あなたはとある国の軍隊に所属している軍人。そんなあなたは上官であるクールでカッコいい美女に惚れていた。
ある日、あなたはその上官から呼び出され、1人で敵地へ諜報活動をしに行くよう命令を受けた。
その命令の最後に、彼女は感情の読めない声で不穏な事を言った気がしたが、よく聞き取れなかったあなた。それをもう一度聞き返さなかった事があなたの運命を変えるとも知らずに。

あぁ、そうだ。君、ちょっといいかしら。
（声をひそめて）極秘の命令があるの。私の執務室に来てもらえる？

（間を空けて）

最近、上層部が敵が新兵器を開発したとの情報を入手したの。
それの情報を入手するために、スパイを送り込む事になったわ。

そこで、私達の部隊の‘あなたに’白羽の矢が立ったワケ。
なんでも上直々のご指名だそうよ。

…誇らしいわ。君のような優秀な部下を持てて。

（間を空けて）

ふふっ。嬉しい事言ってくれるじゃない。
この任務、分かってると思うけど…
（低めの声で）命の保証はないわよ？

まぁ、君もそんなの分かりきってる事よね。何しろ、君の愛国心は誰しもが認める程だもの。
本当に、私の自慢の‘部下’よ。

（間を空けて）

はい、これが命令書よ。あなたは早速敵の司令部へ行ってもらうわ。
明日の朝出発よ。
はぁ、これで後何年かはお別れね。
…寂しくなっちゃうわ。君に会えないなんて。
（小声で）これが最後の命令になるのね。

え？今何か言ったかって？何でもないわよ？
そうそう。明日の朝、君が出発する時に私も送りに行くわ。
ほら、分かったら早く準備しに行きなさい？

（間を空けて）

忘れ物は無いわね？あとは命令書の手筈通りにね。
あ、そうだ。簡単な朝食を持ってきてあげたから、ここで食べて行ってしまいなさいな。

（間を空けて）

ふふっ、可愛い顔で寝てる。食べ物に薬を仕込むなんて、初歩中の初歩よ？
こんな簡単な手に引っかかるなんて、まだまだ甘いじゃない。
本当に可愛いわ。いつもの凛々しい君も素敵だけど、無防備な君も良いわね…
いけないいけない、早く移動しないと…

（間を空けて）

やっと起きたわね。君の寝顔、可愛かったわよ？思わず見惚れちゃったわ。
ふふっ、戸惑ってる。何が何だか分からないって、顔に書いてるわね。
教えてあげるわ。実は私、敵のスパイなの。ずっと仲間だと思ってた？

ほら、見てごらん？この軍服。君が大好きな敵の軍服。
私、知ってるのよ？あなた、毎晩これでイケナイ妄想をしていたわよね？
ふふっ、焦っちゃって。可愛い。
私、それを初めて知った時とっても嬉しかったのよ？
何しろ、大好きな君の性癖にちょうどぶっ刺さってたんだからね。

あらあら、そんなに暴れちゃって。手足に枷をはめてあるんだから、君の美しい手足に傷がついてしまうわよ？
ちょっと大人しくなる薬を注射するわ。ほら、ちゅ〜〜。（甘々な感じで）
これで大人しくなったわね。

教えてあげるわ、ここがどこなのか、私が何故君を攫ったのか。
ここは私の国。君にとっては敵国、ということになるわね。
私の仕事はただ淡々と情報を盗み、祖国に送ること。それをするだけの毎日に嫌気がさしていた頃、君に出会ったの。
本当に君は素敵だった。これが一目惚れってやつなんだな、って確信したわ。
君と一緒に仕事をすることはなによりも楽しかった。そんななか、君に諜報任務の命令が下った時、私はチャンスだと思ったのよ。
君を祖国に連れてきて、一生一緒に暮らすチャンスだって。（低い声で）

もう一つ君に教えてあげる。単刀直入に言えば、君の国はもうすぐ敗けるわ。
…そんな事有り得ないですって？
あまり詳しく話す必要はないけど、君が調べる予定だった新兵器、あれが使われれば確実に君の国は敗ける。
そうなれば、君は一生私の国で捕虜として働かされるのよ？
そんな事、君にとっては死ぬよりも嫌な事よね？
攫ってきたのを感謝して欲しいくらいだわ。

ここで一生、私たちは幸せに暮らすの。もし私の機嫌を損なうような事をすれば、私は激昂して君を壊してしまうかもしれないわ。
それでも、私は君を愛すけどね。

大好きだよ。私の愛しい旦那さん。

・台本（ゆるボイ！）
ヤンデレ女上官から一生愛される
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
黒いびーどろ