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召使いの美しい金髪エルフは愛しの旦那様を傷つける輩を許さない
written by 松平蒼太郎
  • ファンタジー
  • シリアス
  • ヤンデレ
  • エルフ
  • 狂愛
  • 召使い
  • 敬語
  • 金髪美女
公開日2023年01月29日 09:22 更新日2023年01月29日 09:22
文字数
2492文字(約 8分19秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
召使い
視聴者役柄
主人
場所
屋敷
あらすじ
とある大きな屋敷に一人で住んでいる魔法使いの男は、道端で美しい金髪のエルフを拾う。男は彼女を自分の召使いにし、彼女もまた拾ってもらった恩に報いるため、懸命に働く。男に心を開いていくようになった彼女だが、男が別の魔法使いに襲われた事件で、その狂気性が垣間見えてしまい…?
本編
あの…どこに、行くんですか…?わたしを連れて…


…家?誰の…?


貴方の、家…そこでわたしは何をすれば…


召使い…貴方にお仕えする、ということですか…?


なるほど…わかりました…


不束者ですが…どうかよろしくお願い致します…旦那様。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


お帰りなさいませ、旦那様。


その、上着…お預かりしてもよろしいですか…?


はい…こちらはわたしの方で干しておきますので…


え?あぁ、はい…片目でも召使いとしての業務に支障はありません。お気遣いなく…


…?あの、旦那様…一体何を…ひゃっ!


(片目が治る)


あ、れ…?見える…両目が、開いてる…!


どう、して…?わたし、こっちの目は失明したはず…


魔法…?旦那様は魔法使いであらせられたのですか…?


すごい、です…前より世界がはっきり見える…旦那様のお顔も…


あっ…すみません。主人の顔を召使いごときがジロジロ見るなんて無礼千万、ですよね…


…すみません。お気遣い、痛み入ります…


…えと、お風呂の準備ができてございますので、よろしければ…


はい…お夕食ももうすぐ出来上がりますので、その間に…


はい…お着替えもこちらで用意しておきますね。どうかごゆっくり…


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


あの…お夕食、お口に合いましたでしょうか…?


あ、ありがとうございます…お褒めに預かり、光栄です…


あの、差し出がましいようなのですが、一つ質問が…


はい…どうしてこのお屋敷には、わたし以外の召使いがいないのですか…?


わたしが、初めて…?それって…


これだけ大きなお屋敷に住みながら、身の回りのことは全部ご自分で…?


それは…これまでさぞ、大変だったでしょう…


あの…もう一つ、質問してもよろしいですか?


はい…どうしてわたしを拾い、雇ってくださったのですか…?


わたしより気立てのいい召使いは、それこそ探せばいくらでもいたはず…


よりによって、どうしてわたしなんか…


いえ…わたしなんか、ですよ…


グズで物覚えも悪くて、おまけにエルフのくせに魔法も碌に使えない。そんな役立たずのわたしをどうして…


あっ、はっ、はい…!申し訳ございません!


はい…自分を卑下することは、二度と致しません。どうかお許しを…


(主人に抱きしめられる)


あっ…旦那、様…


そんなふうに抱きしめられたら、旦那様が汚れてしまいます…


綺麗…?わたしが…?


あっ、あっ…その、もうその辺りで勘弁していただけませんか…!?わたしが悪かったですから…!


容姿をそこまで褒められたのは初めてなので…その、顔が火照ってしまいます…


ふふ…旦那様は女性を口説き落とすのが、お上手なのですね。


そんなこと言われたらわたしは貴方に…


…いえ。何でもございません。ただの独り言です。


さ、旦那様。もう夜も更けてきましたし、そろそろお休みになられてはいかがですか?


はい…おやすみなさい。どうか良い夢を…


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


あ、お帰りなさいませ。旦那さ…ッッ!?


(主人が玄関先で倒れる)


旦那様!?いかがされました!?


お身体の具合が悪いのですか!?どうかお気を確かに…!


えっ…?奪われたって、何を…?


魔力を、全て…?どこの誰に…?


他の魔法使い…なぜそんなことを…!?


旦那様…!もういいです!
これ以上喋らないでください!


あとのことはわたしがどうにかしますから…!


嫌です!旦那様を置いて逃げるなんてできません!


旦那様を見殺しにして生き永らえるくらいなら…わたしもここで死にます。旦那様と共に。


はい。出来損ないのエルフとして集落から追放されたわたしを拾ってくださったのは旦那様です。


魔法も碌に使えないわたしを、おそばに置いてくださったのは他ならぬ旦那様ですから…!


わたし、頑張りますから…


その魔法使いとやらが、魔力を奪っただけじゃ飽き足らず、旦那様のお命まで狙うというならば…わたしはそれを殺します。


いえ…だって許せませんから。


わたしの大事な旦那様から全てを奪おうとするなんて…


旦那様…貴方に拾われた時からわたしの命は貴方のものです。


ですからどうか…今はこの家に隠れていてください。


それが来たら、返り討ちにしますから…どんな手を使ってでも…


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


旦那様…わたし、やりましたよ…!


貴方を狙ってきた下劣な輩は排除致しました…!


非力なわたしでも…旦那様のお命が守れるんだって…!


大した魔法が使えなくても、旦那様のために戦えるんだって…!


旦那様…?どうされたのですか?そんなにお顔を引き攣らせて…


あぁ、ごめんなさい。ついはしゃぎすぎちゃって…あの下劣な輩の首、持ってきてしまいました。


床、汚れてしまいましたよね。すみません。あとできちんとお掃除致しますので。


…?旦那様?どうして泣いておられるのですか?


いえ…いいんです。旦那様のためならわたし、どれだけ血に汚れても構いません。


旦那様が気にすることは何もありません。血なんて洗えば済む話ですし。


え?そういう問題ですよね?


旦那様はわたしが血に汚れるのを気にしてくださったんですよね?だから洗えば済む話だと…


…いえ。それは違います、旦那様。


旦那様に比べたら、他の者の命など安いものです。


旦那様を害する者には容赦しません。


旦那様の敵はわたしの敵…だったら殺して排除するしかないでしょう?


旦那様はお優しいですから…ご自分の敵にまでつい情けをかけてしまうんですよね?


ですが、気にする必要はありません。


旦那様に危害を加えようとした時点で、その者は有罪。殺されても文句は言えません。


いい機会なので、はっきり申し上げますね。


わたし、旦那様のことを愛しています。


召使いとして…そして一人の女として。


旦那様が褒めてくださったこの金髪…今も切らずに伸ばしてるんですよ?


普段の言動から察するに、旦那様は髪の長い女性が好きだと思いましたので。


そしてこの青い瞳も…貴方は綺麗だと仰ってくれました。


元は片方しかなかったのに…旦那様がご自身の貴重な魔力を割いて、失明していた方を復活させてくれました。


このご恩は普段の働きで返しきれるものではございません。


もし、旦那様が望むのでしたら…そういうこと、シちゃってもいいんですよ?


わたし、旦那様にならどんなことをされても本望ですから。


旦那様…今目の前にいる女は完全に貴方のモノ。どのように扱ってくださっても構いません。


旦那様のお役に立てるよう頑張りますから…これからもどうかおそばに置いてください。ね?
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
召使いの美しい金髪エルフは愛しの旦那様を傷つける輩を許さない
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
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