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化けてでも、アナタの元へ
written by のみやま
  • ヤンデレ
  • 人外 / モンスター
  • 切ない
公開日2021年06月05日 18:00 更新日2021年06月05日 18:00
文字数
1197文字(約 4分0秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
指定なし
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
引越し先でペットを飼うことができず、
泣く泣く猫を捨てたアナタ。
それでもアナタのことが忘れられず、姿を変えて戻ってきてくれました。
本編
おかえり。
ふふっ。 びっくりした顔。

誰…って、
あれ、アタシのことわかんないの?

これこれ、この首輪。 見覚え無いとは言わせないよ?
だってこれ、アナタが買ってくれたものだもんね。

そ、アタシはアナタの飼い猫。
まぁ、少し前にアナタに捨てられちゃったけど。

あぁ、謝らなくていいよ。
事情はアタシも分かってるし。
引越し先がペットダメだったんだよね?

うん、だからこうやって生まれ変わったの。

「どうしてそこまで」?
…ふふっ、アナタって鈍いなぁ。
まぁ、その鈍さが可愛くて好きだったんだけど。

アタシが野生だった頃、
誰からもエサをもらえずに、やせ細って死んじゃいそうな時。

アタシに気付いてくれたアナタは、
次の日から毎日エサをくれて、頭を撫でてくれて。
命尽きる寸前だったアタシにとっては、命の恩人だった。

それからしばらくして行き場の無かったアタシを、
アナタは拾って、家に上げてくれた。

想像さえしなかった。
「ここにいていいんだよ」って言ってもらえること。
毎日、愛情込めて面倒を見てもらえること。

アナタのおかげで、
アタシの生活はキラキラしてた。

こうやってアナタの元へ帰ってきたのは、
恩返しをするため。
これまでずっとお世話してくれた分、
アタシがこれからアナタにお返しをしたかった。

ううん…。
そんな義務感じゃない。

アタシもアナタを好きになったから。
この気持ちをアナタに伝えたかったから。

大好き。 アナタのことが好き。

…。
……。

どうして、そんな暗い顔なの…?
もしかして、迷惑だった?

…えっ。
彼女が…できた…?

嘘…でしょ?
じゃあ、時々スマホ見て嬉しそうにしてたのは…。
彼女と…やりとりしてたから…?

…。

やだ…。 イヤだイヤだっ。
そんなの認めないっ。

アタシはっ。
アナタとずぅーっと一緒に過ごしてきた。

一緒にご飯食べて。
一緒にお昼寝して。
水は苦手だったけど、お風呂で身体を洗ってもらったりして。

そんな毎日が、無くなるなんて耐えられないっ…。

ねぇ…今すぐ別れてよ。
付き合ってまだ数日でしょ?

ほら…スマホ貸して。
どうして躊躇うの?

(倒れこむ音)

…ふふっ。
捕まっちゃったね。
瞬発力は、やっぱりアタシのほうが上。

ホントはね…アタシ一回死んでるの。
そう、アナタに捨てられてから。

あれからアタシを拾ってくれる人はやっぱりいなくて。
今度こそホントに死んじゃった。

でも、やっぱりアナタの傍にいたかった。

これでも大変だったんだよ?
神様に必死で、「人の姿にしてください」ってお願いして。
そうしてやっと生まれ変わることができた。
だから、こんなところで立ち止まっていられないの…。

顔、すごく近いね…。
ふふっ。 やっぱり近くで見ると可愛い顔してる…。
大好き…っ。

(キス)

あれ、もしかしてキスは初めてだった…?
すっごい顔真っ赤。
じゃあ、彼女よりも先越しちゃった。 えへへ…。

もう少しこうしてたいけど、まずはキミのスマホを…っと。
じゃあ、お別れの言葉打っちゃうね?

…よし。

ふふっ。 これでやーっと、アナタはアタシだけのもの…。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
化けてでも、アナタの元へ
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
のみやま
ライター情報
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