春から大学生になる君。
同じアパートに住む姉が、引越しを手伝ってくれます。

よいしょっ、っと。
これで段ボールは一通り？

そかそか、じゃあこっからは開封作業だね。
さて、と。　疲れたでしょ？　少し休憩しない？
ちょっと待ってて。

えーと、…あったあった。
はい、これ。　スポーツドリンク。
汗かいてるから、水分はしっかり補給しないとね。

あたし？　あたしはさっき運んでる間に飲んだから大丈夫。

ん？　手伝い？　あぁ、いいよ気にしなくて。
あたし、妙に友達から力仕事で駆り出されることが多くてさ。
そう、元々力あるほうでもないのに。

んで、そうやって手伝いしてるうちに、こういうのも慣れちゃったってわけ。
だから引越しの手伝いくらい、どうってことないよ。
まぁ、流石に男手が必要なものとかは無理だけどね～。

それにしても、まさかホントにあたしと同じアパートに引っ越すことになるとはね～。
ま、母さんが引越し先を選ぶ時点で、なんとなく予想はしてたけどね。
初めての一人暮らしなんだから、何かわかんないことあったら、遠慮なくあたしに訊きなよ？
母さんからも頼まれてるしね。

それこそ、「一人が怖くて寝れない～」、とかでもいいからね？
その時は、あたしが一緒に寝てあげるから…なーんて。
…あははっ、ムキになっちゃって。　もちろん冗談だって。

…あぁ、そうだ。　これ。
こっちに越してきたばかりだし、色々もの要りでしょ？
いいのいいの、気にしなくて。
姉ちゃんからの引越し祝いってことで、遠慮なくもらっときなって。

そういえばここ、間取りは同じなのに、結構綺麗な部屋だよね。
リフォームしたのかな？

いいな～、綺麗な部屋。　あたしも住みたいな。
…そうだ、これからちょくちょくここに遊びに来てもいい？

春からは大学生になるんだしさ、
暇なときはあたしに付き合ってよ。
だって大学なら講義ない日とか、暇でしょ？　ふふっ。

んー？
彼氏？　あたしに？
居ない居ない。　大体、今どきはおとなしい子のほうが人気なのに、
こんなサバサバした女なんて誰も興味ないでしょ。

ま、いつかは、とは思ってるけどね～。
今は興味ないかな。　仕事とか、他にやりたいこともあるし。

さ、いつまでも話してばかりじゃ終わらないし、
残りの作業、パパっと済ませちゃおっか。

・台本（ゆるボイ！）
引越しを手伝ってくれる姉
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・台本制作者
のみやま