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命を救ってくれた守護天使に、一目惚れした話
written by チョンマー
  • 告白
  • ファンタジー
  • 片思い
  • 人外 / モンスター
  • 天使
  • 一目惚れ
公開日2025年06月08日 21:33 更新日2025年06月08日 21:33
文字数
2118文字(約 7分4秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
守護天使
視聴者役柄
男性
場所
夜の公園
あらすじ
僕は、命を救われた。目の前の、守護天使様に。
そして、僕は恋に落ちた。目の前の、守護天使様に。

命を救われたというのも、理由の一つではあるけれど。
あまりにも、顔がタイプだったのだ。
それもあって、命を助けてそのまま去ろうとする彼女を呼び止めて……。
本編
ねえ、自分が何を言っているのか、分かっているのですか?


いや、分かってない。分かっていたらそんなことを口にするはずがない。

私のことが好きとか、そういうの、やめてください。


当たり前です。私がどういう存在なのかあなたにはお伝えしたでしょう?
守護天使。守り神。守護霊。好きなように考えて貰って構いませんが、私はそういう存在。
人を護る。私の存在意義はそれ以外にはありません。

今回は、私の力が封じられていた腕輪を偶然あなたが手にして、あなたに命の危機が迫ったから助けた。それだけです。

だから、そんな感情を私に向けないでください。
向けられても、私からは、何も返すことができません。


そもそも。私は基本実体を持ちません。人を護る時には姿を見せますし、実体も持ちますが、基本は目に見えないし、触れもできない存在です。
そして、その腕輪の持ち主にしか、私の姿は見えないですし、声も聞こえません。

今、人通りもほとんどない真夜中の公園で、こうして話をしていますが。
周りから見れば、今のあなたは虚空に向かって話しかけている、言葉を選ばずに言えば、頭のおかしい人ですよ。


意味が分からないです。
私の姿が、他の人に見えないのがむしろ好都合だなんて。


変なこと考えないでくださいよ。
私が、他の人に取られるだなんて。

大丈夫です。あなたが自分の意志で、その腕輪を他人に譲渡しない限り、私はあなたのそばから離れることはしませんから。


そんな安心するようなことだったのですか?
……ほんと、あなたの考えていることは、よく分からないです。

話を戻しますよ。
さっきも言ったように、本来は、腕輪の持ち主とはいえ、命の危機でもないのに、こうして姿を見せていることがあり得ないことなんです。

今、こうして姿を見せているのは、あなたが私を強く求めていたから。
基本、誰かに助けてほしいという強い願いでしか、私は姿を出せないのに……ほんと、どうかしています。

なんで喜んでいるのですか?
喜ぶところなんてどこにもないでしょう?


――っ、そうですね。そこは、事実です。
あなたの強い想いが、私を呼び留めた。ずっとそばにいてほしいという強い気持ちが。
別に、常に命の危機に瀕しているわけでもないのに。本来はあり得ないことです。


どうしてですか?
どうして、私にそれほどまで執着するのですか?

……別に、いいじゃないですか。
あなたがその腕輪を手放さない限り、私はあなたを護り続けます。
目には見えずとも、様々な障害から、あなたを護る。それが、私の務め。

それで、いいじゃないですか。
姿は見えずとも、声は聞こえずとも、私はあなたのそばにいるんです。

悪いことは言いません。人間なのですから、同じ人間にその言葉を送るべきです。まだまだこれからの人生は長いのですから。
きっと、私以上の相手に巡り合えます。


頑固ですね。
少なくとも、実体があるというだけで、私とは天と地の差があります。
抱擁や、口づけというのは、人と人との、愛情を示す行為なのでしょう?

でも、私とはそれができないのです。
触れ合うことができない以上、愛情を示すことなんて、できるはずがありません。


あの時は、あなたが車に轢かれそうになったから、とっさに抱き寄せただけです。
逆にいえば、そんなときにしか、私はあなたと触れ合うことはできないのです。


ちょっと、今、変なこと考えませんでしたか?
わざと自分の身を危険にさらすとか、冗談にもほどがあります。
せっかく救われた命を無駄にするのはやめなさい。


そこは、聞き分けがいいのですね。
それなら、私への想いも諦めてほしいのですが。


――っ、ここまで言ったのに、まだ言うのですか?
大体、私とあなたが出会ったのは、ついさっきのこと。私はともかく、あなたは私のことを全く知らなかったでしょう?


一目惚れ……私に?
分かりません。私の容姿と、私があなたを護った。それだけの理由で、好きという感情を持つだなんて。


分かるわけないでしょう。私は、あなたたちとは違う存在。
一目惚れとか、恋とか、そんなの、分からないです。

ただ、あなたが向けてくるその感情が、とても……一途で、情熱的すぎて。
だから……その想いに応えられないのが、すごく心苦しいのです。


違います。あなたの告白を受け入れたわけではないです。
何を聞いたらそうなるのですか。


すぅー、はぁー。

どうやら、私は、とんでもない人を護ることになったみたいです。
私のことを好きという人を護ることになるのは初めてですが……私の使命を果たすことは約束します。

どんなことがあろうと、あなたのことは、私が必ず護りますから。
これから先、あなたの気持ちがどう変わろうと、それだけは変わりません。

あなたなら、そう返すだろうなって思っていました。
ずっと私への気持ちは変わらないって。

今はまだ、あなたの想いをしっかり理解できていないですし、受け止めきれませんが、もう少し、あなたの想いに、真摯に向き合ってみようと思います。

そろそろ、姿をとどめていられるのも限界みたいです。
私の姿を見るなんて、人間にとっては、一生に一度有るか無いかのはずなのに。あなたなら、きっと何度も顔を合わせることになるのでしょうね。

ですから、こんな言葉を言うなんて初めてのことですけれど。

また、会いましょうね。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
命を救ってくれた守護天使に、一目惚れした話
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
チョンマー
ライター情報
pixivでフリー台本を書いています。
甘々な話も、ちょっとエモいお話も、どっちも好きで書いています。
元々小説畑の人間なので、どこか物語染みてるところがあるかも……。
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