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【日本神話/敬語女子】やたら手のかかる太陽神を天の岩戸から引きずり出してみた
written by 松平蒼太郎
  • ファンタジー
  • ツンデレ
  • 天照大御神
  • 日本神話
  • 引きこもり
  • 告白
  • 敬語
公開日2025年03月17日 18:12 更新日2025年03月17日 18:12
文字数
1726文字(約 5分46秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
天照大御神
視聴者役柄
人間の男
場所
高天原
あらすじ
弟の乱暴狼藉に心を痛め、天の岩戸に引きこもってしまった天照大御神を引っ張り出すお話。彼女の補佐役的立ち位置にいる貴方は、頑固な性格の彼女に呆れつつも、決して見捨てることはなくて…?
本編
ハァ…もぅ。あんなことになるなんて思いもしなかった…どうして、あんな…


(岩戸をノックされる)


…どちら様ですか?今は誰とも話す気分ではないので…


(ため息)


その声…また貴方ですか。いい加減、しつこいですよ。いったい、何様のつもりですか?


はぁ?俺様って…バカですか、貴方は。全くもって付き合いきれません…


…それ、今更聞きます?わたしが引きこもってる理由くらい、すでにご存知でしょう?


…その通りです。弟のスサノオがこの高天原(たかまがはら)で、数々の乱暴狼藉(らんぼうろうぜき)を働いて…


弟一人抑えることができないわたしには、この世界を治める資格などありません。


…ッ、貴方に何がわかるというのですか…!所詮、ただの人間でしかない貴方に…!


それ、は…しかし、わたしにはもう、どうしようもないんです…!


以前に弟とは誓約を交わしました…地上でも、この高天原でも、むやみやたらに武力を行使しないと。


ですが、弟はわたしとの約束をあっさり破りました…それも、口に出すのもはばかられるような悪行を…


だからこれ以上、わたしにできることはありません…この高天原から追放するのが、精一杯でした。


なっ…!そんなこととはなんですか!わたしは真剣に悩んで…!


く…!貴方という人は…!どこまで減らず口を叩けば気が済むんですか!


そうやって挑発して、わたしを引きずりだそうという魂胆なんでしょうが…そんな見え透いた手には乗りませんよ。


(男が岩戸を開けようと試みる)


……無駄です。この天の岩戸(あまのいわと)は、わたし以外には開けられません。


他の神々ですら開けられないというのに、人間の貴方が開けられるはずないでしょう?


分かったら、さっさと諦めてどこかに行ってください…今は貴方と話しをするのも、億劫(おっくう)ですから。


…知りません。世界が闇に包まれようと、わたしの知ったことではありませんから…


……は?え?今、なんと?


…!ウズメ(※アメノウズメノミコト)が、全裸踊り⁉︎ どこでですか⁉︎


(思わず岩戸を開けてしまい、引っ張り出される)


く…!あ、貴方、謀りましたね…⁉︎


う、うるさいです/// いいではないですか!


高天原で一、二を争うほどの美貌を持つ彼女が全裸で踊ってるなんて聞いたら、誰でも気になるでしょう⁉︎


〜〜〜ッッッ!あ、貴方って人は〜!


そこに直りなさい!わたしが一発、ぶん殴って差し上げます!


(鉄拳制裁を浴びせようとするが、逃げられる)


こっ、こら!待ちなさい!貴方、仮にも神に向かって無礼ですよ!待ちなさいったら!


(しばらく鬼ごっこ)


はー、はー…!やっと、捕まえました…!


さぁて…木っ端微塵になる覚悟はよろしいですか…⁉︎


べ、別に元気が出たわけでは…!貴方が無駄な挑発ばかりするから…!


…へっ?もうすでに手は打ってある…?それはどういうことですか?


…!弟に、八岐大蛇(やまたのおろち)の討伐を…⁉︎


ちょ、ちょっと待ってください…!


いくら弟が武勇に優れているとはいえ、あの最凶最悪の怪物を相手に勝てるとは思えません…!いくらなんでも無謀が過ぎます…!


な、何が大丈夫なんですか!楽観的なのもいい加減に…!


…策を、授けた?


そんな…あるっていうんですか?あの怪物を倒す方法が…


む……今は教えてくれないというんですね。貴方は意地悪です…


…まぁ、そうですね。貴方がそう言うのなら、信じてみます。弟の武運を…


うるさいです/// 弟離れができない姉みたいに言わないでください/// はっ倒しますよ///


……わかってます。自分が今からやるべきことぐらい。


一時的とはいえ、太陽神としての責務を放棄したわけですから。


地上の人々にも、高天原の神々にも、迷惑をかけたことをきちんと謝ってきます。


あっ…ま、待って!貴方にも伝えたいことが…!


お、お説教じゃありません!いえ、それも後でしますけど!


(咳払い)


その…ありがとうございました。わたしを岩戸の中から引っ張り出してくれて…


それで、えっと…普段の憎たらしい言動は、神として見過ごせませんが、その…貴方のそういうところも含めて、す、す、す…///


……えっ⁉︎ 今度こそウズメさんが全裸踊り⁉︎ どこですか⁉︎


……ちょっと!貴方また、わたしに嘘をつきました、ね…?


〜〜〜ッッッ!バッ、バカ〜〜〜!!!


いつの間にいなくなってんですか、あの人は!


せっかく神が勇気を出して、大切なことを伝えようとしたのに…!ホント何なんですか!


(ため息)


……バカ。ホントはわたしの気持ち、わかってるくせに…ズルイよ、もぅ。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
【日本神話/敬語女子】やたら手のかかる太陽神を天の岩戸から引きずり出してみた
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
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