男子高校生三人が昼休憩に渡り廊下を眺めながらバカバカしい会話をしている。

登場人物
【鈴太郎（りんたろう）】
巨乳に夢見る健全な男子高校生。コミュ力は高く、顔も悪くはないが、背も高いわけでも、ずば抜けて何かができるわけでもない平凡男子。女の子には友達以上には見られないタイプ。モテない。
一人称はオレ

【爽（そう）】
鈴太郎の幼なじみ。背が高くおだやかでよく気がつく。5人兄弟の長男で年の離れた弟妹たちを可愛がっている。
鈴太郎のことを家族のように思っていて常に世話をやいている。その姿はまるでおかん。
モテるが、本人にその気がまるでない。
一人称は俺

【氷室（ひむろ）】
和菓子屋の息子で黒髪男子。普段は無愛想な自己中人間だが、仕事中（家業の手伝い）と好みの女性の前ではコロッと態度が変わる。
女性は三十歳を過ぎてから、という揺るぎない年上好きで、同級生にはクズ扱いされ、年上のお姉さんたちには好感は持たれるがかわいい坊やとしてしか見られず、相手にされない。
一人称は僕

昼休憩中の教室　窓際　晴れ　夏　
昼食を食べ終わった三人は一つの机に集まり、だらだらと談笑をしている。

【鈴太郎】「……夏っていいですよねぇ〜」

窓の外（渡り廊下）を通る女子生徒をウォッチングしながら、だらしなく笑みを浮かべる鈴太郎。
それを暑さのせいで不機嫌に下敷きで仰ぐ氷室と暑さを感じさせない爽やかな笑みを浮かべている爽。

【氷室】「どこがだよ、このくっそ暑いのにふざけんな」

【鈴太郎】「ちょ、キレ過ぎでしょ！？そりゃあ暑いよ！？暑いけどさ〜暑いからこそさ〜……こう、解放的になったりするじゃないの〜。薄着だったり、水着だったり〜」

【爽】「薄着といえば、鈴太郎は暑いからって最近クーラー強めにしてお腹出して寝てない？大丈夫？すぐにお腹壊すし、風邪引いちゃうんだから気をつけなきゃだめだよ？」

【氷室】「お前は鈴太郎の母ちゃんかよ」

【爽】「あ、氷室も気をつけてね」

【氷室】「ついでに心配いただきどーも」

【鈴太郎】「だー！！もう！！そういうのいらないから！クーラーは気をつけてるし！ちゃんと寝るときパジャマ着てるし！」

【爽】「それなら良かった」

【氷室】「普通だろ。どんだけ過保護なんだよ……」

【鈴太郎】「じゃなくて！ほら！夏の制服って、ちょっと透けてたりしてるじゃん！？冬の制服より胸のラインもよく見えて〜」

【爽】「本当に鈴太郎は下世話な話が好きだよね」

【氷室】「興味ない」

【鈴太郎】「興味持って！お前ら本当に男子高校生かよ……っ」

【氷室】「女は三十歳過ぎてからが華だから」

【爽】「君って年上の女性が好きだよね」

【氷室】「魅力ある女性が多いからな。爽こそモテるのに浮いた話の一つも聞かないが、お前の好みってどんな女なんだよ」

【爽】「ちょっと個人情報なので答えられないかな」

【氷室】「なんだよそれ」

【爽】「と、いうのは冗談で弟妹たちのお世話をすることが俺の生き甲斐だから、あいつらが結婚するまではそういうのはいいかな」

【氷室】「どんだけブラシスコンなんだよ」

【爽】「ブラシスコンって……」

【氷室】「ブラコンとシスコンをまとめてみた。ついでに鈴太郎コンも加えとくか？」

【鈴太郎】「なんでだよ！？」

【爽】「もちろん鈴太郎が結婚するのも見守るからね」

【氷室】「そんなことしたら一生ノー彼女、童貞ライフだぞ」

【鈴太郎】「失礼な！！明日にでも彼女できるし！！」

【氷室】「はっ（鼻で笑う）」

【爽】「あれ？鈴太郎って好きな子いたっけ？」

【鈴太郎】「オレが好きなのは全世界の可愛い女の子たちです！！ついでに言うと巨乳だと最高です！！！」

【氷室】「ないわ〜。お前がモテない理由がわかったわ。まあ、知ってたけど」

【爽】「頑張ってね、鈴太郎。俺は応援してるよ」

【鈴太郎】「モテないんじゃない！その時がきてないだけ！あっ！見た！？今、風でスカートが……っ！オレ今日めっちゃツイてる！」

窓から上半身を出す勢いで渡り廊下を通っている女子に食いつく鈴太郎と、眉をしかめて馬鹿にするような顔をしている氷室と微笑ましいとニコニコしている爽。

【氷室】「本当に馬鹿」

【爽】「まあ、鈴太郎が幸せそうで良かったよ」

【鈴太郎】「いやっほぅー！！」

【N鈴太郎】『暑い夏。解放的な夏。期待が高まるオレたちの夏はまだはじまったばかりだ』

・台本（ゆるボイ！）
男子高校生たちの他愛のない昼下り
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
春花菜