0
【ホラー/ヤンデレ】終わりのない映画館で始まるラブロマンス
written by 松平蒼太郎
  • ホラー
  • 色仕掛け
  • お姉さん
  • ヤンデレ
  • 週刊記者
  • 映画館
  • 都市伝説
  • ボーイッシュ
公開日2024年09月04日 12:00 更新日2024年09月04日 12:00
文字数
1708文字(約 5分42秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
週刊記者の女性
視聴者役柄
オカルトライターの男性
場所
映画館
あらすじ
オカルトライターの男は巷で噂となっている『無人の映画館』の真相を確かめるべく、その場所に足を踏み入れる。

誰もいない客席に、延々と上演される謎の映画…それを何時間も見ているうちに、男は不思議な感覚に陥っていた。

そんな彼に一人の女性が声をかけてきた。彼女はオカルト系の取材をしている週刊記者であるという。彼女も男と同じく、映画館の真相を確かめに来たようだった。

しかし、男がその場から立ち去ろうとした瞬間、女性とは思えないほどの強い力で彼を押さえつけてきて…?
本編
や、お兄さん。お隣、失礼するよ。


(隣の席に腰を下ろす)


いやぁ、驚いたよ…まさか本当に無人の映画館だとはね。ここで会った人間は、お兄さんが初めてだよ。


ふふっ、まぁね。あ、わたし、こういう者なんだけど…


(名刺を手渡す)


そ。週刊記者。今はオカルト系をメインに取材してるんだ。よろしくね?


それにしてもこの映画館、ホント不思議だよね。


先が見えない廊下に、延々と続くスクリーン番号…まさに『終わりの存在しない映画館』って感じ。


適当に中に入ってみれば、誰も見ていない映画が上演されてるしで、不気味ったりゃありゃしない。


うん。お兄さんがここで初めて会った人間だね。ちょっぴり怖かったから、安心したよ。


そういえば、お兄さんはどうしてここにいるの?お兄さんもオカルトに興味があったりする感じ?


あ、そうなんだ。フリーのオカルトライターか。へぇ〜…


ふふ、なるほどね。それじゃあ、わたしたちは同じ穴のムジナってわけだ。改めて、同じオカルト仲間としてよろしく。


それで、お兄さんはこの映画館に入って、何か気づいたことはあった?どんな些細なことでもいいから教えてほしいんだ。


ん?あぁ、映画の内容ね…たしかに不思議だ。


なんで映画館の中の様子が映し出されてるんだろう…おまけに変なBGMまでついてるし。


んー…たしかにね。ストーリーもへったくれもないよね、この映画。


若い男女が喧嘩してるシーン…館内を子どもが泣きながら駆け回ってるシーン…おじさんが黙々とポップコーンを食べながら映画を見てるシーン…これには何か意味があるのかな?


……え?六時間?お兄さん、そんなに長時間、映画を見続けていたの?大丈夫?


そっか…ならいいけど。でもあまり無理はしちゃダメだよ?健康な身体こそ、活動の資本だからね。


あ、待って…せっかく会えたんだしさ、もう少しお話ししていこうよ。ねっ?


(女性とは思えない力で立ち上がろうとした男を座らせる)


…?どうしたの?そんな化け物を見るような目で…失礼しちゃうなー。


(彼の手をガッチリ握る)


ダメだよ…わたし、まだお兄さんのことは取材し足りないんだ…今、帰られると困る。


ね、知ってる?この映画館が現れた地域には、必ず行方不明者が出るって噂…


わたしもね?最初はホントに興味本位で入って、映画を見続けたんだ…


そしたら、なんて言うか…映画館から出られなくなっちゃって。いや、出方が分からなくなったっていう方が正しいかな?


そこでわたしは一つの仮説を立てた…無人に見えるこの映画館は、実は行方不明者が目に見えないだけで、そこかしこにいるんじゃないかって。


そして、今上映されてるこの映画は、その行方不明者の館内での行動を垂れ流したもの…


更に言うなら、この映画を見た者は、映画館そのものに取り込まれ、新たな映像のワンシーンとなる…どう?なかなか面白い仮説でしょ?


…もう遅いんだよ、お兄さんは。


六時間も同じような映像を見続けた時点で、すでにこの映画館に取り込まれてる…現に、どうやってここから出るか、分からなくなってるでしょ?


ふふ…どうせ出られないなら、少し楽しいことをシない?楽しくて、ちょっぴり気持ちいいことを、さ?


(彼の正面に回り込み、上からのしかかる)


ね、いいでしょ?わたし、一人でここにいる間、とっても寂しかったからさぁ…お兄さんにはこの寂しさを少しでも埋めてほしいんだ…


わたしのことが直接見えるお兄さんはとっても貴重だし…はは、ダメ元でも声はかけてみるものだね。


ふふ、そうだね…わたしたちのあられもない姿が上映されてしまうかもしれないね。


でも問題ないでしょ?一応ここ、形式上は『無人の映画館』なんだからさ…


ううん、それも問題ない。この映画館で、わたしの姿を肉眼で見れるのはお兄さんだけ…恋人として選ぶ理由なんて、それだけで十分だろう?


せっかく映画館の巨大スクリーンで上映されるんだ…タイトルでもつけてみようか?「オカルトが結んだ愛と情熱の絆」とかね?


ダサい?じゃあ映画のタイトルを考えるのは君に任せるよ…考えてる間、わたしは君の身体を隅から隅まで堪能させてもらうね♡


(彼の顔を両手で抱え込み、そっと口づけする)


ふぅ…/// さぁ、これから楽しい楽しい恋愛映画の始まりだ…///


見てる人たちが退屈しないよう、精一杯愛し合おうじゃないか…/// わたしだけの、恋人くん♡
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
【ホラー/ヤンデレ】終わりのない映画館で始まるラブロマンス
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
 pixivにてフリー台本を投稿しています。
 台本の創作は自由にやらせてもらっております。よろしくお願いします。
有償販売利用の条件
当サイトの利用規約に準ずる
利用実績(最大10件)
松平蒼太郎 の投稿台本(最大10件)