0
不思議系彼女が、首元を見ている訳
written by チョンマー
  • 甘々
  • カップル
  • 恋人同士
  • 純愛
  • 不思議系
  • 彼女
公開日2024年11月24日 22:27 更新日2024年11月24日 22:27
文字数
1821文字(約 6分5秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
彼女
視聴者役柄
彼氏
場所
彼氏の家
あらすじ
僕の彼女は、どこか不思議系というか、電波系というか。一風変わったところがある。
そういうところも、僕は好きなのだけれど。

今日も彼女とのひと時を過ごしているときに、ふと、視線が首元に向いているのに気づいて……
本編
じーっ。


んっ? 何をそんなにじろじろ見ているのかって?
君の首元、見ていた。


何で首を見るのかって?

なんか、首元何もつけてないの、寂しいなーってそう思ったから。


うん、君、あんまりアクセサリーつけないでしょ?
腕のも、私とお揃いにしたものを買うまで、つけてなかったし。

せっかくだから、首にも何かつけてあげたいなーって、そう思って、じろじろ見てた。


えっ、そんなことないよ?
君の首、すらっとしていて、まるで女性みたいに細いけれど。
やっぱり喉ぼとけがあって、そういうところ男なんだなーって。

それとね、君がしゃべると、喉ぼとけが上下に動くの、なんか面白いなーって。
動いて当然なんだけど。


うん、面白いよ。
なんかこう、小動物を見ているみたいで。


やっぱ変わってるね……か。また言われちゃった。
私としては、別に変なことしてないつもりなんだけど。


君の喉を見ていてさ、少し気づいたんだけど。
君がしゃべるとき、喉ぼとけは上がったり下がったりしているの。抑揚とか、そういうのでかな? 私はよく分からないんだけど。
でもね、私の名前を呼んでくれるときは、いつも上がってる。

私ね、君が名前を呼んでくれるのが、結構好きなの。
いつも誰かと話しているときとは違って、優しい感じがして。
いつもはね、なんか、優しい声だなーとしか思ってなかったんだけど。もしかしたら、原因がはっきりしたかも。

君が名前を呼んでくれる時は、いつもとは違う声の出し方をしてくれてるんだよ。きっと。
それが多分、私の好きな、優しい声になっているんじゃないかなーって。


どうしたの? 顔真っ赤だよ?
恥ずかしいからやめてほしい? 私、何か恥ずかしいこと言ったかな?


分からないなら、気にしなくていいって、君がそういうなら、気にしないけれど。


なんで、こんな話になったんだっけ?
そうだ。君の首に、何かをつけてあげようってそういう話だった。
それで、君に似合いそうなネックレスを考えていたんだけど。

君の首、細いから。鎖は多分、小さいというか、細めの方が似合いそうだね。
あとは……下にどんなのがついてたらいいかな……。
リングはありきたり……星とか、月とか、君は好き?


どちらでもない。ふむ、困ったね。
せっかくなら、君の好きなものをつけてほしいな。


どうして、そんなにネックレスを渡そうとしているのか?
えっ、だって。今度、君の誕生日じゃん。プレゼントを考えていたんだよ。


あっ、言っちゃった……。

あーあ、失敗しちゃった。せっかく、こっそりと好みのネックレスを渡そうと思っていたのに。残念。


そうだよ。君への誕生日プレゼント。
誕生日なら、君の友達から聞いたよ。

初めはね、君の好きなものを渡そうってそう思っていたの。やっぱり、誕生日プレゼントって、相手に喜んでもらってこそだと思うから。
だから、駄菓子屋さんをたくさん巡って、いろんな種類の駄菓子を買って、駄菓子詰め合わせセットをプレゼント―、なんて考えていたんだけど、私の友達に止められてさ。

せっかくの恋人へのプレゼントがそんなのだなんて、ムードがなさすぎるって。
それもそっかって思ったから、今度は、君にいつも身に着けてもらえるようなものを渡そうって思ったの。
それで、腕はお揃いのものをつけてもらってるし、ピアスは怖いって言ってたから、それなら、イヤリングか、ネックレスかなって。

それで、今日、君の喉元ずっと見ていて。
君の首元が寂しいなって思ったから、ネックレスを渡すことに決めたんだけど。

そしたら、君の首が綺麗だなーとか、喉ぼとけの動きが面白いなーとか、どんな時に上がって、どんな時に下がってるのかなって観察してて……。


あっ、ごめん。話脱線しちゃった。

とにかくね。プレゼント、渡したいの。

変わってるってよく言われる私と、一緒にいてくれてること、すごく感謝してるし、これからも、もっとずっと一緒に居たいから。

だから、その気持ちを込めて。


そうだね。全部言っちゃった。
本当は、君に渡すときに言わないといけないはずなのにね。

ごめんね。


ふふっ、ありがとう。君は優しいね。
その証拠に、「いいよ」って言った時の君の喉ぼとけ、上がってた。

きっと、優しい気持ちの時も、君の喉ぼとけって上がるんだよ。


うん、そうだね。今度、二人で行こうか。君に似合いそうなネックレスを探しに。
ふふっ、楽しみ。


んっ、何?


ふふっ、どういたしまして。

やっぱり、私を呼ぶときは、喉ぼとけ上がってた。
これからもたくさん、名前を呼んでね。
私の大好きな、優しいあの声で、ねっ?
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
不思議系彼女が、首元を見ている訳
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
チョンマー
ライター情報
pixivでフリー台本を書いています。
甘々な話も、ちょっとエモいお話も、どっちも好きで書いています。
元々小説畑の人間なので、どこか物語染みてるところがあるかも……。
有償販売利用の条件
当サイトの利用規約に準ずる
利用実績(最大10件)
チョンマー の投稿台本(最大10件)