引越しの荷造りをしていたら突然、昔遊んでいた縫いぐるみが動き出し、自身をケット・シーと名乗り出した。今まで放置していた事に申し訳なさを感じつつ話は流れ、幼馴染の彼女を連れてケット・シーのマジックショーを鑑賞することに.....

おもちゃ箱を探る)

Peek a boo!!!

ねえねえ驚いた？あらら、驚かせ過ぎたかな？ごめんね！やあ！久しぶりだね！！あれあれ？覚えてない？

まあ、無理もないか。面識があるとはいえ君がまだものすっごく小さな頃だもんねー。君は覚えていないかもだけれど君が小さな頃ボクといっぱい遊んでいたんだよー？

そっか...覚えていないのか....じゃあ、改めて自己紹介が必要だね！ボクの名前はケット・シー！人間達からは猫の妖精とも呼ばれているんだ！改めてよろしくね！

ううん、縫いぐるみなんかじゃないよ！
ふふん、自分で言うのも何だけど縫いぐるみと間違えるくらい愛くるしい姿をしているでしょ！

ねえねえ！久しぶりだし、ボクと遊ぼうよ！ボクね、マジックが得意なんだ！君の反応がすっごく可愛いものだからボク、押し入れの中でずっと練習してたんだ！

(家のチャイムの音)

ん？誰か来たみたいだよ？どわっ！どうしたの？隠れてて？いや、ちょっと待ってよー！

ねえ...ずっと待ってたんだけど....どうしたの？幼馴染が来てた？......別にいいのに。それより....無理やり押し入れに押し込まないでよ....

ボクだってそんな事されたら昔の事を思い出して傷ついちゃうよ....いいよ。こっちこそごめんね。

.....あ、そうだ！今度、幼馴染さんを連れて来てよ！だって、ボクキミが幼馴染に出会った頃には押し入れの中にいたし。

一度会ってみたいと思っていたんだ！いいの？ありがとう！じゃあ、取っておきのマジックがあるから準備しなきゃ！

(数日後)

(ドアを開ける)

やあやあ！御機嫌よう！幼馴染さん！あはは、驚いた？そりゃ驚くか。ふふん、ボクの名前はケット・シー。猫の妖精だよ！

以後お見知りおきを！まあ、気軽にケットでも猫ちゃんとでも呼んでよ！うん？この家にいる理由？

ボクはね、元々この家のおじいさんと一緒に住んでたんだ！でも、おじいさんが倒れてからはずっとここでキミの幼馴染君と暮らしているんだ！

まま、そんな話はいいから2階に上がろう？幼馴染君が待っているよ！ボクはクッキーを焼いてから行くから待ってて！

お待たせ！クッキーが焼けたよ！さあ！2人とも召し上がれ！ふふん、美味しいでしょ。
さ、クッキーもいいけどボクのマジックを見てよ！まず最初は催眠マジックから！

ボクが指を鳴らした瞬間に二人は寝てしまうんだ。さ、ボクの指に注目して。いくよー。
せーのっ！

(指パッチン)

Ladies and Gentlemen!!

これからボクによるスーパーマジックショーを開催するよ！おとと、暴れないで暴れないで。

キミは眠っている間に縛ってあるから怪我しちゃうよ？幼馴染ちゃんかい？まあまあ、焦らない焦らない。言われなくても出すからさ。

Let's show time !!

さあさあ、まずは奇跡のイリュージョンマジック！イリュージョンに挑戦して頂くのは、この娘！ボクから彼を奪いボクが押し入れに入れられる原因になった1人！

この娘には、串刺火達磨脱出イリュージョンに挑戦してもらうよ！ほらほら、箱の中入って。暴れないでよ。

(扉を閉める音)

まずは、計12本ある剣でこの箱を刺していきます！ダメダメ、脱出マジックはもう始まってるもん！やめてあーげない。よいしょ。おっと、悲鳴が聞こえるね。中の子は大丈夫なのか！

(何本も剣を刺す)

おっと急に静かになったね！もしかしたらこの時点で脱出しているのかも！

じゃあ、箱に火をつけようか！

(箱が燃える音)

おっとと、危ない危ない。えへへ、綺麗だね。ボク、こうやってキミにボクのマジックを見てもらうのが夢だったんだ。

でも、キミは幼馴染のあの子と出会ってボクに構ってくれなくなった...ちょっとずるいよ....

でも、こうしてまたキミが戻ってきてくれた。だからさ、今まで一緒に遊べなかった時間、これからいーっぱい埋めようね？約束だよ？

・台本（ゆるボイ！）
ヤンデレな猫の妖精による狂気の脱出マジック
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
ドドめ