- 純愛
- シリアス
- 甘々
- 彼女
- 演奏家
- 励まし
公開日2025年09月14日 20:29
更新日2025年09月14日 20:29
文字数
1432文字(約 4分47秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
演奏家 彼女
視聴者役柄
彼氏
場所
家
あらすじ
演奏家の彼女は、頑張り屋だ。
頑張って、頑張って。自分を追い込んで。
それが自分には、とても心配で……。
ついには、僕は彼女に声を掛けていた。
頑張って、頑張って。自分を追い込んで。
それが自分には、とても心配で……。
ついには、僕は彼女に声を掛けていた。
本編
……ダメだ。これじゃ、前回のと変わらないじゃない。
こんなんじゃ、認めてもらえない。もう一度、弾きなおし。
(ドアを開ける音)
……なんだ、君か。
どうして、入ってきたの?
終わるまで立ち入らないでって言ったでしょ。
もう、そんなに時間経っていたの。
それで心配して……。
気持ちは嬉しいけれど、今はそっとしてほしい。
今は集中したいの。
持ってきてくれた飲み物だけ、ありがたくもらうね。
んっ、はぁ……。
すごい汗?
そうね。やっぱり、演奏ってエネルギー使うから。
それに、ここは防音室だし、どうしても熱気がこもっちゃうんだよね。
大丈夫。きちんと水分は取ってるから。
さて、もう一度。次こそ、うまく演奏しないと。
ううん、今は無茶しないといけないの。
今度こそ結果を残さないと。
一旦息抜きしようって?
ううん。そんなことをしている時間はないの。少しでも手になじませて、体に覚えさせないと。もう、本番まで時間がないから。
そんなに苦しんでまで、やらないといけないのか?
そうだよ。私は天才じゃないから。人よりもたくさん努力しないと。
……私には、これしかないの。これまでの人生を全て、これにささげてきたんだ。結果を出せなきゃ、これまでの人生が無駄になる。
そんなことはないって君は言うけれど。君に何が分かるの?
人生の半分、いやそれ以上をこいつと一緒に生きてきたの。
毎日のように練習して、練習して、練習して。できないことができるたびに、また新しいできないことが見つかって。
上手くなっていくたびに、どんどん上には上がいることを思い知らされて。
でも、それでも上を目指さないといけないの。
私がこの世界にとどまる為には、結果が必要で、結果を出すためには、こうして自分を追い込むしかないから。
私には、もう。これしかないの。
これを失ったら、私には、何も……。
そんなことない?
下手な慰めなんかいらない。
一つのことに、ここまでひたむきになれるのが、私の一番の魅力……。
そんな魅力なんかあったって、意味なんかない。
えっ。
そっか、そうなんだ。そういうところを、君は好きになってくれたんだ。
君だけ、なのかもしれない。
演奏家の私じゃない、ただの私のことを見ていてくれるのは。
……あのさ、もしも。
もしも、すべてが嫌になって、投げ出してしまって。
演奏家でなくなったとしても、それでも、君は傍にいてくれるの?
当然って、即答じゃん。
なんで、普段は間の抜けたところが多いくせに、こういう時はかっこいいの。ずるいじゃん。
ごめっ、ちょっと、涙、止まらないかも……。
うん、大丈夫。もう、落ち着いた。
ううん、止めないよ。多分、ずっとやめられないと思う。私にとってこれは、もう人生の一部のようなものだから。
だけど、こんな風に自分を追い込むのは、もう止める。
私には、君がいるから。こんな私でも、ずっと応援してくれて、傍にいてくれる君がいるから。
君のために、頑張りたいって、そう思うから。
あのね、わがままだけど、お願い。
きっと、私、不安のあまり、こうして頑張りすぎちゃうことがあると思う。自分でも気づけないぐらい。
そんなときは、声を掛けてほしい。支えてほしい。
ダメ、かな……。
ありがとう。
君がいてくれて、本当に良かった。
そっか、この気持ちが、好きってことなんだね。
うん。好きだよ。好きになったみたい。君のこと。
私の演奏をずっと聞いてくれていて、応援してくれて、どんな時も支えになってくれていた君のことが。
ねえ、もう一つ、お願い。
演奏家の私も、不安で怖がりな、普段の私も。
どんな私のことも、好きでいてね。
こんなんじゃ、認めてもらえない。もう一度、弾きなおし。
(ドアを開ける音)
……なんだ、君か。
どうして、入ってきたの?
