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静かな午後、きみのそばに
written by ねむりはり
  • 寝落ち
公開日2026年05月09日 02:34 更新日2026年05月13日 00:17
文字数
2433文字(約 8分7秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
喫茶店の店員
視聴者役柄
常連客
場所
喫茶店
あらすじ
雨が降りそうな静かな午後、あなたはひとりカフェに立ち寄った。
窓際の席に案内してくれたのは、物静かで優しいカフェの店員。
あまり話しかけることが得意じゃないと言いながら、あなたの疲れた顔を見て、そっと隣に座ってくれる。
コーヒーの香り、時計の音、遠くの街の音。
なにも考えなくていい。ただ、そこにいてくれるだけでいい
そう思いながら、あなたは会話を楽しむ
本編
■ 導入

(扉のベルが静かに鳴る音)

(足音、ゆっくりと近づいてくる)

……いらっしゃいませ。

(小さく、でも丁寧に)

……どうぞ、こちらへ。

(椅子を引く音)

……窓際のお席、空いています。

(少し間)

……今日は、ひとりですか。

(ふっと息をつくように)

……そうですか。

(カップをテーブルに置く音)

……お水、どうぞ。

(間)

……メニュー、ゆっくり見ていてください。

(足音が少し遠ざかる)

(店内に静かな音楽が流れている。外の街の音が遠く聞こえる)

(また足音が近づいてくる)

……お決まりになりましたか。

(小さく頷くように)

……コーヒー、ひとつ。

(メモをとる音)

……ホット、でよかったですか。

……かしこまりました。

(足音が遠ざかる)

(コーヒーを淹れる音、お湯の音、静かにカップに注がれる音)

(しばらく間)

---

■ 本編前半

(足音が近づく)

……お待たせしました。

(カップをそっとテーブルに置く音)

……熱いので、気をつけて。

(間)

……今日は、静かですね。

(窓の外を見るように)

……雨が降りそうな空、だから、みんな早く帰ったのかもしれません。

(少し間)

……私は、この時間が好きなんです。

(ふわっとした声で)

……誰もいなくて、静かで。

時計の音と、コーヒーの香りだけがある時間。

(間)

……あなたが来てくれて、よかった。

(小さく、独り言のように)

……ひとりよりも、少しだけ、あたたかい気がするから。

(椅子を引く音。近くに座るような気配)

……少し、お話ししてもいいですか。

閉店まで、まだ時間がありますし。

(間)

……私、あまりしゃべるのが得意じゃないんです。

だから、お客さんに話しかけることも、あんまりなくて。

(少し笑うように)

……でも、なんか今日は。

あなた、疲れてそうだったから。

(間)

……違いましたか。

(また間)

……そっか。やっぱり、わかるんですね。

顔に出てた?

(小さく息をつく)

……そういうの、隠せないですよね。

私もよく、ここで座って、窓の外を見ながら、いろんなこと考えてしまうから。

(間)

……コーヒー、どうですか。

(答えを待つように)

……よかった。

今日は少し、豆を変えてみたんです。

苦みが少なくて、やわらかい味のやつ。

疲れているときは、そういうほうがいいかなって思って。

(小さく笑う)

……勝手に決めてしまいました。

でも、合ってたなら、よかった。

(間)

……外、風が出てきましたね。

(窓の外を見るように)

葉っぱが揺れてる。

……こういう日って、どこにも行けないような気がして。

でも、それが悪いわけじゃなくて。

ただ、じっとしていたくなる。

(間)

……あなたも、そういう気分でここに来たんじゃないかな、って。

違ったらごめんなさい。

(少し間)

……でも、ここにいる間は、なにも考えなくていいですよ。

ただ、座っていてください。

私がそばにいます。

---

■ 本編後半

(間。店内の静寂が続く)

(ゆったりとした息)

……ねえ、聞いてもいいですか。

……最近、ちゃんと眠れていますか。

(少し間)

……そうですよね。

なんかわかります。目のあたりが、少し重そうで。

(ふわっとした声で)

……ここ、ソファの席だから、もたれかかってもいいですよ。

誰も見てないし、私しかいないから。

(間)

……遠慮しなくていいんです。

(また間)

……私ね、昔から、人と話すのが苦手で。

学校でも、うまく言葉が出なくて。

でも、ここで働くようになってから、少しだけ楽になったんです。

(静かに)

……お客さんって、私に何かを求めてくるわけじゃないから。

ただ、そこにいて、コーヒーを出して、静かにしていればいい。

それだけで、ありがとうって言ってもらえるから。

(間)

……なんか、それが嬉しくて。

こんな私でも、誰かの時間を少しだけ、よくすることができるんだなって。

(ゆっくりと息をつく)

……あなたのこと、前に一度見かけたことあるんです。

ずっと前に、雨の日に。

傘を持ってなくて、少し困った顔してて。

(小さく笑う)

……貸し傘、出そうとしたんですけど、気づいたらもう行っちゃってて。

……ちょっと心配してたんです、そのあと。

(間)

……ちゃんと帰れたなら、よかった。

(また静寂)

(コーヒーカップに少しお湯を足す音)

……少し温め直しますね。

冷めてたら、美味しくないから。

(間)

……私ね、この仕事、長くは続けられないかもしれないって思ってたんです。

人と関わるのが怖くて。

でも、ここのマスターが言ってくれたんです。

言葉じゃなくても、伝わるものがある、って。

(ゆっくり)

……沈黙も、立派なおもてなしだって。

(間)

……その言葉、すごく好きなんです。

私みたいな人間にも、居場所があるんだって思えて。

(少し間)

……あなたにも、そういう場所がありますか。

何も言わなくていい、ただいるだけでいい、って思える場所。

(間)

……ないなら、ここに来てください。

いつでも。

(やわらかく)

……私、ここにいるから。

---

■ クロージング

(間。外の音が少し遠くなる)

(囁き声に変わっていく)

……なんか、目、閉じてきましたね。

(くすっと小さく笑う)

……いいですよ。

このまま、休んでいってください。

急がなくていいです。

閉店まで、まだ時間があるから。

(間)

……外の音、聞こえますか。

風と、遠くの車の音と。

……ここは静かで、あたたかくて。

コーヒーの香りが、ずっとしていて。

(ゆっくり、静かな囁きで)

……私は、ここにいます。

あなたのそばに、ずっといます。

何もしなくていいです。

何も考えなくていいです。

ただ、呼吸をして。

……ゆっくり、ゆっくり。

(少し間)

……疲れたんですよね。

ちゃんと知っています。

言わなくてもわかります。

……ここに来てくれて、ありがとう。

(囁き)

……目を閉じていてください。

私の声、聞こえてますか。

……聞こえていたら、それだけでいいです。

(間)

……雨、降り始めましたね。

窓を叩く音、小さく聞こえますか。

……あの音、好きなんです。

なんか、世界が全部、遠くなっていくみたいで。

自分だけの時間になっていくみたいで。

(ゆっくりと囁く)

……今夜は、よく眠れますように。

ちゃんと夢を見て、あたたかいところで休めますように。

(間)

……明日が少しでも、軽くなりますように。

(息をひそめるように)

……また来てください。

待っています。

いつでも、ここにいます。

(長い間)

……おやすみなさい。

(雨の音だけが静かに残る)

(フェードアウト)

---
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
静かな午後、きみのそばに
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
ねむりはり
ライター情報
はじめまして
趣味でただ私が聞きたいフリー台本を書き投稿しているオタクです。
「こういう台本が欲しかった」
「よかった」
と思ってもらえる作品を書けるように頑張っています。
少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。
よろしくお願いいたします。

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