旅の途中で尼寺に立ち寄ることになった男は、気がつけばそこに何日も滞在していた。どうやら、そこの尼さんから心地良いもてなしを受けていることが、男の脚を無意識に重くしている原因ようで…？

※八百比丘尼…不老不死の女性。見た目こそ普通の僧侶であるが、妖術を使えたり、人間の成人男性より数倍は怪力など、中身は立派に人外である。性欲も僧侶とは思えないくらい旺盛で、夜な夜な男を搾っていたりする。

旅人様…そろそろ座禅は終わりにして、お食事にしましょうか。


はい。すでに準備できておりますので、どうぞこちらへ…


(食事部屋へ案内する)


本日のお昼は鰻(うなぎ)にございます…どうぞ、お召し上がりください。


ふふ、贅沢などでは…実はわたくし、近くに知り合いの漁師がおりまして、彼女によく魚介類を譲ってもらっているんです。


あぁ、こちらの山芋もおすすめです。鰻と同様、滋養強壮の効果が高いんですよ？


えぇ、まぁ…日々の修行には、精力が欠かせませんから。たんとお食べください。


わたくし、ですか？わたくしは、旅人様もご存じの通り、八百比丘尼(やおびくに)ですから。食事がなくとも、生きていける身体ですので…


ですが…旅人様の食べるお姿は、大変好ましいので、こちらで見守らせていただきますね。どうか、ご遠慮なさらず…


(彼の食事をする姿を眺める)


…ふふ♪ 本当に美味しそうに食べられますね♪ 貴方のそういうところが、好きです♪


あらあら…そのように噴き出されては、お行儀が悪いですよ？


いえ、大丈夫です…机、すぐにお拭きしますので。


…え？あぁ、先ほど好きといったことですか？まぎれもなく、わたくしの本心ですよ。


はい。旅人様にはずっとこの尼寺にいてもらいたいと思っているぐらいですから…


理由などございません。わたくしはただ、御仏(みほとけ)の心にかなった生き方を実践するだけ…僧侶として生きることを決意した、わたくしの思いにございます。


えぇ、もちろん。たとえ尼になろうと、殿方に恋焦がれるのは、女として当然の定め…その心に嘘をつくことなど、決して致しません。


旅人様は、いかがでしょう…？わたくしのような女は、お嫌い…？


あぁ、そうですか…/// よかった、今のお言葉を聞いて、心の底から安心いたしました///


旅人様はこの霧が深く立ちのぼる尼寺に、お一人で立ち寄ってくださいました…これを運命と呼ばずして何と呼びましょう？


貴方さえよろしければ、ずっとこの尼寺に滞在しませんか…？無理に出家しろとまでは申し上げませんので…


そう、ですか…それは残念です。近いうちにここを発(た)たれてしまうのですね…


あ、はい…食事のお片づけはこちらでしておきますので…旅人様は、ごゆるりとおくつろぎください。わたくしは一旦、下がらせていただきます…


(食器を片して、彼の元へ戻る)


旅人様、午後の修行について少しお話が……あら？


……お眠りになられておりますね。いけません、このようなところで…それもお腹を出しながら眠るなんて。お風邪を引いてしまいますよ？


(馬乗りになる)


ハァ、ハァ…♡ こうなれば、仕方ありません…♡ 旅人様が風邪をひかぬよう、わたくしの人肌で温めてあげなくては…♡


えぇ、これは致し方のないこと…♡ 全ては旅人様の健康のため、ひいては、御仏への信仰を守るため…♡ 自らの女としての欲に、正直にならねば…♡


申し訳ございません、旅人様…♡ まさか、お食事に盛った安眠薬にこれほどの効果があるとは、思いも寄りませんでした…♡


(耳元に口を近づけて囁く)


ほら…こうして至近距離で囁いても、眼を覚まされませんね…♡ そのように無防備であられると、我慢できなくなっちゃいますよ…？///


(キス)


ハァ…/// ホントに、ぐっすり/// このように唇を合わせても、起きないなんて///


修行で疲れていたのでしょうか？でしたら、わたくしが責任持って、癒して差し上げねば///


身体できちんと説明すれば、貴方もきっと分かってくださるはず…


身体がわたくしの感覚を覚えてくだされば、ここから出て行こうとは思わなくなりますよね…？


日々の修行と不老不死の肉体…この二つのおかげで、肉体の強度には自信がありますから。


無論、貴方が望むのなら、その内に溜まった情欲をも受け止めてみせますので…///


未熟な女ではありますが、どうかよろしくお願いしますね？/// わたくしだけの、貴方様♡

・台本（ゆるボイ！）
【人外/和風ファンタジー】性欲旺盛な尼さんは手段を選ばない
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