終わるまで立ち入らないでって言ったでしょ。
もう、そんなに時間経っていたの。
それで心配して……。
気持ちは嬉しいけれど、今はそっとしてほしい。
今は集中したいの。
持ってきてくれた飲み物だけ、ありがたくもらうね。
んっ、はぁ……。
すごい汗?
そうね。やっぱり、演奏ってエネルギー使うから。
それに、ここは防音室だし、どうしても熱気がこもっちゃうんだよね。
大丈夫。きちんと水分は取ってるから。
さて、もう一度。次こそ、うまく演奏しないと。
ううん、今は無茶しないといけないの。
今度こそ結果を残さないと。
一旦息抜きしようって?
ううん。そんなことをしている時間はないの。少しでも手になじませて、体に覚えさせないと。もう、本番まで時間がないから。
そんなに苦しんでまで、やらないといけないのか?
そうだよ。私は天才じゃないから。人よりもたくさん努力しないと。
……私には、これしかないの。これまでの人生を全て、これにささげてきたんだ。結果を出せなきゃ、これまでの人生が無駄になる。
そんなことはないって君は言うけれど。君に何が分かるの?
人生の半分、いやそれ以上をこいつと一緒に生きてきたの。
毎日のように練習して、練習して、練習して。できないことができるたびに、また新しいできないことが見つかって。
上手くなっていくたびに、どんどん上には上がいることを思い知らされて。
でも、それでも上を目指さないといけないの。
私がこの世界にとどまる為には、結果が必要で、結果を出すためには、こうして自分を追い込むしかないから。
私には、もう。これしかないの。
これを失ったら、私には、何も……。
そんなことない?
下手な慰めなんかいらない。
一つのことに、ここまでひたむきになれるのが、私の一番の魅力……。
そんな魅力なんかあったって、意味なんかない。
えっ。
そっか、そうなんだ。そういうところを、君は好きになってくれたんだ。
君だけ、なのかもしれない。
演奏家の私じゃない、ただの私のことを見ていてくれるのは。
……あのさ、もしも。
もしも、すべてが嫌になって、投げ出してしまって。
演奏家でなくなったとしても、それでも、君は傍にいてくれるの?
当然って、即答じゃん。
なんで、普段は間の抜けたところが多いくせに、こういう時はかっこいいの。ずるいじゃん。
ごめっ、ちょっと、涙、止まらないかも……。
うん、大丈夫。もう、落ち着いた。
ううん、止めないよ。多分、ずっとやめられないと思う。私にとってこれは、もう人生の一部のようなものだから。
だけど、こんな風に自分を追い込むのは、もう止める。
私には、君がいるから。こんな私でも、ずっと応援してくれて、傍にいてくれる君がいるから。
君のために、頑張りたいって、そう思うから。
あのね、わがままだけど、お願い。
きっと、私、不安のあまり、こうして頑張りすぎちゃうことがあると思う。自分でも気づけないぐらい。
そんなときは、声を掛けてほしい。支えてほしい。
ダメ、かな……。
ありがとう。
君がいてくれて、本当に良かった。
そっか、この気持ちが、好きってことなんだね。
うん。好きだよ。好きになったみたい。君のこと。
私の演奏をずっと聞いてくれていて、応援してくれて、どんな時も支えになってくれていた君のことが。
ねえ、もう一つ、お願い。
演奏家の私も、不安で怖がりな、普段の私も。
どんな私のことも、好きでいてね。
クレジット
ライター情報
pixivでフリー台本を書いています。
甘々な話も、ちょっとエモいお話も、どっちも好きで書いています。
元々小説畑の人間なので、どこか物語染みてるところがあるかも……。
甘々な話も、ちょっとエモいお話も、どっちも好きで書いています。
元々小説畑の人間なので、どこか物語染みてるところがあるかも……。
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