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【SCP風】SCP-████-JP 『2人だけの世界』
written by 平 朝臣
  • シリアス
  • ファンタジー
  • ホラー
  • SF
  • ヤンデレ
  • サイコパス
  • 博士
  • 研究者
  • SCP
公開日2025年01月04日 11:26 更新日2025年01月04日 11:37
文字数
3649文字(約 12分10秒)
推奨音声形式
バイノーラル
推奨演者性別
指定なし
演者人数
1 人
演者役柄
博士(SCP-████-JP-Y)
視聴者役柄
SCP-████-JP
場所
SCP財団の収容施設
あらすじ
ある日、とある秘密組織によって拉致されたリスナーは、SCP-████-JPとナンバリング・収容されてしまう。
そして、██博士と名乗る人物にインタビューされるが……。

注:文中のSCP風にまとめた報告書にあたる部分は、使用に際して音読していただく必要はございません。
本編
注:文中の<録音開始>から<録音終了>までの部分が台本にあたります。また、台本中の()内は心の声なので、エコーエフェクト推奨です


アイテム番号: SCP-████-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロコトル: SCP-████-JPはサイト-███の特殊収容棟にあるヒト型生物収容室に留置します。現在、SCP-████-JPは非常に強いショックを受けているため、1週間の猶予を与えた後に、██博士によるインタビューを実施します。

SCP-████-JPのインタビュー記録

インタビュアー: ██博士

対象: SCP-████-JP

<録音開始>

SE:鉄の扉の重い開閉音

SE:コツコツとゆっくり歩み寄る足音

SE:パイプ椅子に腰かける音

#冷静な声で

……それではインタビューを開始します。

まずは、あなたの生い立ちについて、お尋ねいたします。

SE:ペンを走らせる音

……なるほど、わかりました。

SE:ペンを走らせる音が止まる

次に、最近あなたの周りで起こった出来事について、説明していただけますか?

SE:ペンを走らせる音

……ふむ。

知り合いの異性があなたに異常なまでの愛情を示し、互いに刃傷沙汰にまで発展するケースが多発している、と……。

それについて、何か心当たりはありませんか?

たとえば、一時的にでも、複数人と関係を持ったことは……。

SE:ペンを走らせる音が止まる

……そんなことはなかった?

しかし、これはあきらかに、痴情のもつれによるものと推測されます。

実は、他に隠していることがおありでは?

#あきれたように

……はぁ~、わかりました。

SE:パイプ椅子から立ち上がる音

#途中まで言いかける

では、今回のインタビューは、ここまでとさせて……っ。

……いつになったら、ここを出られるか教えて欲しい……ですか。

それは、私にも分かりません。

なぜなら、ここは普通の警察機関ではなく、自然法則を逸脱した異常存在オブジェクトを確保・収容・保護するために作られた財団の施設だからなんです。

そのため、上層部が危険ではないと判断するまで、あなたを解放することはできません。

もし、解放されたとしても、情報漏洩を防ぐために記憶処理を施された上で、生涯に渡って財団の監視を受けることになるでしょう。

#途中まで言いかけて突然こめかみをおさえる

残念ですが、それを受け入れてもらう他には……っ!?

SE:ノイズが走る音

(なんなの、今のは……いきなり、頭に何かが流し込まれたような感覚が襲ってきて……)

(それに、どうしてなの……?)

(目の前のオブジェクトに……この人に対して、憐憫 れんびんの情が湧いてきてしまうのは……)

(何らかの認識災害か情報災害……あるいは、ミーム汚染?)

(どちらにせよ、一刻も早くここから離脱しなくては……!)

#焦りながら

と、とにかく、今回の報告書をまとめるために、わたしは一旦帰らせてもらうわ。

SE:パイプ椅子から急いで立ち上がる音

#慌てながら

っ……ちょ、ちょっと!?

なにしてるのよ、あなた!

泣きながら、しがみつかないで……!

SE:ノイズが走る音

#懇願するように

や、やめて……お願い……!

SE:ノイズが走る音

#徐々に声が小さくなるように

頭が、おかしく……なり……。

SE:ノイズが走る音

#しばしの沈黙

……。

#突然不気味に笑い出す

ふふっ、ふふふ……あはははっ!

SE:衣服が擦れる音

#左耳 10cm 小声

#ハイライトの消えた目で恍惚とした笑みを浮かべながら

あら、どうしたの……?

そんな怯えた表情をしちゃって……。

くすっ……なにも心配する必要はないわ……。

あなたのお望み通り、ここから出してあげる……。

SE:衣服が擦れる音

#正面 通常距離

でも、その前に……。

SE:銃器を構える音

この邪魔者達を、始末しなくちゃいけないわね。

くすくす……あなたは、そこで見てるだけでいいわ。

だって、今の私なら、負ける気がしないもの。

SE:銃撃音

SE:流血音

うふふ……他愛もないわね。

それじゃ、さっさと行きましょうか。

わたしの計算が正しければ数十分以内に、事態を把握した財団側が、専門の機動部隊を編成して送り込んでくるはずよ。

その前に、この施設から脱出する必要があるわ。

……どうしたの?

もしかして、不安?

