場のスタッフへ)

すみません、この子、イエベだとかブルベだとか磯部だとかに呪われて自分の良さを見失っているんです。この子、明日デートなんで…ぴったりなコスメを見繕って頂けます？

(友人に)
美容部員さんにまかせておけば大丈夫！
私もほしいものあるから、あとで待ち合わせね！

(立ち去り際、友人にも聴こえるほどの声量で別の美容部員へ)
あの〜！ちょっと〜!!
探してるものがありまして。

今日、ここに来た美人が買っていったコスメ、全部わたしにくださる？

・台本（ゆるボイ！）
デート前日の女子がイエベブルベ問題に悩んでいるのをバッサバッサと解決してくれる姐さん
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
灰塔アニヤ