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夏の縁側で、君に言えなかった言葉を
written by ねむりはり
  • 告白
  • 純愛
  • 幼なじみ
公開日2026年08月17日 02:22 更新日2026年08月17日 02:22
文字数
2054文字(約 6分51秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
指定なし
演者人数
1 人
演者役柄
地元で待つ幼馴染の女性
視聴者役柄
帰省した幼馴染
場所
家の縁側。
あらすじ
お盆休みで東京から地元へ帰ってきたあなた。

待っていたのは、子供のころからずっと一緒だった幼馴染だった。

昔と変わらない縁側に並んで座り、かき氷を半分こした思い出や、二人で神社の石段を登った夏の日を懐かしむ。

「あなたといる景色が、私にはずっと、一番きれいに見えてたんだと思う」

やがて二人で始めた線香花火。

小さな火を見つめているうちに、彼女は毎年言えないまま飲み込んできた気持ちを、少しずつ口にし始める。

そして、線香花火が落ちたあと。もう一本の花火に火を灯し、ついに告げる。

「あなたのことが、好き。恋愛的な意味で」

東京と地元。離れて暮らす二人が、年に一度の帰省の夜に初めて向き合う。

ずっと幼馴染だった二人の関係が、ひとつの告白によって動き始める、少し切なくて甘い夏のシチュエーションボイス。
本編
■ 導入(目安:1分半)

あ……!
来た、来た。
やっと帰ってきたね。

もう、遅いよ。
何時だと思ってるの。
ずっと待ってたんだから。

(少しふくれながらも嬉しそうに)

……連絡くれればよかったのに。
まあ、いいけどね。
来てくれたし。

(縁側をポンポンと叩いて)

ほら、座りなよ。
涼しいよ、ここ。
風が気持ちいいから。

【SE】縁側に座る音・風鈴が鳴る音

(ほっとしたように、少し息をついて)

……なんか、懐かしいね。
こうやって二人で縁側に座るの。
子供のときみたいでしょ。

(少し遠くを見るように)

あのころはよく、ここでかき氷食べたよね。
私がいちご、あなたがメロン。
いつも半分こしてたの、覚えてる?

(くすっと笑って)

……うん。
やっぱりあなたは変わってないな。

---

■ 本編パート① ─ 昔話と距離の近さ(目安:3分)

ねえ、知ってる?
私、今年のお盆ずっとここにいたんだよ。
お母さんに「帰ってくるの待ってるの?」って言われてさ。


ち、違うよ!
べつにあなたを待ってたわけじゃないから!
たまたま予定がなかっただけだから!

……まあ、ちょっとだけ待ってたかもしれないけど。
ちょっとだけね。

そういえばさ、
あの神社、まだ覚えてる?
二人でよく登ってた石段。

ほら、あそこの丘から見る花火が一番きれいでさ。
あなたが「ここが特等席だ」って言ったの、
私ずっと覚えてたんだよ。

(少し懐かしむように)

……毎年、あなたがいないお盆に一人で登ってみたこと、あってさ。
でもなんか、一人だと全然きれいに見えないんだよね。

不思議だよね。
景色は同じはずなのに。
誰と見るかで、こんなに違うんだって。

(間)

……あなたといる景色が、
私にはずっと、一番きれいに見えてたんだと思う。

あ、えっと!
花火、やろう。
ほら、買ってきてあるんだよ。
線香花火。

---

■ 本編パート② ─ 線香花火と揺れる感情(目安:4分)


じゃじゃーん。
線香花火、たくさん買ってきたんだよ。
毎年これだけは欠かさないの。

【SE】マッチを擦る音・線香花火に火がつく音

(柔らかく、静かに)

火……ついた。
きれい。

(息を潜めるように、静かな声で)

……こういうとき、
しゃべっちゃだめなんだよ。
落ちちゃうから。

(少し間があって)

…………

ねえ。
こういうときってさ、
なんでか正直になれる気がするんだよね。

(すぐに取り消すように)

あ、でもいい。
なんでもない。
花火見よ、花火。

【SE】線香花火がぱちぱちと弾ける音

(小声で、耳に届くように)

……きれいだね。

(間)

……ねえ。
怒らないで聞いてほしいんだけど。


……さっき、「なんでもない」って言ったけど、
やっぱり、なんでもなくない。

(間)

……

(ゆっくりと、静かに)

ずっとね、言いたかったことがあって。
毎年このお盆が来るたびに、
今年こそ言おうって思ってたんだけど、
なんか、うまくいかなくて。

【SE】線香花火が落ちる音

(はっとして、少し笑って)

あ……落ちちゃった。

ね、こういうとき落ちるんだよ。
緊張すると。

もう一本、やっていい?

---

■ 本編パート③ ─ 告白(目安:4分)

【SE】マッチを擦る音・線香花火に火がつく音

(息を整えながら、静かに)

……こっちの方が長持ちするね。
ちゃんと手を、動かさないでいれば。

(間)

……あのね。

私、あなたのこと、
ずっと、ずっと好きだったんだ。

(少し間)

……

子供のころから、っていう意味じゃなくて。
えっと……その。

いや、子供のころからも、好きだったんだけど。
でもそれとは違う意味で……ってことで。
わかってほしいんだけど……。

……わかんないよね。私がいったい何言ってるか。

(少し笑って、落ち着かせるように)

ごめん。
ちゃんと言う。

あなたのことが、好き。
恋愛的な意味で。

(長い沈黙)

……

(ちいさく、吐息まじりに)

……ずっと言えなかったんだよ。

毎年お盆が来るたびに、
あなたが帰ってくるたびに、
全部忘れようとして……
でも全然忘れられなくて。


あなたが東京に戻るたびに、
なんか胸がぎゅってなってさ。
なんでこんなに寂しいんだろうって、ずっと思ってた。

……遠距離とか、難しいこととか、
そういうのはわかってるよ。
うまくいくかもわからないし。

(でも、はっきりと)

それでも言いたかった。
言わないまま、またあなたを見送るのは、
もう嫌だなって思ったから。


……びっくりした?

(相手の反応を待つように、少し間があって)

…………

……返事、しなくていいよ。
いや、したくない人はしなくていいってことで……。
でも、できればほしいな……ってこともあるんだけど……

うん、自分でもうるさいと思ってる。

---

■ クロージング ─ 夏の余韻(目安:2分)

【SE】遠くで花火の音・虫の声が続いて

……ありがとう。
ちゃんと聞いてくれて。

言えてよかった。
すごく、すごくよかった。

……空、きれいだね。
星、出てる。

(ゆっくりと、噛みしめるように)

こういう夜のことを、
私、きっとずっと覚えてる。

(優しく、少し声が上ずって)

……ねえ。
もうちょっとだけ、ここにいてもいい?
花火、まだ残ってるから。


それに、あなたといる夜は、
もう少し長くしたいから。

(間)

……うん。
ありがとう。


おやすみ。
……また、明日ね。

(少し笑って、小さな声で)

来年もお盆、ちゃんと帰ってきてね。

(少しだけ照れて)

……待ってるから。

【SE】虫の声・遠くに最後の花火の音がひとつ

---
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
夏の縁側で、君に言えなかった言葉を
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
ねむりはり
ライター情報
はじめまして
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「こういう台本が欲しかった」
「よかった」
と思ってもらえる作品を書けるように頑張っています。
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