今まで接点の無かったクラスメイトから声をかけられて。
お願いがあると言われて屋上へ…。

ねぇキミ、ちょっといいかな？
…って、そんなにビックリしなくても。

ちょっとお願いがあって、さ。
ここじゃ話しづらいから、場所変えたいんだ。
うん、それじゃ、こっち。　ついてきて。

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ふぅ。　ここなら誰もいない…かな。
ごめんね、屋上まで来てもらっちゃって。

そうだ、お願いの前に、一つ確認しておきたいんだけどさ。

キミ、好きな子いるでしょ？

ふふっ。　動揺してる…。
なんでわかったか？　それはねぇ…。

（耳元で）
キミが考えてること、ぜーんぶ読めちゃうからなんだ…。

実は私ね、テレパシーが使えるの。
そう、口にせずに伝えることもできるんだけど、
逆に相手の考えてることもわかっちゃうわけ。

キミって授業中、その子のこと、ずーっと考えてるでしょ？
「美人」「かわいい」「好き」って。

あと、「胸が大きい」とか考えてる。
確かにあの子の、大きいもんね～。　私も羨ましいや。
ふふっ、図星みたいだね…？

…へぇー、これ、ハッタリで言ってると思ってるんだ？

じゃあ、証明してあげよっか。　私の能力。
はいっ。　ここにトランプカードがあります。
一枚引いてみて。

うん、じゃあ何引いたか確認して。
…ふむ。　ハートの6、だね？

…ふふっ。　当たりでしょ？
んー？　手品なわけないよ。

じゃあはい、残りのカード全部渡すから、
好きなの一枚選んで、こっそり確認してみて。

んー…。
スペードのJ。
次は…クローバーの2。
ハートのKに…ダイヤの8。

どう？　まだ続けてみる…？
ふふっ。　ようやく信じてくれたんだね。

さて、キミの秘密を暴いたところで、
本題のお願い。　もちろん聞いてくれるよね…？

（耳元で）
キミがあの子のこと好き、って、クラスの皆にバラされたくないもんね…？

ふふっ、そう。
最初からキミの拒否権は無かった、ってこと。
だから…お願いよりも命令に近いかなぁ…なーんて。

…えっと、ここまで来て、言うのちょっと恥ずかしいんだけどさ…。

…私に勉強、教えてくれない…？

いや～、実は来週のテスト、全然勉強できてなくて。
赤点取っちゃって補習、ってのは避けたいんだよね～。

ん？　顔真っ赤だけど、何か期待してた？
あらら、ムキになっちゃって…。

それで、お願いは聞いてくれるのかな？
ま、聞くしかないよね…？

それじゃ、今日から早速教えてもらっちゃおうかな～。
放課後、教室に残っててよねー？

これからよろしくね…彼女いない歴＝年齢くん。
…ふふっ。

・台本（ゆるボイ！）
密かな恋心をクラスメイトに知られてしまいました。
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
のみやま