買い物の帰り、二人で寄り道をすることに。
たどり着いたのは、懐かしい思い出の場所でした。

…さむい。
マフラーしてても、風が冷たくて寒いよね～。
ねぇ、腕組むんじゃなくて、手、つなご？

えっ、なんでやなの？
ポケットから手、出したくないから？

大丈夫だよ、二人分の体温であったかくなるし。
むぅー…そんなにイヤなんだ？

あっ、じゃあ…これでどう？
手つないで…、上着のポケットに突っ込むの。
ふふっ。　これならあったかいでしょ？

ん…？　なんかポケットに入ってる…？
あーっ、カイロ持ってたんだ？
なんで言ってくれなかったの～？　私持ってないからすごい寒かったのにっ。

ズルいっ。
罰として、これは没収ですっ。　
ダメ～。　返さないもん。
このカイロはしばらく、私がもう片方の手で持っとくから。

ふぅ～、やっと両手あったかくなったぁ。

もー、ちゃんと家に着いたら返すってば。
ま、家に着いちゃったら、そもそも使わないけどね～。ふふっ。

そうだね～、この時期はちょっとの間エアコンついてないだけで、すぐ冷えちゃうもんね。
実はそう言うと思って、ちゃんと出かける前に予約入れといたんだよ？

ね、えらいでしょ～？　ほめてほめてっ。
えへへ…。

あっ、そうだ。
ちょっと寄りたいところあるんだけど、いい？
ううん、買い物じゃないよ。
うん、案内するから、一緒に来て？

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ふぅ…、ふぅ…っ。
階段あと少しで終わるから、頑張って。

…はい、到着っ。
この景色、覚えてる？

そう、昔この辺りは木がいっぱい生えてたの。
今はこの辺りも整備されちゃって綺麗になったけど、
小さい頃に二人でよく遊んだよね。

そうそう、キミが周り見ずどんどん奥に行くもんだから、二人で迷子になったりして。
私たち揃っておじさんたちによく怒られたよね。えへへ。

その頃は全然キミのこと意識することなんてなかったけど、
まさかこうやって一緒になるなんてね。

えっ、なぁに、急に？
…今更何言ってんの。　キミと二人一緒になったのは、私が望んだことなんだから。
それに、厳密に言えば、もう二人じゃないしね。

…頼りにしてるからね、パパ。

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少し寄り道して
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