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吸血衝動で苦しんでいるハーフの吸血鬼をどうにかして助けたい
written by 松平蒼太郎
  • ファンタジー
  • シリアス
  • 純愛
  • 罵倒
  • 人外 / モンスター
  • 吸血鬼
  • ハーフ
  • 眷属化
  • 両思い
公開日2022年07月09日 21:07 更新日2022年07月09日 21:07
文字数
2058文字(約 6分52秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
男性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
ハーフの吸血鬼
視聴者役柄
人間
場所
某所
あらすじ
吸血鬼でありながら、ガンとして人の血を飲もうとしない知り合いの吸血鬼の男の子に、貴女は毎日人工血液を持っていって飲ませようとするが、うまくいかない。
そんなある日、貴女が彼の家を訪ねると、彼は吸血衝動で苦しんでいて…?
本編
お前…また来たのかよ。よく飽きねぇな。

何度も言ってんだろ。俺は人の血は吸わねぇ。

無理なんてしてない。俺は吸血鬼じゃなくて、人間だ。人間であろうって決めたんだ。

要らねえよ、人工血液なんて。普通の食事で足りる。

痩せてるのは元々だよ。栄養不足なんかじゃねえ。

…なぁ、なら逆に聞くけどさ、なんで俺にそんな血飲ませたがるわけ?

勝手なこと言うなよ…てか、知ったふうな口聞くんじゃねぇ。

俺、もうすぐこの街出てくから。お前ともお別れだな。

まぁな。お前、ストーカーみたいで鬱陶しかったし。迷惑な奴が近くにいなくなるって思うと、せいせいする。

(主人公、立ち去る)

バカが…俺なんかに構うから、傷つくんだよ。最初からほっときゃよかったのに…

…あー、クソ。なんか雨降りそう。さっさと帰らねえとな…





(荒い息)

くそっ…!なんか間隔が短くなってきてやがる…!

しかもなんで…家に籠ってんのに吸血衝動が…!

違う…違う違う!俺は人間だ…!吸血鬼なんてバケモンじゃない…!

俺は…あんな奴とは違う…!人の生き血吸って喜んでるようなバケモンなんかじゃ…!

(インターホン)

誰だよ、こんな時に…クソしんどいってのに…

…まぁ居留守つかえばいいか。どうせ新聞屋かなんかだろ…

(ドアが開いて主人公が入ってくる)

お前…何勝手に人ん家に入ってきてんだよ…

別に…何もねえよ。ちょっと身体の調子が悪いだけだ。

はぁ?誰が嘘つきだって?

(抱きしめられる)

何の真似だよ…離せよ…

…相変わらず知ったふうな口聞くんだな。

なんでそこまで俺に構うんだよ…俺はお前に何もしてねぇのに…

助けたって…俺がお前をか?いつの話だよ…

…忘れたよ、そんなこと。これっぽっちも覚えてねぇ。

それは…あの時のお前が惨めすぎて見てられなかっただけで……あっ…

誘導尋問とか卑怯かよ。乗せられちまったじゃねえか…

はいはい…覚えてるよ、一応。

お前が仲間内からいじめられてた時だろ?あの時のお前、今とは比べ物にならないくらい、目が死んでたもんな。

ほっといたらそのまま死ぬんじゃないかって…そう思ってたら、なんかムカついて…

あぁ、ムカついた。自分が世界で一番不幸だってツラしてたから。

でも流石に吸血鬼の力でビンタはキツすぎたよな。すまん。

うぐ…昔のことを引き合いに出して、要求飲まそうとしてくんじゃねえよ。卑怯だぞ。

…?今度は何だよ…急に真面目な顔して…

それは…お前には関係ないだろ。

は?なに……ッ!

(ビンタされる)

…いきなりビンタとか、俺に喧嘩売ってんのか?

…ッ、だからそれは…!

〜〜ッッ!あぁ、もう!分かったよ!話せばいいんだろ、話せば!

お前も知っての通り、俺は人間と吸血鬼のハーフなんだけど…

親父の方が吸血鬼だったんだけど、それがとんでもないクズでさ…

おふくろを死ぬ寸前まで吸血するわ、その辺の人間の女を家に連れ込んでは、片っ端から吸血しまくるわで、最悪な奴で…

俺はあんな風にはならないって…吸血鬼にはならないって決めたんだ。

人間として生きるって…そう決めたはずなのに…

吸血衝動がさ、最近激しくて…外に出たら、絶対誰かを襲っちまうから…ずっと家にこもってて…

俺、やっぱり人間にはなれねえのかな…吸血鬼として、バケモンとして生きるしかねえのかな…

(主人公、首元をはだける)

…は?お前、何やって…⁉︎ てか、首元隠せよ!

何言ってんだよ…!俺がいつ、お前のこと吸血したいっつった⁉︎

でも…俺は親父みたいになりたくない…!あんな血を吸うだけのバケモンには…!

大丈夫って…なんでそんなこと、自信満々に言えんだよ…

お前、いくらなんでもお人好し過ぎんだろ…たかが一回助けられたくらいで…

…ホントにいいのか?下手すると、そのまま眷属にしちまうかも…

分かったよ。俺の負けだ。それにどうも…限界、みたいだし…

(押し倒す)

なぁ…急にこんなこと聞くのは虫が良すぎるかもしれねえけどさ、俺の隣に一生居てくれる?

はは…即答、かよ。ホント敵わねえや、お前には…

ありがとな…俺のこと、受け入れてくれて。

それから前は酷いこと言ってごめん。お前を遠ざけるためとはいえ、言い過ぎた。

あぁ…親父みたいにはならない。絶対に。

俺は…人間で、吸血鬼だ。

だから…お前のことは大切にする。

お前が俺を大切にしてくれたみたいに…

少しでも痛かったら言ってくれよ?頑張って優しくするから…

ありがとう…い、いただきます…

(吸血)





(荒い息)

だ、大丈夫か…?生きてる…?

よかった…!初めてだからやりすぎたのかと思って…!

(抱きしめる)

ごめんな…結局お前のこと、眷属にしちまった…

なんでお前がお礼言うんだよ…こっちは謝ってんのに…

ははっ…そう、だったな。一生隣に居てくれって頼んだのは俺の方だった…

うん、もう平気。吸血衝動もバッチリおさまったし、腹も満たされた。

その…こんな俺だけど、これからよろしくな?

へへっ…サンキュー。お前、いい奴だな。

キ、キス⁉︎ なんでいきなりそういう話すんだよ⁉︎

ぐっ…口だけはよく回る奴だな。いくぞ…

(キス)

どう…?こんなもんでいい?

そ、そっか…ならよかっt…

(キスされる)

お、お前なぁ…!不意打ちは卑怯だって…!

(ため息)

俺、お前に惚れたかもなぁ…

あー、うん…なんか一生敵わねえ気がする。

でも悪くない気分。今まで抱えてたもん、全部吐き出したみたいでスッキリした。

あぁ…お前のこと、ずっと大切にする。眷属として…恋人として、な?
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
吸血衝動で苦しんでいるハーフの吸血鬼をどうにかして助けたい
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
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