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異世界に勇者として召喚されたあなた。仲間と共に魔王の城へ乗り込むと、そこにいた魔王はあなたを知っているようで……？

…ふっふっふ……
よくここまでたどり着いたわね、勇者
でも、もう頑張る必要はないわよ
私が、この魔王が！直々に相手をしてあげるわ！
(戦闘が始まった)
へぇ…
まぁ、ここに来るまでに何人も私の部下を葬ってきただけのことはあるわね
でも…まだ、甘いわよっ！
(勇者、魔王の攻撃を受けて吹き飛ぶ)
さぁ、このまま一気に終わらせ……！
…ちょっと待って
今、そいつの名前、何て言ったの？
…え、ちょっと、嘘でしょ……？
勇者！そう、あんたよあんた！
えぇと、ほら、覚えてない？
あんたが『こっちの世界』に来る前の世界！
そこであんた、私と会ってるでしょ！？
そうよ、そう！私よ私！
まさか異世界に来たのに知り合いに会えるとは思わなかったわ
「魔王っぽかったよ」って……
う、うるさい！あんまり言うな！ニヤニヤするな！
目が覚めたら、見覚えのない世界に来てるし、いきなり『あなたは魔王です』って言われて…
訳が分からないまま異世界で過ごすのって、こんなに大変だったのね…
あ～！私もあんたみたいに勇者サイドで異世界を満喫したかった～！
何で私が悪役なのよ～！も～！！
……「これからどうする」のかって？
そりゃあ、私はあんたと戦いたくなんてないんですけど……
「何で」って、あぁもう本当にニブい……
あの時は卒業式近かったし、あんたも遠くの学校行くみたいだったから……
…告白くらい、してみようと思ってたのよ
でも、あんたそういうの疎いし、顔はいいから寄ってくる女子も多いしで、結局できなかったのよね……
でも、ここならそんなの気にしなくていい
この世界なら、元いた世界の私たちを知る人なんていない
だから…私と一緒に来ない？
……まぁ、来ないわよね
あんたそういうところは律儀だしね
でも、良かったわ
これで私も……遠慮なんてしなくていいから
(倒れるSE)
互角に戦えてると思った？
そんな訳ないでしょう？
あのね、今までのはお遊びよお・あ・そ・び！
転生者でもないのにわざわざ本気出さないわよ、まったく……
さて、これでこの魔王である私を止める者はいなくなったんだけど……
もう一度だけ聞くわよ？勇者
あんたが私と共に来るか、それを拒んで国と一緒に死ぬか
どちらかを選びなさい
私と共に来てくれるなら、あんたが望むものを何でも与えてあげるわ
富も、名誉も…世界だって、あんたのためなら差し出してあげる
……でも、拒否するというのなら…
差しのべた私の手を、拒むと言うのなら……
その時は容赦はしない
世界を滅ぼして、あんた以外の人間を根絶やしにして……
それから、あんたを迎えに行くわ
……はぁ
もう気絶寸前じゃないの
……今日はここまでにしておいてあげる
そんな状態でさらったって、目が覚めたらどうせ抵抗されるんだろうし
それに、どうせなら自分の意思で私を選んでもらいたいしね♪
じゃあね？勇者たち
いい返事を期待してるわよ？

・台本（ゆるボイ！）
異世界転生したら魔王が知り合いだったようです
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
unknown