邪教を信奉する聖女に闇堕ちを余儀なくされるお話。彼女の手により、目が見えなくなってしまった貴方は、絶望の淵に立たされながらも、彼女に寄りかかることしかできなくて…？

旅人様…このような夜更けにいかがされました？眠れないのですか？


いえ、わたしは…たまたま目が覚めて、貴方が外に出て行くのが見えたものですから…


…お悩み事があれば、聞きますよ？悩める子羊のお話を聞くのも、聖女の務めですから…


…ふむ、ふむ。なるほど。長年慕っている女性が他の男性と結婚してしまった、と。それはさぞ、お辛いでしょうね…


…！まぁ！それはいけません！自死などというのは、神から与えられた命を冒涜する行為！そのようなことを、決してなさってはいけません！


そうですね…それほどまでにお辛いなら、わたしに一つ策がございます。試してみる気はありますか？


簡単な話です…神から授かったこの力で、貴方に救いの手を差し伸べてご覧に入れます。まずは目を閉じて？わたしが上から手をかざしますので…


(上から手をかざす)


…目、開いてよろしいですよ？どうぞ…


ふふっ…目を開けても真っ暗ですか？周り、何も見えないでしょう？


ね？いかがです？光が全く差し込まない闇の世界…貴方はこの暗闇の中を、永遠に過ごしていくんです。そうすれば、例の彼女の姿を一生見なくて済むでしょう？


…どうしたのです？何を動揺しておいでですか？自分に振り向いてくれない女のことなど、さっさと忘れてしまいたいのではないですか？


憎き女の姿を見る目さえ失えば、自ずと彼女への未練も無くなっていく…これも全て、旅人様の為でございますよ？


無理はしなくてよろしいのです…嫌なことは全て闇で覆い隠してしまえばいい…我らが主もそれをお認めになっていますので、何も心配いりません。


あら、ご明察♡ 我らが主は闇を司る神にございます♡ この世界を闇に陥れることこそ、我らが主の教え♡ 貴方にも是非、この教えに従ってもらいたくって♡


そうですね…まずは盲目の状態に慣れていただきましょうか。真っ暗な世界に慣れるという意味で、早速わたしの感触を楽しんでいただきますね♡ ギュー♡


(抱きつく)


た・び・び・と・さん？わたし、以前より貴方のことはお慕い申し上げておりました…♡


貴方の纏う暗い雰囲気…人生への不条理に対するそこはかとない憎しみ…そんな陰気な貴方を見ては、己を慰めておりました♡ ふしだらな聖女で申し訳ございません♡


改めまして…想い人のご結婚、おめでとうございます♡ 貴方は失恋の傷を引きずったまま、わたしという沼にズブズブ浸かるしかなくなる…どれだけ嘆こうと、わたしに依存して生きるしかないんです♡


あ、顔はそっちじゃなくて、こっち♡ ンッ…///


(キス)


…ふぅ。わたしの魔力、受け取ってもらえました？全身に循環するのも時間の問題…回り切ったら最後、貴方の闇堕ちも完了です♡


うふふ…知りたいですか？具体的にご自分がどうなるか…


それはですね…わたしのことが好きで好きでたまらなくなってぇ、神への信仰心も最高潮に高まる状態になること、です♡


これ以上、現実の光を見る必要はありません…眩しすぎる光は目を潰してしまいますからね。そうなるくらいならいっそ、暗闇に身を浸してしまうのも一つの手である…そうは思いませんか？


ためらわないで…わたしを受け入れて？そうすれば、貴方はきっと今より楽になれるから…全部わたしに委ねて、楽になってしまいましょう？


(彼の方から抱きしめられる)


それでいいんです…目が見えない貴方が選ぶべき選択肢は実質一つしかないんですから。今夜は共に堕ちるところまで、堕ちてしまいましょう？うふふっ♪

・台本（ゆるボイ！）
【誘惑/異世界ファンタジー】暗黒聖女からもたらされた究極の闇
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