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幽霊お姉さんと過ごす一夜
written by 松平蒼太郎
  • お姉さん
  • ヤンデレ
公開日2021年06月05日 18:00 更新日2021年06月05日 18:00
文字数
1057文字(約 3分32秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
指定なし
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
本編
やあ、少年。こんばんは。相変わらず夜の散歩かい?

前から言ってるが、未成年がこんな遅い時間に外を出歩くのは感心しないぞ。

なるほど、受験勉強が煮詰まって外の空気を吸いにね…

まぁ親御さんに許可をもらってるなら構わないが。

そういうお姉さんはいつもここで何をしてるのかって?

なに、大した理由はない。この周りに誰もいない夜の空気が好きなだけさ。

こうして何もせずに一人でボーッと過ごすのも乙なものだよ。

ははっ、そうだな。君の言う通り私は変わり者だ。

いや、はたから見たら不審者だな、違いない。

ん?一人でいるのを邪魔しちゃ悪いからこれで失礼しますって、まぁ待て。

たしかに一人でいるのもいいが、こうして君と会話を楽しむのも嫌いじゃない。

むしろ好きな方だな。そういうわけだ、少し付き合ってくれ。

お姉さんは何か悩みとかありますか?か……

ふむ、基本的にはないが、そうだな、強いて言うなら人とあまり関われないことかな。

まぁ少し訳ありでね。私が相手を認識しても相手が私を認識しないんだ。

こちらからの声も届かないし、少し大袈裟な動作をやっても反応してもらえない。

リアクションがないというのは結構寂しいものさ…………


だから君がいつもこの通りを通って私と会話してくれるのは正直嬉しいんだ。

そう……永遠にこうしていたいぐらいに。

(目の前が暗くなる)

やあ、目が覚めたかい、少年。ここはさっきの通りの近くにある墓地だよ。

どうしてそんなところで膝枕されてるのかって?

ふふ、いいじゃないか。一回君を膝の上で愛でてみたかったんだ。

いや一回と言わずこれからずっと、永遠に君のことを愛でてあげられる。

それはどういう意味ですか、ねぇ………

気付いていないのかい?自分の身体をよく見てみるといい。

あぁそうだ、透けて見えるだろう。君は私と同じ幽霊になったんだ。

そう、幽霊。君はもうこの世の者ではないんだよ。

どうしてこんなことにって、そうだね、混乱するのも無理はない。これは私の仕業だよ。

君の肉体から魂だけを無理やり抜き取ったんだ。

君の精神が疲弊していたところを見計らってね。

君の肉体は今頃あの通りに転がってるよ。

いいや、君はもう二度と肉体に戻ることはできない。

私が君の肉体と魂の繋がりをほぼ完全に断ち切ったからね。

………そんなに怯えなくていい。これからは私がずっとそばにいる。

私は、君に見てもらったときからずっと、ずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっと、ずーっとそばにいて欲しかったんだ。

寂しかった、話がしたかった、温もりが欲しかった…

もう君は私のモノだ。絶対に手放したりはしないよ…
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
幽霊お姉さんと過ごす一夜
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
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