くすっ……大丈夫よ。

わたしが、あなたを絶対に守ってあげるわ。

そして、いつか『2人だけの世界』を作って、そこで暮らしましょう?

いつまでも、いつまでも……ね……。

ふふっ、ふふふふ……。

SE:鉄の扉の重い開閉音

<録音終了>


────────────────────────────


アイテム番号: SCP-████-JP、SCP-████-JP-Y

オブジェクトクラス: Safe → Neutralized

特別収容プロトコル: SCP-████-JP、SCP-████-JP-Yは現在、サイト-███のヒト型生物収容棟に収容されています。事案████-Aを以て、SCP-████-JP、SCP-████-JP-Yの収容は完了したと見なされていますが、SCP-████-JPの能力の無効化は観察されていません。現在、SCP-████-JP、SCP-████-JP-Yは収容を受け入れているものの、恒久的な収容が可能かどうかについて倫理委員会が検討しています。

説明: SCP-████-JPは人間(本名████)であり、異性の人間をSCP-████-JPに対して常軌を逸したような愛情表現や執着心を示す人間(SCP-████-JP-1個体)に変化させる能力を持っています。この効果はSCP-████-JPが、対象となる異性を認識した場合に常に発生します。

SCP-████-JPは、SCP-████-JP-1個体の作成以外には何の異常効果も示していません。また、一度に存在し得るSCP-████-JP-1個体数の上限は判明していません。

SCP-████-JP-1個体は変化前に比べ、SCP-████-JP以外への攻撃性の増大が顕著になり、身体能力や知能指数の飛躍的な向上も確認されています。また、SCP-████-JPに対する独占欲も強化されており、SCP-████-JPが1回目に収容される以前に発生した複数の殺人事件は、SCP-████-JP-1個体同士によるSCP-████-JPの奪い合いであったと推測されます。

これらの調査結果は、事案████-A後に行われたDクラス職員による複数の実験によって証明されました。この報告を受けた財団は、SCP-████-JPに関わった全ての人間の記憶処理とSCP-████-JPの一般社会における公的記録の抹消を実施しました。

事案-████-A: SCP-████-JPにインタビューを行った██博士は、SCP-████-JPの影響を受けてSCP-████-JP-Yに変化しました。SCP-████-JP-Yはその場にいた警備員2名を瞬時に殺害し、SCP-████-JPを伴って脱走しました。その後、派遣された機動部隊もSCP-████-JP-Yによって退けられましたが、脱出を目前にした中で突如SCP-████-JPが投降しました。それを受けてSCP-████-JP-Yも投降し、両者は揃って収容されました。現在、倫理委員会が今後の対応を協議している間、SCP-████-JPとSCP-████-JP-Yは同じ収容棟に収容されることが許可されています。当該オブジェクトは、Neutralizedと見なされています。

補遺: SCP-████-JP-Yのインタビュー記録

インタビュアー: ███博士

対象: SCP-████-JP-Y

<録音開始>

SE:鉄の扉の重い開閉音

SE:コツコツとゆっくり歩み寄る足音

SE:パイプ椅子に腰かける音

#億劫そうに

はぁ……また、わたし?

これで何回目かしら……。

でも、今度は、Dクラス職員を使った実験ではないようね。

それで、今日はどんなことをするの?

……どうして、あの時投降したのか聞きたい……って……。

うふふ……そんなの簡単よ。

その方が楽に、『2人だけの世界』を作れると思ったからだわ。

確かに、無理矢理にでもあの場を突破すれば、彼と一緒に脱走することも可能だったけど、財団がそれを見逃すはずがないでしょう?

どこまで逃げても、財団側の追っ手がつきまとってくるに決まってるわ。

それに裏を返せば、財団がオブジェクトの確保・収容・保護を目的としている以上、彼とわたしを殺すことはまずあり得ないという確信もあったの。

だから、あえて投降することで、彼とわたしを収容“させた”のよ。

そうすれば、財団側の隔離と秘密保持によって、わたし以外の女は安易に近づけなくなるものね……くすくす……。

さて、と……質問は以上かしら?

……わたしの正体?

ふふっ……まさか、わたしが真のオブジェクトだと疑ってるのかしら?

でも、それは半分正しくて、半分間違ってるわ。

そもそも、彼とわたしのどちらかがオブジェクトだと思い込んでいることを、考え直した方がいいわね。

彼とわたし、2人合わせてなのか、あるいはそれ以上の概念としての異常現象アノマリーなのか……。

いずれにせよ、わたしが望む『2人だけの世界』が達成されれば、なにも言うことはないわ。

#凄みながら

けど、もしそれを邪魔立てするようなことがあれば、その時は……。

……くすっ……賢明な判断ね。

それじゃ、わたしはこれで失礼させてもらうわ。

これ以上、彼を待たせるわけにはいかないものね。

SE:パイプ椅子から立ち上がる音

SE:コツコツと遠ざかる足音

SE:鉄の扉の重い開閉音

<録音終了>
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
【SCP風】SCP-████-JP 『2人だけの世界』
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
平 朝臣
ライター情報
タイラ トモオミ
 初めまして。
 平朝臣と申します。
 ヤンデレを題材にしたシリアスな作品が多めですが、耳かき系も少数ながらありますので、どうぞお楽しみください。
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